同様の情報は、Developer Community サイトから映像形式で視聴できます。フラクチャとクラスタリング のチュートリアルをご覧ください。
フラクチャ モード は、さまざまなツールを搭載した レベル エディタのモード です。これには、Unreal Engine でリアルタイム フラクチャリングをシミュレートするためのアセット タイプである ジオメトリ コレクション を作成、フラクチャリング、および操作するのに Chaos Destruction (ケイオス破壊) システムで使用されるツールなどが含まれます。
ジオメトリ コレクションを破砕すると、新しい フラクチャ レベル が作成されます。これは、ジオメトリ コレクションの [Fracture Hierarchy (フラクチャ階層)] ウィンドウに反映されます。
[Level Statistics (レベル統計)] パネルでフラクチャ レベルのサマリを確認することもできます。
階層の各フラクチャ レベルはジオメトリ コレクションの ボーンのクラスタ (破砕された破片) を表します。別の言い方をすると、このレベルにグループ化されたすべてのボーンは、破砕シミュレーションの場合にはグループとして扱われます。
クラスタ化によって、システムが同時に計算するための衝突が少なくなるため、シミュレーションのパフォーマンスの影響を軽減することができます。シミュレーションでは、上位のクラスタが先にお壊れ、それに続いて下位のクラスタが壊れます。上の例では、レベル 1 (20 破片) が最初に壊れ、その後にレベル 2 (87) 以降が続きます。
現実世界のほとんどのオブジェクトは最初にひずみが加えられたときに大きな破片に破砕するため、クラスタ化することで、よりリアルな破壊シミュレーションを実現することができます。またクラスタ化は、ジオメトリ コレクションに異なるフラクチャ パターンを適用して、破壊可能なオブジェクトに技巧の優れたさまざまな外観を与えることができます。
シミュレーション中にクラスタ化の有効/無効を切り替えるには、ジオメトリ コレクションを選択して [Details (詳細)] パネルを参照します。下へスクロールし、[Clustering (クラスタ化)] セクションで [Enable Clustering (クラスタ化を有効にする)] チェックボックスを切り替えます。
フラクチャ モードには、ジオメトリ コレクションのボーン クラスタを調節するためのさまざまなツールがあります。これらを使って、シミュレーションのパフォーマンスと見た目をさらにコントロールすることができます。
このガイドでは、クラスタ化のために利用可能なツールの使用方法を学習します。
クラスタ化ツールについて学習する前に、ジオメトリ コレクションの作成方法と破砕方法を理解しておく必要があります。このプロセスに不慣れな場合は、「ジオメトリ コレクション ユーザー ガイド」と「破砕」を参照してください。
クラスタ ツール
このガイドでは、フラクチャ モードで利用できるクラスタ化のツールの使用方法を学習します。
自動クラスタ
Auto (自動) クラスタ ツールは指定した数の [Cluster Sites (クラスタサイト)] を使用してボーン クラスタを作成します。これにより、ジオメトリ コレクションにクラスタ操作を適用した際に作成されるクラスタの数を正確にコントロールすることができます。さらに [Enforce Cluster Connectivity (クラスタ接続を実行)] チェックボックスを有効にすることで、一緒にグループ化されたボーンが接続するかどうかを指定することができます。
このツールはブランチベースです。つまり、[Fracture Hierarchy (フラクチャ階層)] で選択された現在のボーンの数に基づいてクラスタを作成します。
下の例では、Uniform Voronoi フラクチャ ツールを使って 500 サイトを作成しました。
[Level Statistics] パネルまたは [Fracture Hierarchy] ウィンドウに階層が表示されます。
Auto クラスタ ツールを選択して [Cluster Sites] に「200」と入力します。
結果を見るには [Auto Cluster] ボタンをクリックします。
結果が表示されました。
このプロセスを繰り返して、クラスタ サイトを「100」「50」「15」を追加します。
このように、目的の効果を得るために必要なフラクチャ レベル (クラスタ) を好きなだけ作成することができます。
マグネット クラスタ
Magnet Cluster (マグネット クラスタ) ツールは、現在の選択範囲のすべての接続ボーンをグループ化して、ボーン クラスタを作成します。**イテレーション**の数を指定して、操作を使用してグループ化されるボーンの数をコントロールできます。
下の例では、1 イテレーションを使って、選択範囲の外側のリング上にあるすべてのボーンをクラスタ化しています。
この例では、2 イテレーションを使って、選択範囲から外側にある 2 つのリングをクラスタ化しています。
マグネット クラスタ ツールは複数の選択範囲を一度に作業することもできます。下の例では、このツールを使って、選択された 3 つのボーンに対して同時にイテレーション 1 を適用しています。操作を適用するたびに、選択範囲の接続しているボーンが別々にクラスタ化される様子を見ることができます。
