プリビジュアライゼーションから最終レンダリングに至るリアルタイム テクノロジーを使って、映画制作者はデジタルシーンとエフェクトのレビューおよびイテレーションを非常に迅速に行うことができるため、映画制作プロセスではますます重要なツールとなっています。Weta Digital は可能な限りレンダリング速度を維持しながら、映画レベルの品質をどこまで追求できるか探るために Meerkat のデモ映像 を作成しました。この映像は全編が Unreal Engine でレンダリングされています。適切なグラフィック カードを使用すると、Meerkat はリアルタイムで実行されます。このドキュメントは、Movie Render Queue プラグインを使用して、Meerkat を高い品質でレンダリングするプロセスについて説明します。
このサンプルは Unreal Engine 5 以降で使用できます。このサンプルは特別にグラフィクスに重点を置いたシーンになりますので、安定したフレームレートで実行するためにパワフルなビデオカードが必要になります。ご注意ください。
必要なセットアップ
以下の手順に従って、プロジェクトに Meerkat サンプルをセットアップします。
Epic Games Launcher を開き、[Unreal Engine] セクションをクリックして [Samples] タブを開きます。
[Learn (ラーニング)] タブは画面上部の Epic Games Launcher の Unreal Engine セクションにあります (クリックして画像を拡大)
[UE Feature Samples] までページを下にスクロールし、[Meerkat Demo] サンプル、次に [Free] をクリックして保存庫にサンプルを追加します。
Meerkat Demo は Engine Feature Samples セクションに入っています (クリックして画像を拡大)
[Create Project (プロジェクトの作成)] をクリックして、画面に表示される手順に従って Meerkat Demo サンプル コンテンツをダウンロードし、新規プロジェクトを開始します。
コンテンツページにある Meerkat Demo 用の [Create Project] ボタン (クリックして画像を拡大)
Unreal Editor で新しいプロジェクトを開きます。
[Edit] > [Plugins] ウィンドウを開き、[Built-In] > [Rendering] セクションへ移動します。[Movie Render Queue] が有効になっていることを確認して、必要に応じて再起動してください。
Movie Render Queue プラグインを有効にします (クリックして画像を拡大)
Meerkat シーケンスを表示する
Unreal Editor をロードして Meerkat Demo プロジェクトを開いたら、コンテンツ ドロワー の Master_SEQ をダブルクリックします。
Sequencer が開いて Master_SEQ レベル シーケンスがロードされます。
Sequencer タブにロードされた Master_SEQ レベル シーケンスクリックして画像を拡大します。
タイムラインをクリックすると異なるショットでタイムラインをスクラブすることができます。
Master_SEQ レベル シーケンスのタイムライン (クリックして画像を拡大)
シーンに設定したシネマティック カメラによってショットを表示したい場合は、[Shots] の カメラ アイコン をクリックします。ビューポートがタイムラインの位置に応じたカメラの表示になります。
シーケンサーに表示されるシネマティック カメラ モード用切り替えボタン (クリックして画像を拡大)
ビューポート モードを Perspective (パースペクティブ) から [Cinematic Viewport (シネマティック ビューポート)] に変更することができます。
ビューポート コントロールを使って [Cinematic Viewport (シネマティック ビューポート)] に切り替えます (クリックして画像を拡大)
シーケンサーを使った作業に関する詳細は、「シーケンサー エディタ」セクションを参照してください。
最適化設定
パフォーマンスを改善するために、Meerkat のデモ映像はデフォルトで低解像度設定になっています。ビジュアルを最高品質にするには、以下のいずれかの方法で最適化設定を変更します。
高解像度環境メッシュを切り替える
ワールド アウトライナー の VisualSettings_BP ブループリントをクリックします。[Details (詳細)] タブの [Default (デフォルト)] に [Highres Env Meshes (高解像度環境メッシュ)] 設定があります。これをオンにするとシーンの忠実度は高くなりますが、オフにする方が若干実行速度が速くなります。
スライダーを移動させると、高解像度環境メッシュのオンとオフの時の比較ができます。
ワシのグルーム解像度を変更する
Meerkat デモの ワシ には、羽根を表現するために グルーム ヘアが使用されています。デフォルトではパフォーマンスを優先させて低解像度のグルームが設定されていますが、高解像度アセットに変更することができます。
ワールド アウトライナー の [Characters (キャラクター)] グループをクリックし、[amlEagle_BP] を選択して [Details (詳細)] タブを確認します。
[Details] タブの [amlEagle_BP(self)] にリスト表示されている Groom プロパティを選択します。
Groom プロパティは [Details] タブからアクセスすることができます (クリックして画像を拡大)
Groom Asset (グルーム アセット) と Binding Asset (バインディング アセット) の両方があります。それぞれアイコンの右側にドロップダウン メニューがあります。
[Groom Asset] メニューをクリックするとグルームを [amlEagle_groomLowRes_r036_GRO] から [amlEagle_highRes_GRO] へ変更することができます。
