nDisplay を使用する新規インストールを設定する際、特に複数のビューポートが複数の LED スクリーンに拡散している場合は、3D 仮想ワールドをレンダリングする時に検出および診断が難しい微妙な表示の問題が起きることがあります。たとえば、隣接するビューポート間のティアリング、ディスプレイ同期の問題、隣接するビューポート間の継ぎ目、あるいは隣接するディスプレイ デバイス間でわずかな色の差異が発生する可能性があります。
それらの問題を容易に検出するために、nDisplay ではディスプレイ デバイス全体に並べて表示させるいくつかの異なる 2D テスト パターンを用意しています。それらの規則的なテスト パターンを使用することで、問題が発見しやすくなります。nDisplay のインストールで視覚的に確認できるティアリングや同期に関する問題が発生せず、確実にテスト パターンをきれいにレンダリングできる場合は、デバイスを使用して 3D 仮想ワールドを表示する際にも自信を持ってそれらデバイスを同期的にロックすることができます。
テスト パターンを有効にする
nDisplay プラグインには、Display Cluster Test Patterns Actor が含まれています。このアクタを [Place Actors (アクタを配置)] パネルで見つけてレベルのビューポートにドラッグします。
nDisplay.Calibration.Pattern
コンソール コマンドを使用するかクラスタ イベントをネットワークに送信して、選択したテスト パターンを有効にします。詳細については、後述の「コンソール コマンドの構文」および「クラスタ イベントの構文」セクションを参照してください。どちらの方法も、有効にするパターンの名前とそのテスト パターンを表示するビューポートを指定する必要があります。各パターンには、パターンのスケーリングやビューポート全体での動きの速さなどの外観を制御する追加のオプション パラメータが用意されています。
コンソール コマンドの構文
nDisplay.Calibration.Pattern
コンソール コマンドの構文は次のとおりです。
nDisplay.Calibration.Pattern [pattern ID] [viewport IDs] [material parameter 1] … [material parameter N]
その際、次のパラメータを使用します。
パラメータ |
説明 |
---|---|
pattern ID |
有効にするテスト パターンを指定します。この名前は [Display Cluster Test Patterns Actor] に登録されているテスト パターンのいずれかに割り当てられた名前と一致する必要があります。どのテスト パターンとも一致しない場合は、現在のテスト パターンが削除されます。 |
viewport IDs |
テスト パターンを表示する nDisplay のビューポートを指定します。その際、次のいずれかの値を使用する必要があります。
|
material parameter |
選択したパターンのデフォルト設定をオーバーライドするパラメータと値のリスト。各パラメータは「
|
たとえば、次のコンソール コマンドはすべてのビューポートで TPSCircles
パターンを表示するように設定します。
nDisplay.Calibration.Pattern TPSCircles *
次のコンソール コマンドは「vp1
」、「vp2
」、そして「vp3
」という名前の 3 つのビューポートでのみ TPSCircles
パターンを表示します。
nDisplay.Calibration.Pattern TPSCircles vp_1,vp_2,vp_3
次のコンソール コマンドは上述のコマンドと同じですが、同時にパターンのラインの幅と色のデフォルト値をオーバーライドしています。
nDisplay.Calibration.Pattern TPSCircles vp_1,vp_2,vp_3 LineWidth:scalar:0.2 LineColor:color:1,0,0,0
クラスタ イベントの構文
nDisplay ネットワークにクラスタ イベントを送信してテスト パターンを有効にするには、クラスタ イベントを次のように設定します。
説明 |
|
---|---|
Event category |
|
Event type |
|
Event name |
|
Parameter 1 |
「 |
Parameter 2 |
テスト パターンを表示する nDisplay のビューポートを指定します。「
|
Additional parameters |
追加のパラメータをクラスタ イベントに渡し、選択したパターンが持つデフォルト設定をオーバーライドすることができます。渡すパラメータはそれぞれ「
|
テスト パターンとパラメータ
このセクションでは、nDisplay に事前インストールされているテスト パターンと、パターンごとに指定することができるパラメータについて説明します。
アクタレベルのビューポートまたは [World Outliner (アウトライナ)] で [Display Cluster Test Patterns Actor] を選択した場合、[Display Cluster (ディスプレイ クラスタ)] > [Calibration Patterns] プロパティの下の [Details (詳細)]** パネルにすべての使用可能なキャリブレーション パターンのリストが表示されます。
TPSCircles
名前 |
型 |
---|---|
Repeats |
scalar |
LineWidth |
scalar |
LineColor |
color |
TPSColoredBars
名前 |
型 |
備考 |
---|---|---|
Shades |
scalar |
|
Direction |
scalar |
バーの方向を指定します。その際、次の値を受け入れます。
|
TPSGrayBars
名前 |
型 |
備考 |
---|---|---|
Shades |
scalar |
|
Direction |
scalar |
バーの方向を指定します。その際、次の値を受け入れます。
|
TPSGridCircles
名前 |
型 |
---|---|
Repeats |
scalar |
LineWidth |
scalar |
LineColor |
scalar |
TPAChevron
名前 |
型 |
---|---|
Repeats |
scalar |
LineWidth |
scalar |
LineColor |
scalar |
Speed |
scalar |
TPAGrid
名前 |
型 |
---|---|
Repeats |
scalar |
LineWidth |
scalar |
LineColor |
scalar |
Speed |
scalar |
TPAMirroredChevron
名前 |
型 |
---|---|
Repeats |
scalar |
Color1 |
color |
Color2 |
color |
Speed |
scalar |
TPARadar
名前 |
型 |
---|---|
Speed |
scalar |
Power |
color |
TPAStrips
名前 |
型 |
備考 |
---|---|---|
Repeats |
scalar |
|
LineWidth |
scalar |
|
LineColor |
scalar |
|
Speed |
scalar |
|
Direction |
scalar |
その際、次の値を受け入れます。
|
独自にカスタマイズしたテスト パターンを使用することもできます。その場合はプロジェクトに新規のポストプロセス マテリアルを作成し、[Display Cluster Test Patterns Actor] の [Calibration Patterns] プロパティに追加します。一度追加すると、作成したテスト パターンを上述のコンソール コマンドやクラスタ イベント メソッドを使用して nDisplay クラスタ全体でトリガーできるようになります。