このチュートリアルでは、 Azure Marketplace を利用し、 Microsoft Azure 上に Unreal Engine 5 仮想マシン (VM) インスタンスをセットアップする手順を説明します。
前提条件
Azure アカウントおよびサブスクリプション
Azure アカウント、およびリソース作成のための適切な権限が付与された 1 つ以上のサブスクリプションが必要です。新規サブスクリプションの作成の詳細については、 こちらのガイド を参照してください。サブスクリプションの利用では、請求先アカウントが設定されている必要もあります。
Unreal Engine は無料で利用できますが、Azure リソースを使用すると関連コストが発生します。お使いのアカウントが雇用主や他の関係者にリンクされている場合は、デプロイ用インスタンスをセットアップする前に、関連コストを引き受ける準備ができているかどうかをアカウント所有者に確認してください。 より正確なコストの見積りについては、 仮想マシンの料金 のページで価格情報を確認し、目的のリージョンでフィルタし、「NCas_T4_v3」を検索して「従量課金」の料金を確認してください。
リモート アクセス
Unreal Engine デプロイ先の Azure インスタンスにアクセスするには、リモート アクセス アプリケーションが必要です。ここでは、Windows 10 のほとんどのエディションにインストール済みの状態で付属する Windows リモート デスクトップ接続 (Windows RDP) を使用します。
Azure Portal と Azure Marketplace を利用する
Unreal Engine VM のオファーは、Azure Marketplace 上でホストされています。こちらのオファー ページ に移動します。
右上のボタンを使用し、Azure Marketplace にサインインします。他のすべての Azure サービスに使用しているものと同じアカウントを使用します。
Unreal Engine アイコンの下にある [Get It Now (今すぐ入手する)] をクリックします。
ダイアログが開き、Software Plan の選択と求められます。Unreal Engine 5 を選択して情報を確定し、このアプリケーションを自分のアカウントに追加します。情報を入力し、 [Continue (続行)] をクリックします。
Azure Portal で、アカウント内の Unreal Engine 製品が開きます。ここで [Plan (プラン)] のドロップダウンから [Unreal Engine 5] を選択し、[Create (作成)] をクリックして仮想マシンのセットアップを開始します。
仮想マシンを設定する
まず、仮想マシンを利用する Subscription (サブスクリプション) を選択します。リソースの作成権限が付与されている、既存のサブスクリプションを選択する必要があります。
仮想マシンの Resource Group (リソース グループ) を選択します。リソース グループは、リソースを整理するために使用します。また、他の VM にも再利用できます。リソース グループをまだ作成していない場合は、 [Create new (新規作成)] をクリックします。有効な名前を付けて [OK] をクリックします。
有効な仮想マシンの 名前 を入力します。
この VM のデプロイ先となる リージョン を選択します。VM 使用時のレイテンシーを最小化するため、できるだけ近いリージョンを選択してください。NV12s_v3 VM のサイズをサポートするリージョンである必要があります。サポートしていない場合は、エラーが表示されます。リージョンが異なれば、下の [Size (サイズ)] に示される見積り額も変わる場合があります。
[Image (イメージ)] を「Unreal Engine」のままにし、 [See All Sizes] をクリックして [Size] 「Standard_NV12s_v3」を選択します。「Family vCPUs are insufficient to deploy these sizes (このサイズをデプロイするために必要なファミリ vCPU が不足しています)」という警告が出る場合があります。[Request quota (クオータを要求する)] をクリックします。
クォータを増やすオプションとともにブレードが表示されます。NCas_T4_v3 は VM インスタンスごとに 4 つの vCPU を必要とするため、このチュートリアルに必要な最小量となります。
[Save and Continue (保存して続行)] をクリックします。
数分後、新しいクォータの確認が表示されます。正しく完了しなかった場合は、異なるリージョンの選択やサポート チケットの作成が必要になることがあります。
[Administrator account (管理者アカウント)] で、この仮想マシンに独自の [Username (ユーザー名)] と [Password (パスワード)] を作成します。また、後でこれらを必ず記録してください。これらの認証情報がないと、マシンにアクセスできません。
