Unreal Engine (UE) では、アプリケーションのメイン実行ファイルから外部にパッケージング ファイルの形でアセットを配布することができます。そのためにアセットを、クック処理で認識されるアセット ファイルのグループであるチャンクに編成する必要があります。このチュートリアルでは、Unreal Editor 内でアセットをチャンクに編成する方法を説明します。最後まで終えると、パッチ適用システムを使用して配布できるパッケージング ファイルを作成するサンプル プロジェクトが完成します。
推奨されるアセット
このガイドでは以下のアセットを使用します。Paragon の Crunch、Boris、Khaimera。これらは Unreal マーケットプレイスから無料でダウンロードすることができます。アセットが個別のフォルダで安全にグループ化されている限り、それらのアセットを使用する必要はありません。Paragon のキャラクター アセット は既に UE によってそのように編成されているため、便利なテスト ケースとなります。
必要なセットアップ
先に進む前に「ChungDownloader Plugin を設定する」を確認してください。
リファレンス ガイドで記述されているように、次の手順に従います。
Blank テンプレート をベースにして C++ プロジェクト を作成します。このプロジェクトに「PatchingDemo」という名前を付けます。
[Plugins (プラグイン)] メニューで ChunkDownloader プラグインを 有効にします。
[Project Settings (プロジェクト設定)] > [Project (プロジェクト)] > [Packaging (パッケージ化)] で [Use Pak File (pak ファイルを使用)] と [Generate Chunks (チャンクの生成)] を有効にします。
Visual Studio でプロジェクトの「
ProjectName]Build.cs
」を編集します。Visual Studio プロジェクト ファイルを生成します。
Visual Studio でプロジェクトをビルドします。
チャンク化スキームを編成する
チャンク化を有効にしてプラグインの設定が完了したら、次はアセットを編成してチャンクにパッケージ化する必要があります。
チャンク化のプロセスについての詳細は、「クック処理とチャンク化」を参照してください。
「ParagonBoris」フォルダで 右クリック して [Create Advanced Asset (高度なアセットの作成)] > [Miscellaneous (その他)] に移動し、[Data Asset (データ アセット)] を新規作成します。
新規データ アセットにベース クラスとして [Primary Asset Label] を選択します。
PrimaryAssetLabel のサブクラスを C++ で作成し、追加メタデータを追加することもできます。PrimaryAssetLabel のサブクラスをブループリントで作成すると、チャンク化の目的では機能しません。
新しい Primary Asset Label の名前を「Label_Boris」にします。
[Label_Boris] を開き、プロパティを次のように入力します。
プロパティ
値
Chunk ID
フォルダごとに一意の値にする必要があります。このサンプルでは、Boris に 1001 を使用しています。
Priority
この値は 0 より大きくする必要があります。サンプルでは、すべて 1 に設定しています。
Cook Rule
Always Cook に設定します。
Label Assets in My Directory
Enabled に設定します。
Is Runtime Label
Enable に設定します。
1 から 4 の手順を ParagonCrunch と ParagonKhaimera にも繰り返します。このサンプルでは、Crunch の [ChunkID] を 1002 に、Khaimera は 1003 に設定しています。
プロジェクトのコンテンツをパッケージ化、またはクックします。
最終結果
すべてを正しく設定した状態で、UE がパッケージ化を完了させると、ビルド ディレクトリの「/Windows/PatchingDemo/Content/Paks
」に .pak ファイルが表示されます。UE では各ファイルに上述の手順で指定したチャンク ID を名前として付けます。3 つのファイルにはそれぞれ、キャラクターのアセットが含まれています。
[Tools] > [Asset Audit] の順にクリックして、[Asset Audit] ウィンドウでチャンクを確認することもできます。
アセットの監査については、「クック処理とチャンク化」を参照してください。