Binding Asset をクリックすると、バインディング アセットを [amlEagle_groomLowRes_r036_GRB] から [amlEagle_highRes_GRB] に変更することができます。
スライダーを移動させて、低解像度のグルーム アセットと高解像度のアセットでワシを比較します。羽根の非常に詳細に注意してください。
グルーム アセットを使った作業に関する詳細は、「グルーム アセット エディタ ユーザー ガイド」セクションを参照してください。
ムービー レンダー キューを使って Meerkat Demo をレンダリングする
Meerkat Demo をレンダリングするには、シーケンサー ムービーの高解像度レンダリングを出力するために使用する ムービー レンダー キュー を使用する必要があります。必要なセットアップ の手順を見直して、Movie Render Queue プラグインが有効にして、次の手順に従ってレンダリング ジョブのセットアップを行います。
[Window] > [Cinematics] > [Movie Render Queue] を選択してムービー レンダー キューを起動します。
Movie Render Queue ウィンドウ の左上隅の [+ Render] ボタンをクリックしmさう。ドロップダウン メニューから [Master_SEQ] を選択します。
[+ Render] ドロップダウンから Master_SEQ にアクセスします (クリックして画像を拡大)
ムービー レンダー キューのレンダリング ジョブ リストへエントリを追加します。
Master_SEQ のエントリで、[Settings] 欄の [Unsaved Config] をクリックして [Settings] ウィンドウ を開きます。
[Settings] ウィンドウで右上角の [Load/Save Presets (プリセット)] ドロップダウンをクリックし MoviePipelineConfig_Temporal プリセットを選択します。
MoviePipelineConfig_Temporal プリセットを選択してショットに適用します (クリックして画像を拡大)
Meerkat Demo をレンダリングをするために必要な設定がされました。[Settings] ウインドウの左側のリストには、このプロジェクト用にはっきり設定されたアイテムが表示されています。これらの設定を編集してレンダリング画像用の出力ディレクトリの変更、保存される画像タイプの変更、ポストプロセス設定の編集をすることができます。右下角の [Accept] ボタンをクリックしてウィンドウを閉じます。
MoviePipelineConfig_Temporal からの設定を適用した [Settings] ウィンドウ (クリックして画像を拡大)
注意:上の画像は [Settings] ウィンドウの警告アイコンを表示します。クリックすると警告の詳細が表示されます。プロジェクトの TAA サンプルは 16 に設定されていますが、警告はどの場合も表示されます。この警告は無視できます。
レンダリングを起動するには、[Movie Render Queue] ウィンドウの右下隅の [Render (Local)] ボタンをクリックします。
[Movie Render Queue] ウィンドウでの最終設定 (クリックして画像を拡大)
レンダリングに関連する情報を示す [Render Preview] ウィンドウが表示されます。
[Movie Render Queue] プレビュー ウィンドウにレンダリングの進捗情報が表示されます (クリックして画像を拡大)
ムービー レンダー キューの使用方法に関しては、シーケンサー ワークフロー ガイドの ムービー レンダー キュー セクション を参照してください。
Meerkat コントロール リグをショットに追加する
プロジェクトには Meerkat 用の コントロール リグ が含まれています。これを使って Unreal Editor 内のキーフレーム アニメーションを調べることができます。このコントロール リグを使うには、amlMeerkat_BP をシーケンサーのショットに追加する必要があります。レベル シーケンスを新規作成するのが一番簡単な方法です。
[Cinematics (シネマティックス)] > [Add Level Sequence (レベル シーケンスを追加)] を選択します。
[Save Asset As (名前をつけてアセットを保存)] ウィンドウの [Levels] フォルダで、レベル シーケンスに MeerkatAnim_SEQ と名前を付けて [Save] をクリックします。保存したレベル シーケンスはシーケンサーでアクティブなシーケンサーになります。
新しいシーケンスを保存して Meerkat コントロール リグで使用します (クリックして画像を拡大)
コンテンツ ブラウザの Master_SEQ をダブルクリックすれば、元のシーケンスに戻ることができます。
コンテンツ ドロワーで[Content] > [Assets] > [meerkat] > [Blueprints] フォルダを開き、amlMeerkat_BP アセットを確認します。
Meerkcat コントロール リグはコンテンツ ドロワーにあります (クリックして画像を拡大)
amlMeerkat_BP アセットをクリックして MeerkatAnim_SEQ へドラッグします。
Meerkat コントロール リグをクリックして、シーケンサーへドラッグします (クリックして画像を拡大)
コントロール リグのついた Meerkat アセットのコピーができました。これをレベル シーケンスで使用することができます。
シーケンサー タイムラインで Meerkat コントロール リグにキーフレームを設定します (クリックして画像を拡大)
タイムラインでパラメータを編集したり、ビューポートで直接コントロール リグを操作することができます。
レベル ビューポートでコントロール リグを操作します (クリックして画像を拡大)