この VM はデフォルトで 250 GB の SSD を備えています。さらにストレージ ディスクを追加する場合は、[Next : Disks (次 : ディスク)] で設定できます。追加しない場合は、 [Review + create (確認 + 作成)] を選択します。所属している組織に Windows Server ソフトウェア保証 ライセンスがある場合、作成前にそのオプションを選択できます。
次のページでは、作成しようとしている VM を確認します。問題がなければ、 [Create (作成)] をクリックします。
新しいページが表示され、デプロイの進捗が示されます。デプロイ完了を示す通知が表示されるまで、数分かかる場合があります。[Refresh (更新)] をクリックして確認し、 [Go to resource (リソースに移動)] をクリックします。
インスタンスに接続する
これで、VM リソースの [Overview (概要)] ページが表示されます。このページでは、インスタンスのあらゆる技術的な設定を表示したり構成したりすることができます。このワークステーションへのリモート デスクトップ セッションを開始し、ワークステーションの利用を開始するのに必要なものが揃いました。
PC で Windows RDP クライアント を起動します。インスタンス概要の パブリック IP アドレス を、ログイン ウィンドウの [Computer (コンピュータ)] フィールドにコピーし、[Connect (接続)] をクリックします。
[More choices (その他の方法)] で、 [Use a different account (別のアカウントを使用)] を選択します。先ほど設定したユーザー名とパスワードを入力します。必要に応じて [Remember me (パスワードを記憶する)] をオンにし、 [OK] をクリックします。
VM の証明書に関する警告が表示されます。その場合は、[Don't ask me again for connections to this computer ] をオンにして [Yes] をクリックします。
Unreal Engine を起動する
数分後、Windows の起動画面が最初に表示され、続いて Unreal Engine の EULA が表示されます。該当するオプションを選択し、 [Verify EULA (EULA を確認)] をクリックします。この操作が必要なのは、インスタンスへの初回接続時のみです。
次に、Epic Games のログイン メニューが表示されます。Epic Games アカウントでログインします。
ログインすると、デスクトップが表示されます。デスクトップには Unreal Engine と Epic Games Launcher がすでに表示されています。ショートカットから Unreal Engine を直接実行することも、 通常どおり Epic Games Launcher を実行してログインし直し、コンテンツにアクセスすることもできます。
ランチャーに初めてログインすると、ランチャーを更新するためのプロンプトと、プロジェクトファイルをエンジンに関連付けるためのプロンプトが表示される場合があります。
コストの最適化
Azure VM の使用中は 1 時間単位のコストがかかります。そのため、インスタンスを使用しない際は、インスタンスを停止することをお勧めします。
VM を停止する
VM の概要ページで、上部の [Stop (停止)] ボタンをクリックします。これは、家庭用や仕事用のコンピュータをシャットダウンするのと同様の操作です。実行中のアプリケーションはすべて終了されますが、永続ストレージに保存されたデータは維持されます。インスタンスが停止すると、インスタンス使用に対する時間料金を請求されることはありません。ただし、インスタンスのハード ドライブに保存されたデータに対して少額の請求が行われます。
停止した VM を再起動する
VM の概要ページで、上部の [Start (起動)] ボタンをクリックし、停止したインスタンスを再度起動します。VM はすぐに RDP 経由で接続できるようになります。また、永続ストレージ ボリュームが復元されます。
VM を削除する
VM を恒久的に使用しなくなり、リソースをクリーンアップする場合は、概要ページ上部にある [Delete (削除)] ボタンをクリックします。削除の確認を求めるメッセージが表示されます。また、VM とともに、関連するストレージやネットワーク リソースを削除するよう選択できます。これらのリソースがすべて削除されると、リソースに対して料金を請求されることはありません。この操作は元に戻すことができません。
作成したすべてのリソースを格納しているリソース グループ全体を削除することもできます。
Azure Portal で、 [Subscription (サブスクリプション)] に移動し、左側のブレードで [Resource groups (リソース グループ)] を選択します。
利用可能なリストから、該当するリソース グループを選択します。
リソース グループの概要ページで、上部にある [Delete resource group (リソース グループを削除)] をクリックします。または、リソースを個別に選択してから [Delete (削除)] を選択します。削除の確認を確定する必要があります。
このリソース グループのページでは、これらのリソースの今後のアクセスや管理も行うことができます。