アセットの非同期ロード

ランタイム中にアセットをロードおよびアンロードするためのメソッド。

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UE4 にはいくつかの新しいシステムがあり、アセット データを非常に簡単に非同期でロードできるようにします。UE3 のシークフリーのコンテンツ パッケージにあった多くの機能に代わるものです。こうした新しいメソッドは開発と、デバイス上のクック データとで全く同じように機能します。そのため、オンデマンドでデータをロードするために 2 つのコード パスを維持する必要はありません。オンデマンドでデータを参照する、データをロードするために使用可能な一般的な方法として以下の 2 つがあります。

FSoftObjectPaths と TSoftObjectPtr

アーティストやデザイナーにアセットを参照させる一番簡単な方法は、hard pointer の UProperty を作り、それにカテゴリを与えるものです。UE4 では、アセットを参照する hard UObject pointer のプロパティを持っている場合、そのプロパティを含むオブジェクトがロードされるとアセットがロードされます (マップに配置されるか、gameinfo のようなものから参照されるかのいずれかです)。気を付けないと、ゲームのスタートアップ時にアセットの 100% をロードすることになります。毎回参照したアセットをロードするのではなく、同じ UI を hard pointer として使用し、アーティスト / デザイナーが特定のアセットを参照できるようにしたい場合は、 FSoftObjectPath または TSoftObjectPtr を使用します。

FSoftObjectPath は単純な構造体であり、アセットのフルネームを持つ文字列を含みます。このタイプのプロパティをクラスでつくると、 UObject * プロパティであるかのようにエディタに表示されます。クッキングとリダイレクトも適切に処理します。そのため、SoftObjectPath を持っていれば、デバイスで適切に機能することが保証されます。 TSoftObjectPtr は基本的に TWeakObjectPtr であり、 FSoftObjectPath をラップアラウンドし、特定クラスをテンプレートにするため、エディタ UI が特定のクラスだけを選択するように制限できます。参照したアセットがメモリにある場合、 TSoftObjectPtr.Get() がそれを戻します。参照したアセットがメモリになければ、 ToSoftObjectPath() を呼び出して、それが参照するアセットを見つけて、以下で説明するメソッドを使用してロードします。次に、再度 TSoftObjectPtr.Get() を呼び出してポインターの参照先の値を取得します。

TSoftObjectPtrs と StringAssetReferences はアーティストやデザイナーが参照を手作業でセットアップしている場合には適しています。しかし、こうしたアセットのすべてをロードせずに、特定の要件を満たすアセットを見つけるようなクエリを行いたい場合は、アセット レジストリとオブジェクト ライブラリを使用します。

アセット レジストリとオブジェクト ライブラリ

アセット レジストリはアセットに関するメタデータを保存するシステムであり、アセットの検索およびクエリを実行することができます。アセット レジストリはエディタが コンテンツ ブラウザ で情報を表示するために使用しますが、ゲームプレイ コードから現在ロードされていないゲームプレイ アセットに関するメタデータのクエリを実行するために使用することもできます。アセットに関するデータを検索可能にするには、"AssetRegistrySearchable" タグをプロパティに追加する必要があります。アセット レジストリに対するクエリは、FAssetData 型のオブジェクトを戻します。これには、オブジェクトに関する情報と検索可能とマーク付けされたプロパティを含む key->value のペアのマップも含まれます。

アンロードされたアセットのグループで作業する最も簡単な方法は、 ObjectLibrary を使うものです。 ObjectLibrary は、ロードされたオブジェクトまたはアンロードされたオブジェクトに対する FAssetData のいずれかのリストを含むオブジェクトであり、共有基本クラスから継承されたものです。オブジェクト ライブラリをロードするには、検索するパスを与えます。するとすべてのアセットがそのパスに追加されます。これは、非常に役立ちます。コンテンツ フォルダの一部を様々なタイプに指定し、アーティストやデザイナーはマニュアルのマスターリストを編集する必要なく、新規アセットを追加できるからです。以下は、オブジェクト ライブラリを使用して AssetData をディスクからロードする方法です。

if (!ObjectLibrary)
{
       ObjectLibrary = UObjectLibrary::CreateLibrary(BaseClass, false, GIsEditor);
       ObjectLibrary->AddToRoot();
}
ObjectLibrary->LoadAssetDataFromPath(TEXT("/Game/PathWithAllObjectsOfSameType");
if (bFullyLoad)
{
       ObjectLibrary->LoadAssetsFromAssetData();
}

