ビークルの PhysX を Chaos に変換する方法

このガイドは、PhysX を使用した既存のビークルを、Chaos Physics ソルバを使用するように変換する方法を説明します。

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前提トピック

このページは以下のトピックへの知識があることを前提にしています。まず以下のトピックの内容についてご確認をお願いします。

Chaos Vehicle の設定 」ガイドで述べたように、ビークルを構成するアセットは、スケルタルメッシュ、物理アセット、アニメーションとビークルのブループリント、そして 1 つ以上のホイール ブループリントです。こうしたアセットをビークルに対して構成する手順は、PhysX と Chaos ソルバのどちらを使用するかによって大きく異なります。

設定

アセットの構成

現時点で、アセットの構成に関連するワークフローに変更はありません。物理コリジョン、カメラ、ビークル制御の設定は、PhysX ビークルと Chaos ビークルの間で変更する必要はありません。

アニメーション ブループリント

アニメーション ブループリントは、WheelHandler ノードを代替する WheelController ノードを使用することを除き同じです。

クラス レイアウト

ほとんどのケースでクラス レイアウトは類似しており、クラス名だけが異なります。

PhysX コンポーネント

Chaos コンポーネント

VehicleWheel

ChaosVehicleWheel

VehicleMovement

ChaosWheeledVehicleComponent

VehicleAnimInstance

VehicleAnimationInstance

WheelHandler

WheelController

WheeledVehicle

WheeledVehiclePawn

変換の手順

  1. フロント ホイールとリア ホイールに対して、 ChaosVehicleWheel クラスを基底にしたブループリント クラスを作成します。

  2. PhysX ビークルのホイールから設定の詳細をコピーします。コピーする重要な詳細内容は、ホイールの半径、サスペンションの上昇 / 降下の最大値、ステアリング角度、そしてエンジン、ブレーキ、ハンドブレーキをホイールに備えるかどうかです。

    最初にフロント ホイールを変換して必要な値を設定してから、その複製を作成してリア ホイールに名前を変更する手順を推奨します。この手順では、ほとんどの場合、ホイールとサスペンションの設定はフロントとリアで同一になるため、この方法によりホイール設定をすべて繰り返さず、フロントと異なる値のみをリアに設定するだけで済みます。

  3. ビークルのポーンに ChaosWheeledVehicleComponent コンポーネントを追加します。

  4. PhysX Vehicle コンポーネントに存在するのと同じ数だけホイールを追加します。

    1. PhysX のスケルタルメッシュからボーンの名前をコピーします。

    2. ホイールのクラスを、先ほど作成した対応するホイールに設定します。

    howtoconvertphyxvehicles1.png

    ホイール クラスを割り当てた例

  5. 質量やエンジンのトルクなど、必要に応じて他のプロパティを設定します。

    1. 必要に応じてトルク カーブを作成し、それをエンジンのトルクに割り当てます。

  6. アニメーション ブループリントを開いて [File (ファイル)] > [Reparent Blueprint (ブループリントを再ペアレント化)] を順に選択し、 [VehicleAnimationInstance] をクリックします。

    VehicleAnimInstance

  7. このビークル アニメーション ブループリントを編集し、WheelHandler アニメーション ノードを削除して WheelController ノードに置換します。

    howtoconvertphyxvehicles2.png

    WheelHandler を WheelController に置換した後のアニメーション グラフ。

    ブループリントに存在するその他すべての設定は、そのままの状態で構いません。

  8. 物理アセットが期待どおりであることを確認します。たとえば、シャーシに必要なコリジョン モデルがあり、ホイールには単純なコリジョンを設定できますが、ホイールのコリジョンは無効化する必要があります。

  9. PhysX の WheeledVehicleMovementComponent4W リファレンスを参照するすべてのブループリント コードについて、PhysX Movement コンポーネントの参照を削除し、 ChaosWheeledVehicleMovement リファレンスを使用してブループリントを再作成します。

    SteeringInput.png WheeledVehicleMovementComponent4W

ここまでの変換手順を実行すると、Chaos 物理ソルバを使用するビークルが完成します。

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