NVIDIA と nDisplay の同期

バーチャル プロダクション用に NVIDIA GPU と nDisplay の同期を設定する方法

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LED の継ぎ目部分のティアリングを回避するため、および LED ウォールに表示される異なるレンダリングのフレームをカメラがキャプチャしないようにするため、複数の nDisplay クラスタ ノード (PC) 全体での同期が不可欠です。このページでは、NVIDIA GPU と nDisplay の同期を設定する方法について説明します。nDisplay での同期のしくみの詳細については、「 nDisplay での同期 」を参照してください。

現時点では、nDisplay ノード全体で正しい同期を行うには、いくつかのトラブルシューティングを行う必要があります。バーチャル プロダクション撮影の前に、nDisplay クラスタ ノードでの同期の準備に時間を取ることをお勧めします。

前提条件

次のものをセットアップし、以下の手順を完了する必要があります。

  • nDisplay ノードあたり 1 枚の NVIDIA Quadro Sync II カード。

  • (mGPU セットアップのみ) NVIDIA SLI または NVLINK

  • 互換性のある Quadro GPU 。カードの仕様は、各 nDisplay ノードと同じでなければなりません。

  • Cat-5 または Cat-6 の RJ45 ケーブル。

  • トリレベルまたはバイレベルの同期ジェネレータ。

  • BNC ケーブル。

  • 各 nDisplay ノードと同じ仕様で、Windows を実行する PC。

  • Quadro カードの出力が DisplayPort のみで LED プロセッサが HDMI 入力しか受け入れない場合は、信号を変換する必要があります。信号を変換する方法の 1 つに アダプタ があります。

セットアップで使用するハードウェアの推奨事項については、「 インカメラ VFX 推奨ハードウェア 」を参照してください。

ステップ 1 - NVIDIA ドライバ

NVIDIA の最新のドライバ (バージョン R470 以降) をインストールします。

バーチャル プロダクションに推奨されるドライバーは NVIDIA の Download Drivers ページ で確認できます。カード タイプと OS を選択して、 [Download Type] [Production Branch / Studio] に設定すると推奨ドライバーを見つけることができます。

ステップ 2 - マシンのコンフィギュレーション

ゲンロック フレームロック の両方を使用する デイジーチェーン接続 で、次のようにシステムを構成します。

  • ゲンロック用に、外部同期ソースは BNC ケーブル経由でマスター同期カードに入力します。

  • フレームロック用に、RJ45 ケーブルのデイジーチェーン接続を使用し、残りの同期カードを残りの nDisplay ノードに接続します。

  • NVIDIA コントロール パネルを同期用に構成します。特に、 垂直同期 (vsync) のグローバル設定は必ず [Use the 3D application setting (3D アプリケーション設定を使用する)] に設定します。これらの手順の詳細については、NVIDIA の『 Quadro Sync II User Guide 』を参照してください。

構成が完了すると、マシンがクラッシュしたり Windows ログイン画面でロック アウトが発生したりしない限り、NVIDIA の同期が継続されます。Quadro Sync II カードの同期 LED インジケーターのモニタリング、および NVIDIA コントロール パネルの設定を使用し、プロダクションを通して同期の維持を確認することをお勧めします。

このセットアップでは、NVIDIA 同期デイジーチェーンの逆順で nDisplay ノードを再起動しやすくなるようにケーブルを接続することをお勧めします。これらの手順の詳細については、NVIDIA の『 Quadro Sync II User Guide 』を参照してください。

ステップ 3 - NVIDIA Mosaic

nDisplay ではプライマリ ディスプレイにのみ出力する必要があります。また、複数のビデオ出力が必要な場合は、NVIDIA Mosaic を使用してそれらのビデオ出力で大きな 1 つのデスクトップを構成します。

すべてのディスプレイが接続され、共通の解像度、リフレッシュ レート、およびカラー マネジメントを共有する必要があるため、以下の操作を行います。

  1. NVIDIA コントロール パネル を開きます。

  2. [Manage 3D settings (3D 設定を管理)] に移動します。

    1. [Global Presets (グローバル プリセット)] [Workstation App - Dynamic Streaming (ワークステーション アプリ - ダイナミック ストリーミング)] に設定します。

