Unreal Engine がサポートしている各プラットフォームには、[Project Settings (プロジェクト設定)] メニューに [Audio (オーディオ)] カテゴリがあります。このカテゴリには、オーディオ ミキサー 設定や圧縮設定など、アプリケーションによるオーディオ管理に関するプラットフォーム固有のオプションが含まれています。これらの値は、グローバル オーディオの設定をオーバーライドします。オーディオの設定は、プラットフォームごとに異なるコンフィグ ファイルに書き込まれるものの、すべてのプラットフォームで同一の設定にすることもできます。
ほとんどのオーディオ設定では、0 以下の値を使用すると、その設定は無視され、グローバル オーディオ設定が優先されます。
これらの設定は、他のすべてのプラットフォーム固有のプロジェクト設定とともに、各プラットフォームの「((PlatformName)Engine.ini
」ファイルに書き込まれます。
プラットフォームのオーディオ設定を設定する
[Settings (設定)] > [Project Settings (プロジェクト設定)] をクリックして [Project Settings] ウィンドウを開きます。[Platforms (プラットフォーム)] セクションに移動して、ターゲット プラットフォームの名前をクリックします。[Audio (オーディオ)] カテゴリまでスクロールして、このカテゴリを展開し、プラットフォーム固有のオーディオ設定をすべて表示します。
これらの各設定のまとめを次の表に示します。
設定名 |
説明 |
---|---|
Audio Mixer Sample Rate ( オーディオミキサーのサンプリングレート) |
オーディオ ミキサーを実行する際のサンプリング レート。 |
Callback Buffer Size ( コールバックバッファサイズ) |
各オーディオ コールバック ブロックを計算するためのオーディオの量。この値を小さくするほどオーディオのレイテンシーが小さくなりますが、CPU の負荷が増大する可能性があります。 |
Number of Buffers to Enqueue (キューに加えるバッファ数) |
キューで待機状態にしておくオーディオ バッファの数。バッファの数を増やすとオーディオのレイテンシーが大きくなりますが、一部のプラットフォームでは、ジョブ プールでのスレッドの可用性のばらつきを補正することができます。 |
Max Channels (最大チャンネル数) |
当該プラットフォームのオーディオ ボイスの最大数。この設定とグローバル設定を比較すると、アプリケーションで使用される値は、2 つのうちの小さい方の値になります。 |
Number of Source Workers ( ソースワーカー数) |
ソース オーディオの計算に使用できるワーカーの数。ソースはワーカーの間で均等に分配されます。 |
Compression Overrides (圧縮オーバーライド) |
選択されているプラットフォームでオーバーライドされるオーディオ圧縮設定のリスト。詳細については、以下の表「Compression Overrides (圧縮オーバーライド)」を参照してください。 |
Cook Overrides (クック オーバーライド) |
選択したプラットフォームでオーバーライドされるクック設定のリスト。詳細については、以下の表「Cook Overrides (クック オーバーライド)」を参照してください。 |
Spatialization Plugin (空間化プラグイン) |
現在有効であるどの空間化プラグインを当該プラットフォームで使用するかを指定します。 |
Reverb Plugin (リバーブプラグイン) |
現在有効であるどのリバーブ プラグインを当該プラットフォームで使用するかを指定します。 |
Occlusion Plugin (オクルージョンプラグイン) |
現在有効であるどのオクルージョン プラグインを当該プラットフォームで使用するかを指定します。 |
Sound Cue Cook Quality (サウンドキュークック品質) |
サウンドキューをクックする品質レベル。設定すると、他のすべてのレベルは、この設定に優先してクッカーによって取り除かれます。 |
Compression Overrides (圧縮オーバーライド)
設定名 |
説明 |
---|---|
Override Compression Times (圧縮時間をオーバーロード) |
このオプションがオンの場合、[Duration Threshold (期間しきい値)] を使用して、初期ロード時にサウンドを完全に圧縮解除するかどうかを決定します。 |
Duration Threshold (期間しきい値) |
秒単位で測定される値。Override Compression Times] がオンの場合、[Duration Value (期間値)] より短いサウンドはロード時に完全に圧縮が解除されます。その他の場合は、ロード時にサウンドの 1 つのセグメントがキャッシュされ、その他の部分はリアルタイムに圧縮が解除されます。 |
Maximum Branches on Random SoundCue nodes (Random SoundCue ノードのブランチ最大数) |
当該プラットフォームで、Random ノードを使用するサウンドキューはこの数のブランチをプリロードして、その他のブランチは破棄します。これにより、メモリ使用量を大幅に削減できます。 |
Quality Index for SoundCues (サウンドキューの品質インデックス) |
サウンドキューに使用する品質設定をオーバーライドするため、このインデックスで指定した品質レベルを使用します。 |
Cook Overrides (クック オーバーライド)
設定名 |
説明 |
---|---|
Max Size Per Streaming Chunk (KB) |
当該プラットフォームでクックする際に、圧縮されたオーディオ ファイルをチャンクに分割する方法を決定します。この値が小さいほど、ファイルはより多くのチャンクに分割されます。 |
Use Stream Caching (実験段階の機能) |
プロジェクトをクックする際にオーディオ ストリーム キャッシングを使用することができます。これにより、メモリ内でのオーディオの管理方法が変更されます。 |
Resample for Device (デバイスの再サンプリング) |
このオプションがオンの場合、サンプル レート品質に従ってサウンド ウェーブを再サンプリングします。Sample Rate Quality Enum の各メンバーに使用する正確なサンプル レートは、[Resampling Quality (再サンプリング品質)] で設定できます。 |
Compression Quality Modifier ( 圧縮品質モディファイア) |
当該プラットフォームのすべての品質設定をスケーリングします。たとえば、「0.5」という値を設定すると、すべてのサウンドキューの品質設定の値が半分になります。 |
Stream All Soundwaves Longer Than: (次より長いすべてのサウンドウェーブをストリーミング:) |
これが「0」を超える任意の値に設定されると、この値 (秒単位) より長いサウンドウェーブは直接ディスクからストリーミングされます。 |
Stream Caching (ストリーム キャッシング) |
[Max Cache Size (最大キャッシュ サイズ)] および [Max Chunk Size Override (最大キャッシュ サイズのオーバーライド)] で構成されます。詳細については、下の表「Stream Caching」を参照してください。 |
Resampling Quality (再サンプリング品質) |
当該プラットフォームでどのサンプリング レートがどのサンプリング レート品質レベルで使用されるかを示すマッピング。Min、Low、Medium、High、Max の値を含みます。 |
Stream Caching (ストリーム キャッシング)
設定名 |
説明 |
---|---|
Max Cache Size (KB) (最大キャッシュサイズ) |
特定時点でキャッシュに使用されるメモリの最大量 (KB) を設定します。この値が小さい (8 MB 未満) 場合、クック時に個々のオーディオ チャンクのサイズが小さくなります。 |
Max Chunk Size override (KB) (チャンクサイズの最大オーバーライド) |
ストリーム キャッシングのオーディオをチャンキングするときに使用するデフォルトの最大チャンクサイズをオーバーライドします。この値が 0 以下の場合は、無視されます。 |