Live Link FreeD

Live Link で、カメラの追跡やカメラのパン、ティルト、ズーム (PTZ) によく利用される FreeD プロトコルを使用すると、追跡やカメラのデータを追加できます。

Live Link では、FreeD データ プロトコルがサポートされています。この FreeD は、トランスフォーム位置、回転、およびレンズの 8 つの軸のデータを使用し、カメラの追跡によく利用されるプロトコルです。FreeD プロトコルは、一部の特定のパン、ティルト、ズーム (PTZ) に対応したカメラ (Panasonic AW-UE150 や Sony BRC-X1000 など) でサポートされており、プロジェクトに追跡データを追加するコスト効率に優れた方法となる場合があります。

FreeD Live Link

FreeD は古いプロトコルであるため、一部のカメラに現在備わっている新しい機能の多くをサポートしていません。また、FreeD Live Link プラグインが提供する機能の一部は、カメラのモデルやカメラが提供するデータの種類によっては、利用できない場合があります。

  • FreeD をサポートするすべてのカメラは、少なくともパン、ティルト、および回転をサポートします。

  • 一部のカメラはフォーカス、絞り、およびズーム (FIZ) をサポートする場合があります。

  • 一部のカメラはワールド内での 3D 追跡位置をサポートする場合があります。

お使いのカメラの FreeD のサポート状況については、カメラのマニュアルで詳細を確認ください。

使用を開始する

Live Link FreeD を使用したカメラの追跡を設定するには、以下の手順を実行します。

  1. Live Link プラグインLive Link FreeD プラグインの両方を有効にします。

    Live Link FreeD plugin

  2. [Window (ウィンドウ)] > [Live Link (ライブリンク)] をクリックして、 [Live Link] ウィンドウを開きます。

  3. [Source (ソース)] > [LiveLinkFreeD Source (LiveLinkFreeD ソース)] を選択し、接続するカメラの [IP Address (IP アドレス)][Port Number (ポート番号)] を入力します。デフォルトのポート番号は「40000」です。

    すべてのカメラの設定が同じというわけではありません。カメラのマニュアルを参照して接続方法を確認し、ネットワーク パラメータを設定してください。

    一部のカメラでは、UDP 経由のカメラのデータを有効にしなければならない場合があります。このデータは、「FreeD データ」と表現されている場合があります。カメラから PC に UDP 経由でカメラのデータが送信されるように設定されている場合は、IP アドレスを 0.0.0.0 に設定し、ポート番号を適切な値に設定する必要があります。

  4. ソースの追加とカメラの接続が完了すると、カメラはサブジェクトとして表示されるようになります。

    サブジェクトが表示されない場合は、カメラが適切に設定されていません。IP アドレス、ポート番号、およびカメラの設定を確認し、トラブルシューティングを行ってください。

    FreeD プロトコルは ID をカメラと関連付けますが、この ID を UE で変更することはできません。ただし、一部のカメラは自身の ID を設定するインターフェースを備えています。Live Link ではサブジェクトが一意の名前を持っている必要があるため、複数のカメラで Live Link を使用している場合は ID が確実に一意になっていることが重要です。

  5. [View Options (表示オプション)] > [Show Frame Data (フレーム データを表示)] を選択し、エンジンがカメラのデータを受信していることを確認します。

  6. レベルに Cine Camera (または他のカメラ アクタ) を追加します。

  7. [World Outliner (アウトライナ)] でカメラ アクタを選択し、 [Details (詳細)] パネルを開きます。

  8. [Details] パネルで [Add Component (コンポーネントを追加)] を選択します。Live Link Controller を見つけて選択します。

    Add Live Link Controller Component

  9. カメラに追加した LiveLinkComponentController を選択し、 [Subject Representation (サブジェクト表現)]Live Link FreeD サブジェクト に設定します。この例では、サブジェクト名は「Camera 0」です。

    Setting the Live Link Controller Subject Representation

  10. 接続されたカメラを物理的に移動し、カメラ アクタがレベル内で更新されることを確認します。

カメラ データを設定する

ほとんどの放送用カメラやシネマティック カメラが FreeD プロトコルをサポートしていますが、その機能すべてをサポートしているわけではありません。各カメラが異なるデータを提供するため、Live Link FreeD を使用してカメラを設定する場合は、使用しているデバイス向けに設定をカスタマイズする必要があります。ただし、パラメータを一度設定し、それを今後使用するために Live Link プリセット として保存できます。

