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ライティングのクイックスタート ガイド では、Unreal Engine 4 を使った基本的な操作を説明します。内容は、大気ライトとディレクショナルライトを使ったシンプルなスカイボックスと lit レベルの作成方法、ポイントライトとスポットライトを用いた部屋の照らし方、ライト品質の変更方法、リフレクションを使って室内で光を照り返す方法、IES ライト プロフィールの使用方法です。この操作ガイドを最後まで行うと、上図のような部屋が出来上がります。ガイドの最後に、学習内容の応用練習と関連トピックへのリンクがあります。
このガイドは、各段階で必要な操作を行いながら進めていきます。Unreal Editor で作業した経験がない場合は、先に「Unreal Engine Editor のクイックスタート」ガイドを確認することを推奨します。一般的なエディタの使用、用語、プロセスについての理解を深めることができます。
1 - 必要な設定
このチュートリアル シリーズでは スターター コンテンツ を有効にした新規の ブランク のプロジェクトを使用しています。新規プロジェクトの作成、プロジェクト テンプレートの使用およびプロジェクト設定の定義 (スターター コンテンツ など) については、Project Browser ページを参照してください。
以下のステップに従って、(スターター コンテンツ が含まれている) ブランク のプロジェクト内に簡単なアパートを作成して、光を照らしてみます。
プロジェクトを開いたら、Ctrl+N を押して新規レベルを作成し、[Empty Level (空のレベル)] を選択します。
コンテンツ ブラウザ の「StarterContent」 > 「Architecture」フォルダで Floor_400x400 をレベル内にドラッグします。
[World Outliner (ワールド アウトライナー)] 内で、床 (Floor) を選択して Ctrl+W を 6 回押して、以下のような床を作成します。
Floor_400x400 を選択し、[Details (詳細)] パネルで [Transform (トランスフォーム)] を以下のように設定します。
残りの床の構成要素に対して [Transform] を以下のように設定します。
床の構成要素
Transform
400x401
400x402
400x403
400x404
400x405
400x406
床の構成要素を全て追加すると、以下のような床と屋根ができているはずです。
アセットを見やすくするために、[View] オプションから [Wireframe] ビューモードに切り替えます。
コンテンツ ブラウザ から [Wall_400x400] をビューポートにドラッグします。
[World Outliner] 内で壁 (Wall) を選択して Ctrl+W を 11 回押して、以下のような壁を作成します。
Wall_400x400 を選択し [Details (詳細)] パネルで [Transform] を以下のように設定します。
残りの壁の構成要素に対して [Transform] を以下のように設定します。
壁の構成要素
Transform
400x401
400x402
400x403
400x404
400x405
400x406
400x407
400x408
400x409
400x410
400x411
壁の構成要素を全て追加すると、以下のような外壁と小さな角部屋ができているはずです。
コンテンツ ブラウザ から [Pillar_50x500] をビューポートにドラッグします。
ワールドアウトライナー 内で、床を選択して Ctrl+W を 5 回押して、以下のような柱を作成します。
[Pillar_50x500] を選択し、[Details (詳細)] パネルで [Transform] を以下のように設定します。
残りの柱の構成要素に対して Transform を以下のように設定します。
柱の構成要素
Transform
50x501
50x502
50x503
50x504
50x505
(強調表示されている) 柱の構成要素を全て追加すると、以下のような構造体ができているはずです。
[World Outliner] で、壁の構成要素 [Wall_400x407] を選択します。
コンテンツ ブラウザ から Wall_Door_400x400 を選択し、[407 wall piece] の [Details (詳細)] で [Assign (割り当て)] ボタンをクリックします。
Wall_400x410 構成要素に対してもこの 2 つのステップを繰り返して行い、ドアも付いた壁に切り替えます。
Wall_400x405 を選択し、コンテンツ ブラウザ で [Wall_Window_400x400] を選択し、それをレベル内の壁に割り当てます。
出入り口が 2 つと窓が 1 つ出来上がっているはずです。
小さなお風呂場と中庭へのドアをつければ、簡単な構造のアパートの完成です。次のステップ では、このアパートにライトを付けていきます。
2 - 大気とディレクショナル ライティング
前のステップで設定した基本のアパートを使って、レベル全体にライティングを追加していきます。
Wireframe モードが有効になっている場合は無効にして、Lit モードに戻します (Alt+4 を押します)。
Visual Effects の モード メニューで、 [Atmospheric Fog] をレベル ビューポートにドラッグします。
ドラッグすると、レベルには単純なスカイボックスと夕陽のライトが表示されます。
モード メニューの [Lights] の [Directional Light] をレベル ビューポートにドラッグします。
ライトを追加すると、部屋の内部に「Preview」というテキストが現れると思います。
ゲームを ビルド し実行すると、インゲームに表示される実際のライトのプレビューを見ていることを示します。
[Directional Light] の [Details (詳細)] パネルで [Transform] を以下のように設定し、 [Atmosphere Sun Light] のチェックボックスにチェックを入れます。