    2. [Settings (設定)] で、 [Power management mode (電力管理モード)] [Prefer maximum performance (最大パフォーマンスを優先)] に設定します。

  3. (SLI を使用する mGPU のみ) [SLI and PhysX Configuration (SLI および PhysX コンフィギュレーション)] に移動し、 [Maximize 3D performance (3D パフォーマンスを最大化)] を選択します。

  4. [View system topology (システム トポロジを表示)] に移動し、 [EDID] をクリックして任意の使用している出力ポートに EDID をエクスポートおよびロードすることで、ディスプレイ情報がロックされ、再度クエリされないようにします。

または、マトリックスやスイッチャーなどの外部ハードウェア デバイスを使用して EDID を管理することもできます。EDID やその概要については、 EDID のセクション を参照してください。

  1. [Set up Mosaic (Mosaic をセットアップ)] に移動し、 [Create new Configuration (新規コンフィギュレーションを作成)] を選択して [NVIDIA Mosaic set up (NVIDIA Mosaic をセットアップ)] ウィンドウを開きます。

  2. NVIDIA Mosaic セットアップ ウィンドウの [Select topology (トポロジを選択)] タブで [Maximum GPU Topology (最大 GPU トポロジ)] を選択します。

  3. [Select displays (ディスプレイを選択)] タブで、使用している各ディスプレイの解像度を一致させ、Mosaic 用の全体のリフレッシュ レートを設定します。

  4. [Arrange Displays (ディスプレイを配置)] タブで、使用しているディスプレイの位置を一致させ、 [Apply (適用)] をクリックします。

これらの手順の詳細については、『 NVIDIA Mosaic Technology User Guide 』を参照してください。

ステップ 4 - NVIDIA ドライバ ユーティリティ

NVIDIA の ドライバ構成ユーティリティ をダウンロードし、Windows コマンド プロンプトを使用してこのアプリケーションを管理者として実行し、NVIDIA ドライバに特定のコンフィギュレーションを設定します。

実行可能ファイルを起動してキーボードで「 11 」と入力し、 Enter を押して prePresentWait 設定を有効にすると、同期に影響を与えることなくパフォーマンスが改善されます。

オプション 8 の [Enable the SwapGroupPresentIndicator for Direct x (Direct x 用に SwapGroupPresentIndicator を有効にする)] を有効にすると、正しいモードで実行されていることを確認できます。これにより、NVIDIA 同期ポリシーを使用して nDisplay を実行している場合に左下の領域に表示される HUD が有効になり、prePresentWait が有効になっていること、また、スワップ グループが結合され、保留中でないかどうかが示されます。

ステップ 5 - NVIDIA の同期のために構成された nDisplay

NVIDIA 同期による同期で nDisplay をロックするには、プレゼンテーション モードは独立したフリップになる必要があるため、nDisplay はフルスクリーンのフォアグラウンド ウィンドウ アプリケーションとして実行する必要があります (デスクトップに解像度が正確に一致する場合は、ウィンドウでの表示も可)。つまり、nDisplay インスタンスの実行中は、他のすべてのアプリケーション ウィンドウをその前面に配置できないことになります。

次の手順に従って、NVIDIA 同期用に nDisplay ノードをセットアップします。

  1. nDisplay コンフィグ エディタ nDisplay コンフィギュレーション アセット を開きます。

  2. [Cluster (クラスタ)] パネルで「 Cluster 」を選択して、その [Details (詳細)] パネルを開きます。

  3. [Details] パネルの [Render Sync Policy (同期ポリシーのレンダリング)] で、 [Type] を「 Nvidia (2) 」に設定します。

    Render Sync Policy Type set to NVIDIA (2)

  4. クラスタ内の各ノードについて、 [Fullscreen (フルスクリーン)] を有効にするか、 [Window] のサイズをデスクトップの最大解像度に設定します。サイズの設定方法については、「 ウィンドウの解像度の例 」を参照してください。