以降のセクションでは、使用するデバイスに対してカメラの受信データを正しく変更する方法について説明します。

Live Link の設定

受信データはバイナリ形式であるため、データの解釈方法はプラグインによって処理され、カメラのモデルに応じて適切なフォーカス、絞り、およびズーム パラメータになります。プラグインによるデータの解釈方法は、変更することができます。

[Live Link] ウィンドウの [Subject] セクションで [FreeD] を選択し、 [Source] 設定を変更します。この設定に関する詳細を、次の表に示します。

設定

説明

Send Extra Meta Data

オンにすると、フレームごとに追加の情報がカメラから送信されます。このオプションを使用すると、わずかにパフォーマンスに影響が生じる場合があります。

Default Config

一部のカメラ ブランド向けに、カスタマイズされた設定が用意されています。利用できるオプションを次に示します。

  • Generic

  • Panasonic

  • Sony

  • stYpe

  • Mosys

  • Ncam

Generic オプションでは設定が変更されないため、使用するカメラに合わせて変更する必要があります。

Focus Distance Encoder Data

カメラからのフォーカス距離データ。このセクションの設定の詳細については、「エンコーダ データ設定」を参照してください。

Focal Length Encoder Data

カメラからの焦点距離データ。このセクションの設定の詳細については、「エンコーダ データ設定」を参照してください。

User Defined Encoder Data

カメラからのその他のデータ。通常は絞り値データです。FreeD の仕様では、これをユーザー定義として参照します。このセクションの設定の詳細については、「エンコーダ データ設定」を参照してください。

エンコーダ データ設定

次の設定は、該当する場所の [Encoder Data (エンコーダ データ)] セクションに適用されます。利用できるエンコーダ データは、Focus DistanceFocal Length 、および User Defined (通常は、カメラ モデルに応じた絞り値のデータ) です。

設定

説明

Is Valid

オンにすると、エンジンはこのエンコーダ データを使用します。

Invert Encoder

オンにすると、受信した軸方向が反対になります。

Use Manual Range

デフォルトでは、動的な自動範囲設定に基づいて期待される範囲値が決定されます。動的な自動範囲設定を利用する場合、カメラの最小値および最大値に何度か強制的に合わせることで、エンコーダを較正する必要があります。カメラのエンコーダは一定でないため、Live Link のプリセットを使用する場合でも、このキャリブレーションを毎回行う必要があります。

独自の範囲に設定するには、[Use Manual Range (手動の範囲を使用する)] を有効にします。範囲値を手動で設定してから自動範囲設定に切り替える場合、これらの値は自動範囲設定によってリセットされます。

Min

[Use Manual Range] が有効な場合に期待される範囲値の最小値。

Max

[Use Manual Range] が有効な場合に期待される範囲の最大値。

Mask Bits

受信データに対してバイナリ マスクを適用します。テキスト ボックスの想定値は 10 進数形式のマスクです。一部のカメラ メーカーは複数形式のデータのエンコードに対応しているため、エンジンで無視する特定のビットがある場合はこのフィールドで設定します。

物理カメラの設定

Live Link の設定に加えて、物理カメラのパラメータに合わせてカメラ アクタの設定を変更する必要があります。

カメラ アクタを選択した状態で、 [Details] パネルに移動し、 [Current Camera Settings (現在のカメラ設定)] で次のフィールドを変更します。

Current Camera Actor settings

  • [Lens Settings (レンズ設定)] > [Min Focal Length (最小焦点距離)][Lens Settings] > [Max Focal Length (最大焦点距離)] を、物理カメラのレンズの焦点距離の範囲に合わせて設定します。

  • [Lens Settings] > [Min FStop (最小 FStop)][Lens Settings] > [Max FStop (最大 FStop)] を、物理カメラのレンズの絞り値の範囲に合わせて設定します。

カメラの最大フォーカス距離を設定する方法はありません。カメラ アクタの [Focus Settings (フォーカス設定)] > [Manual Focus Distance (マニュアル焦点距離)] を設定することはできます。この焦点距離は、エンジン内の定数です。

このページは Unreal Engine の前のバージョン用です。現在リリースされている Unreal Engine 5.2 に対して更新は行われていません。
Unreal Engine のドキュメントを改善するために協力をお願いします!どのような改善を望んでいるかご意見をお聞かせください。
調査に参加する
キャンセル