この例では、新規オブジェクト ライブラリを作成し、基本クラスを関連付けて、その後、特定のパスにあるすべてのアセット データをロードします。次に任意で実際のアセットをロードします。アセットが小さい場合、またはアセットをクッキングし、すべてがクッキングされたことを確認する必要がある場合は、アセットを完全にロードします。クック中にアセット レジストリのクエリを行って、戻されたアセットをロードする限り、オブジェクト ライブラリはクックしたデータに関して開発中と同様にデバイス上で同じように機能します。ObjectLibrary に含まれるアセットデータがあれば、クエリを行い、特定のアセットを選択的にロードできます。以下は、クエリを行う方法の例です。

TArray<FAssetData> AssetDatas;
ObjectLibrary->GetAssetDataList(AssetDatas);

for (int32 i = 0; i < AssetDatas.Num(); ++i)
{
       FAssetData& AssetData = AssetDatas[i];

       const FString* FoundTypeNameString = AssetData.TagsAndValues.Find(GET_MEMBER_NAME_CHECKED(UAssetObject,TypeName));

       if (FoundTypeNameString && FoundTypeNameString->Contains(TEXT("FooType")))
       {
              return AssetData;
       }
}

この例では、"FooType" を含む TypeName フィールドを持つものをオブジェクト ライブラリで検索します。続いて、見つけた最初のものを戻します。 AssetData を得たら、 ToStringReference() を呼び出してそれを FSoftObjectPath に変換し、それを次のシステムを用いて非同期にロードできます。

StreamableManager と Asynchronous Loading

ディスク上のアセットを参照する FSoftObjectPath を持っているので、実際に非同期でロードしてみましょう。これを行うには、 FStreamableManager を使うのが最も簡単な方法です。最初に、 FStreamableManager を作成する必要があります。 DefaultEngine.ini GameSingletonClassName を用いて指定したものなど、何らかのグローバル ゲーム シングルトン オブジェクトに入れることをお勧めします。続いて、その中に FSoftObjectPath を渡して、ロードを開始します。 SynchronousLoad は単純なブロッキング ロードを行い、オブジェクトを戻します。このメソッドは小さなオブジェクトには適しているかもしれませんが、メインのスレッドをかなり長い間、遅延させるおそれがあります。この場合、アセットのグループを非同期にロードし、完了後にデリゲートを呼び出す RequestAsyncLoad を使用する必要があります。以下は例です。

void UGameCheatManager::GrantItems()
{
       TArray<FSoftObjectPath> ItemsToStream;
       FStreamableManager& Streamable = UGameGlobals::Get().StreamableManager;
       for(int32 i = 0; i < ItemList.Num(); ++i)
       {
              ItemsToStream.AddUnique(ItemList[i].ToStringReference());
       }
       Streamable.RequestAsyncLoad(ItemsToStream, FStreamableDelegate::CreateUObject(this, &UGameCheatManager::GrantItemsDeferred));
}

void UGameCheatManager::GrantItemsDeferred()
{
       for(int32 i = 0; i < ItemList.Num(); ++i)
       {
              UGameItemData* ItemData = ItemList[i].Get();
              if(ItemData)
              {
                     MyPC->GrantItem(ItemData);
              }
       }
}

この例では、ItemList は TArray< TAssetPtr<UGameItem> > でありエディタでデザイナーによって修正されました。このコードはリストを繰り返し、それを StringReferences に変換し、そのロードをキューに入れます。こうしたアイテムのすべてがロードされると (または、欠落しているためロードに失敗すると)、デリゲートで渡されたものを呼び出します。このデリゲートは次に同じアイテムのリストを繰り返し、参照先の値を取得し、それをプレイヤーに与えます。 StreamableManager はデリゲートが呼び出されるまでロードするアセットをハードリファレンスします。そのため、非同期にロードしたいオブジェクトが、デリゲートが呼び出される前にガーベジ コレクションされないことがわかります。デリゲートが呼び出された後にこうした参照を解放します。そのため、こうした参照が確実に存在し続けるようにしたい場合は、どこか別の場所でハードリファレンスする必要があります。

同じメソッドを使用して`FAssetData を非同期にロードできます。FAssetData 上で ToStringReference を呼び出し、配列に追加し、デリゲートで RequestAsyncLoad` を呼び出します。何でもデリゲートに成り得るため、必要に応じてペイロード情報を渡すこともできます。上記のメソッドを組み合わせることで、ゲームにアセットを効率的にロードできるシステムをセットアップできます。非同期のロードを処理するためにメモリに直接アクセスするゲームプレイ コードを変換するにはある程度時間がかかるでしょう。しかし、結局はゲームが停止することはかなり減り、メモリ消費も相当少なくなります。

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