  5. NVIDIA コントロール パネルが開いている場合は閉じます。

  6. 仮想デスクトップを閉じます。これは、TeamViewer や Zoom などのアプリケーションで使用されるものです。

  7. Epic Games Launcher からのデスクトップ通知など、デスクトップ通知やポップアップを無効にします。

  8. Windows のデスクトップ解像度のスケーリングを 100% に設定します。

  9. Switchboard Fix ExeFlags を使用し、各ノードで Unreal Engine のフルスクリーン最適化を無効にします。これは、 Unreal Engine 実行可能ファイルを右クリック > [Properties (プロパティ)] > [Compatibility (互換性)] > [Disable Fullscreen Optimizations (フルスクリーン最適化を無効にする)] から行うこともできます。

  10. Switchboard と同じ PC で nDisplay を起動する場合は、Switchboard の設定の nDisplay のセクションで [Minimize Before Launch (起動前に最小化)] を有効にします。

ウィンドウの解像度の例

ノードのウィンドウは、デスクトップ解像度全体をカバーする必要がありますが、 ビューポート でカバーする必要があるのは、LED に必要な解像度のみです。この例では、ノードのウィンドウの解像度と、ビューポートの解像度を設定する方法を示します。

LED ウォールのスクエア 2k セクションは、Ultra HD デスクトップ解像度からレンダリングされ、以下では未使用の領域が黒のままになります。

  • Windows の解像度を 3840 x 2160 に設定

  • ビューポートの解像度を 2048 x 2048 に設定

nDisplay コンフィギュレーション エディタでは、これは次のように設定されます。

  • ノードの [Window (ウィンドウ)] パラメータ: [X] は 0px、 [Y] は 0px、 [W] は 3840px、および [H] は 2160px。

  • ビューポートの [Region (リージョン)] パラメータ: [X] は 0px、 [Y] は 0px、 [W] は 2048 px、および [H] は 2048px。

Window parameter set to width of 3840px and height of 2160 px

Region parameter set to width of 2048 px and height of 2048 px

ステップ 6 - EDID

Extended Display Identification Data (EDID) は、 Video Electronics Standards Association (VESA) によって定義されたディスプレイ デバイスのための標準フォーマットです。EDID には、ビデオ ソース用のディスプレイ デバイスに関するメタデータが含まれています。

NVIDIA コントロール パネルで設定がすべて完了したら、現在の EDID をエクスポートし、ファイルからロードできるようにしておくと役立ちます。ディスプレイの情報がロックされたままになり、信号が失われた場合も再度クエリが実行されることがありません。必要に応じて、マトリックスやスイッチャーなどの外部ハードウェア デバイスを使用して EDID を管理することもできます。これらの手順の詳細については、NVIDIA の『 Managing a Display EDID on windows 』を参照してください。

EDID のコンフィギュレーションが正しくないと、Render Sync Policy 2 を使用した場合に nDisplay のパフォーマンスが半減してしまう可能性があります。これを回避するための選択肢として、次の 2 つがあります。

  • 撮影時に希望する周波数の PC 解像度を使用できる EDID を用意し、 (native) としてマークする。

  • 標準の 3840 x 2160 60Hz の PC 解像度をベースにカスタム解像度を作成し、それを適切な周波数に設定する。

NVIDIA Control Panel Change Resolution

ステップ 7 - 同期の検証とトラブルシューティング

nDisplay で適切な同期を実現できているかどうかを検証する方法については、「 同期テスト 」を参照してください。

Switchboard では NVIDIA ドライバと nDisplay ノードの同期ステータスが示されるため、Switchboard に注意してください。同期が正常に行われている場合、Switchboard の PresentMode 列で、各ノードが「 Hardware Composed: Independent Flip 」として示されます。ノードが「 Composed: Flip 」として報告された場合、そのノードで nDisplay の前面に何もないことをチェックしてください (Windows タスクバーや Switchboard リスナも含む)。

それでも正常に同期できない場合は、nDisplay クラスタ ノードで、GPU と Quadro Sync カードを入れ替えてみてください。または、ハードウェア障害が発生していないか検討してください。

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