[Atmosphere Sun Light] にチェックを入れると、 Rotation モード (E) を使ってライトを回転させながら、太陽の位置を制御することができます。
1 日の様々な時間帯の間で簡単に切り替えができるように、レベル内のライトは太陽の位置によって変わります。
今、デフォルトはこのようになっています。
Directional Light の設定を変更して、夕陽に温かみを出してみましょう。
[Directional Light] の [Details (詳細)] パネルで、[Light Color] バーをクリックすると、カラーピッカー が表示されます。
または、展開アイコンをクリックして、RGB 値を手入力することもできます。
RGB を上図のように設定します。
ゲーム内でライトの見え方を分かりやすくするために、ゲームを ビルド しましょう。
メイン ツールバー から [Build] アイコンをクリックします。
エディタの右下端で、Build プロセスが開始されたことが分かります。
完了するまで待ちます。
ライトがビルドされ、プレビュー テキストが消えます。
レベル内に光またはジオメトリを追加 / 移動するたびに、ライトをリビルドして正確に表現しなければなりません。
各種 ディレクショナル ライト の設定詳細は「Directional Lights」を参照してください。
次のステップ では、大気ライトを設定して、アパート内に光を当てて暗い部分を照らしていきます。
3 - ポイントライトを追加する
基本的なレベルのライトを追加したので、次は小さなアパートの浴室に Point Light を追加します。
モード メニューの [Lights (ライト)] から [Point Light] を小さな浴室にドラッグします。
平行移動 ウィジェットで、ライトをあちらこちらに動かすことができます。
ライトが今置かれている位置は、以下の通りです。
ライトの [Details (詳細)] パネルで、ライトの色を変更し、ライトの Intensity (強度) を下げます。
Intensity (強度) は、ライトの輝度調整に使う設定の 1 つです。
[Attenuation Radius (減衰半径)] フィールドを選択します。
これはライトの影響を制御します。ズームアウトすると、現在作成されている球体を見ることができます。
Attenuation Radius フィールドを 350 に変更します。
小さな浴室がちょうどカバーされるように、影響を与える範囲を狭めます。
メイン ツールバー から [Build] アイコンをクリックして、ライトをビルドします。
ポイントライト に使用できる設定の詳細は、「ポイント ライト」を参照してください。
浴室に ポイントライト を追加したので、 次のステップ では小さなアパートに スポットライト を追加します。
4 - スポットライトを追加する
このセクションでは、スポットライト を使って、玄関の上に様式化されたライトを追加していきます。
モード メニューの [Lights] の [Spot Light] をレベル内にドラッグします。
そのスポットライトの [Details (詳細)] パネルで [Transform] を以下のように設定します。
この設定により、ライトが入り口の真上に配置されます。
Intensity (強度) と Light Color (ライトカラー) を変更します (推奨値は以下の通り)。
Inner Cone Angle (青いコーン) と Outer Cone Angle (緑のコーン) でスポットライトのコーン形状を調整します。
Attenuation Radius (減衰半径) を変更して影響を与えます。
メイン ツールバー から [Build] アイコンをクリックして、ライトをビルドします。
スポットライト を使って、環境光も追加することができます。
[Spot Light] を選択して、ビューポートで Ctrl+W で複製してから、以下の設定をします。
これにより、外部からアパートの中へ差し込む光が追加されます。もう少し変更してみましょう。
新しいスポットライトの [Details (詳細)] パネルの [Light] の追加設定を展開します。
[Use Inverse Squared Falloff (逆 2 乗フォールオフを使用する)] オプションのチェックを外します。
これは、ライト フォールオフによって、実世界により近いライトの挙動がレプリケートされるオプションです。
詳細は、逆 2 乗フォールオフ 機能別サンプルを参照してください。
残りのライトを以下のように設定します。
レベル ライトと同じ色ではなく、青いライトを使用していることにお気付きだと思います。
こうすることで、レベル ライトにコントラストが出来て、lit をより自然に見せることができます。
追加した環境光には、スポットライト ではなく スカイライト を使うことも可能です。スカイライトはスケールの大きい場所の方が向いています。サンプルで使用しているのは小さなアパートなので、ライト制御を効果的にするために、スポットライト で環境光を作成しました。
次のステップ では、ライトの品質を改善し、反射するライトをアパートに追加します。
5 - ライトの品質とリフレクション
アパートにライトが付きました。ライド品質は [Build] オプションを始めとするいくつかの機能を使って改善することができます。
メイン ツールバー の [Build] の隣の下矢印をクリックしてオプションを展開します。
[Lighting Quality (ライティング品質)] から、Quality Level (品質レベル) に [Production (プロダクション)] を選択します。
[Build] アイコンをクリックしてゲームをビルドします。
ライト品質が高くなると、ビルド時間が長くなることが分かります。イタレーションを速く行うために [Preview] 設定でも問題ありませんが、プロジェクトが完了に近づいたら [Production] に切り替えて、プロジェクトの最終段階もしくはほぼ最終のプロジェクトをビルドすることができます。
また、ライトにとって重要な箇所に Lightmass Importance Volume を加えて集中することです。