平坦化クラスタ
Flatten (平坦化) クラスタ ツールは、破砕履歴 の中間レベルを除去して、ボーン階層を平坦化します。中間の破砕ステップを除去して最終的な破砕パターンを得るために便利です。
下の例では、ジオメトリ コレクションが最初のレベル (レベル 1) でビームに破砕され、その後さらにブロックに破砕されています (レベル 2)。
平坦化クラスタ ツールを使って階層を平坦化し、ビーム構成を完全に削除することができます。ルート ボーンを階層内で選択して右クリックし [Flatten (平坦化)] をクリックします。
クラスタとクラスタ化解除
Cluster (クラスタ) ツールは現在選択されたボーンからボーン クラスタを作成します。逆に、Uncluster (クラスタ化解除) ツールは、現在の選択範囲からボーン クラスタを削除します。これにより、ジオメトリ コレクション内のクラスタの作成を完全にコントロールすることができます。
下の例では、ジオメトリ コレクションが階層内で 2 つのレベルのブロックに破砕されています。
ボーンのグループを選択して [Cluster] をクリックし、選択したボーンのクラスタを新規作成します。
このプロセスを繰り返してあと 2 つクラスタを作成します。
Uncluster ツールを使って階層でボーンを選択し UnClstr をクリックすることで、クラスタを除去することができます。
マージ クラスタ
Merge (マージ) クラスタ ツールは、クラスタを 1 つのクラスタに結合し、同じ階層構造に保ちます。
シミュレーション用に階層に一定数のボーンを維持する場合に便利です。
下の例には、レベル 1 に 3 つのクラスタのあるジオメトリ コレクションがあります。2 つのクラスタを選択して [Cluster] をクリックすると、2 つのクラスタが 1 つに結合されます。ただし、階層はこのようになります。
見ての通り、操作後に階層が変わっています。対照的に、マージ クラスタ ツールを使用すると、階層はそのまま変更されません。
レベルアップ クラスタ
Level Up (レベルアップ) クラスタ ツールは、選択されたボーンを階層の上位レベルへ動かします。Fracture Hierarchy ウィンドウで移動したいノードを選択して [Level Up] をクリックして結果を表示します。
また、ルートボーンを選択して Level Up をクリックすると、階層全体に対してこの操作を行うことができます。
ドラッグアンドドロップによるクラスタ化
[Fracture Hierarchy (フラクチャ階層)] ウィンドウで直接ボーンをドラッグアンドドロップして、ボーン クラスタを手動で作成することができます。クラスタ ノードまたはリーフ ノードを他のクラスタにドラッグすることができます。
下の例では、ジオメトリ コレクションには階層の レベル 1 にボーンが 2 つ、レベル 2 にボーンが 25 あります。
階層内の任意のボーンを選択して移動し、上の階層のクラスタを変更することができます。
埋め込みジオメトリ ツール
フラクチャ モードには、追加のジオメトリを破砕シミュレーションに埋め込むためのツールがあります。埋め込みジオメトリの主な目的は、視覚的な複雑さのレイヤーを追加して、シミュレーションを補強することです。このため、埋め込みジオメトリにはコリジョンがありませんし、シミュレーションの一部と考慮されることもありません。
埋め込みジオメトリの使用でもっとも多い例は、建物の内部構造の作成です。壁の中の鉄筋、ケーブル、グラウトなどです。
下の例のジオメトリ コレクションは斜めにカットされています。スタティックメッシュ をジオメトリ コレクションにドラッグして、ジオメトリ コレクションと確実に交わるようにします。
スタティックメッシュを複製して、ジオメトリ コレクションの反対側に移動します。
スタティックメッシュとジオメトリ コレクションを選択して、[Embed] セクションへ移動して [Auto] をクリックします。
レベルからスタティックメッシュを取り除くことができます。スタティックメッシュが依然としてジオメトリ コレクションと交わっていることが分かります。
コンテンツ ブラウザ へ移動し、ジオメトリ コレクション アセットを開きます。下にスクロールして [Embedded Geometry Exemplar] セクションを展開します。スタティックメッシュがリストに追加され、ジオメトリ コレクションでメッシュのインスタンスを 2 つ使用していることを示す [Instance Count (インスタンス カウント)] が表示されていることに注目してください。
ジオメトリ コレクションに埋め込むために、Auto をクリックして、続けてスタティックメッシュをジオメトリ コレクションに追加することができます。
ジオメトリ コレクションに重ならないスタティックメッシュを埋め込む場合は、ジオメトリ コレクションのボーンとスタティックメッシュを選択し、[Embed (埋め込み)] をクリックします。
ジオメトリ コレクションからすべての埋め込みジオメトリを除去するには [Flush (フラッシュ)] をクリックします。