Volumes の [Modes] メニューから、[Lightmass Importance Volume] をレベルにドラッグします。
Lightmass Importance Volume の [Details (詳細)] パネルで [Transform] を以下のように設定します。
ボリュームが構造体を囲みます。
Lightmass の使用方法については「Lightmass Basics」を参照してください。
外見をよりリアルにするために、Reflection Capture アクタを使ってサーフェスでライトを反射させます。
まずは、デフォルトを使わずに、アパートにマテリアルを幾つか追加しましょう。
コンテンツ ブラウザ の Content/StarterContent/Materials で、中庭寄りの床へ M_Concrete_Tiles をドラッグします。
同じマテリアルを小さな浴室へドラッグします。
その他の床には、 M_Wood_Floor_Walnut_Polished マテリアルをドラッグします。
そして M_Metal_Rust アセットを屋根の上の柱にドラッグします。
このマテリアルは好きなものに変更することができます。今はこの状態で開始することにします。
モード メニューの [Visual Effects] の [Box Reflection Capture] をレベル ビューポートにドラッグします。
[Details (詳細)] パネルで [Box Reflection Capture] の [Transform] を以下のように設定します。
[Box Transition Distance] も 1.0 に設定します。
浴室を見てみると、Box Reflection Capture によってタイルの表面がどのように変わったが分かります。
現在の Transform は、シーンが受ける影響を描くために使っただけなので、室内の線がきつくなってしまい、理想的ではありません。Box Reflection Capture を上下左右に動かして、室内でライトがサーフェス上に与える影響を確認することができます。独自の設定または以下の設定を使うこともできます。
[Build] アイコンをクリックしてライトをビルドします (ビルド時間を短縮したい場合は [Preview] モードに戻ることもできます)。
Box Reflection Capture を複製し、アパート内でタイルが張られている他の場所にサイズを調整して配置します (ここでは以下の設定を使います)。
明るいフローリングを追加したので、その上に Reflector は追加しませんが、希望する場合は追加もできます。レベル内でのライトのへの影響を確認するために、レベル内に Reflector を 1 つだけ配置して設定を調整することもできます。
[Build (ビルド)] アイコンをクリックしてライトをビルドします。
小さなアパートに基本的な照明が付きました。次のステップ では、このうちの 1 つをもう少し複雑なライトに変化させていきます。
6 - ライト プロファイルを使用する
アパートも完成に近づいています。次は、 実社会の照明器具の輝度やフォールオフのダイアグラム (照度データ) を作成する北米照明学会の標準手法である IES Profile が使われている Point Light (ポイントライト) を作成します。
詳細は「IES ライト プロファイル」を参照してください。
小さな浴室で [Point Light (ポイントライト)] をクリックします。
[Point Light] の [Details (詳細)] パネル内の [Light Profile] にある [None] ドロップボックスをクリックします。
表示されるポップアップ メニューで、[View Options (オプションを表示)] を選択します。
[View Options (表示オプション)] 選択後に表示されるポップアップ メニューの [Show Engine Content (エンジンのコンテンツを表示)] を選択します。
Unreal Engine 4 で提供している IES Light Profiles のサンプルを使ったり、インターネットから他のものをインポートすることもできます。
[Complex_IES] プロファイルを選択します。
エフェクト全体を確認するためには、[Transform] を以下のように設定し直して、ライトの Transform を更新しなければなりません。
[Build] アイコンをクリックしてライトをビルドします。
照明器具をアタッチしていませんが、ポイントライトから出た光がどのように曲がるのかが分かります。
本ガイドの最終ステップとなる 次のステップ では、実際に試すことのできるサンプル、およびライトの詳細、その他のサンプル、技術へのリンクを紹介します。
7 - 応用編
クイックスタート ガイドを通じて学んだ知識を活かして、以下の操作をしてみましょう。
部屋を追加して、アパートを拡張する
ポイントライト または スポットライト で他の部屋を照らす
「Content/StarterContent/Props」フォルダからプロップを追加する (ドア、窓、枠、ドア、ランプなど)
部屋で Sphere Reflection Capture を使用する
ライトに異なる IES Profile を使用する
スポット ライト を使って床 ランプを作成する
指向性ライト を変更すると、夜のシーンに変更することができます。
コンテンツ クイック スタートガイドおよびエディタ全般で説明したトピックスに関しては「Unreal Editor のマニュアル」を参照してください。
このガイドでカバーしたトピックの関連情報は以下の通りです。
ライティングの基礎に関する詳細は「ライティングの基礎」を参照してください。
背景のライティングに関する詳細は「背景を照らす」を参照してください。
IES プロファイルに関する詳細は「IES ライトプロファイル」を参照してください。
Light 関数に関する詳細は「Light 関数」を参照してください。
Unreal Engine 4 のレンダリングに関する詳細は「レンダリングの概要」を参照してください。