Water Body アクタ

利用可能な各種水塊の概要とウォーター システムでワールドをビルドするために水塊を使用する方法について説明します。

Water Body (水塊) アクタ を使用すると、水面の位置と形状、およびレベル内でのトランジションを定義することができます。水塊は Water Mesh アクタ によって管理されるウォーター メッシュ タイルで構成されます。このアクタは、すべての水塊の品質とプロパティを設定します。水塊をレンダリングする領域を網羅するように、Water Mesh アクタを設定することができます。この設定を行うと、Unreal Engine が必要なメッシュを自動的に生成します。すべての水塊を 1 つのウォーター メッシュ タイルとしてレンダリングすることで、水塊間のトランジションをスムーズかつシームレスに行うことができます。

水塊は、水面の波の動きやシェーディング、および水中のポストプロセスも決定します。各水塊は、その深さと流れに関する情報を含んでいます。これらをクエリして、ゲームプレイに利用することができます。たとえば、水面との物理的なインタラクションを作成することができます。

水塊のタイプ

水塊アクタには、複数のタイプがあります。

  • Oceans (大洋)Lakes (湖)Rivers (川) の水塊です。これらはすべて、そのタイプに関するデータを格納するスプラインを使用して定義されます。

  • Custom (カスタム) タイプ。これにも、データをクエリするためのスプラインがありますが、スタティックメッシュで形状を定義します。

  • Island (島)。これは、定義されたスプラインの領域内のランドスケープ テレインを上げるために使用します。

  • 排他ボリューム。これを使用すると、ゲームプレイで、あたかも水中ではないように操作できる水中ゾーンを作成することができます。

レベルに Water Body アクタを追加するには、次の手順を実行します。

  • [Place Actors (アクタを配置)] パネルに移動し、Water Body アクタ を選択し、レベルにドラッグアンドドロップします。

Placing a water body in the level.

水塊は、ランドスケープ テレイン と自動的に連携し、ランドスケープ ブラシを使用して水塊の下のテレインを作成することができます。ランドスケープ ブラシは、ランドスケープで [Enable Edit Layers (編集レイヤーを有効にする)] がオンになっている場合に限り、ランドスケープ レイヤーを編集します。

Enable Edit Layers in Landscape Mode.

Enable Edit Layers on the Landscape Actor.

[Landscape (ランドスケープ)] モードのオプションで新規のランドスケープの編集レイヤーを有効にする。

既存のランドスケープ テレインで編集レイヤーを有効にする。

水塊には、カメラが水面下に移動したときに発生する独自の水中ポスト プロセスが含まれています。これにより、標準的なポストプロセス設定のサブセットで水の外観を定義することができます。

Ocean Water Body (大洋水塊)

[Ocean Water Body] は、海岸線を形成する閉ループのスプラインで定義され、それらのスプライン ポイントから遠く離れた場所まで水をレンダリングします。スプライン ポイントはすべて、レベル内で同じ高さに配置されています。

水塊は、到達可能な距離、すなわち、最大 エクステント サイズ によって制限されます。ただし、大洋水塊は、レベルを完全に埋めることなくこの処理を実現するため、カメラの視点によっては、水平線と水面の間に隙間が残ります。Water Zone (ウォーター ゾーン) アクタは、簡略化されたメッシュとウォーター マテリアルでこの隙間を埋めるオプションを提供します。

次の例では、高度にテッセレーションされたメッシュと複雑なマテリアルによって負荷が増大させることなく、簡略化されたウォーター メッシュが空白の領域を埋めている様子を示しています。

Example scene with a far distance mesh.

Example scene without a far distance mesh.

遠距離メッシュを使用した地上からの視点 (デフォルト)

遠距離メッシュを使用しない場合の地上からの視点。

上空からの視点では、大洋水塊がどこまで続いているのかがよくわかります。遠距離メッシュを使用して、そのマテリアルの色を大洋水塊に一致させることで、シーンをシームレスに埋めることができます。これにより、パフォーマンスへの影響も削減されます。

Example scene with a far distance mesh.

Example scene without a far distance mesh.

遠距離メッシュを使用した上空からの視点 (デフォルト)

遠距離メッシュを使用しない上空からの視点。

遠距離メッシュ は、Water Zone アクタではデフォルトで有効になっています。[Far Distance Mesh Extent (遠距離メッシュ エクステント)] は、ワールドの端まで広げることができる十分な距離ですでに設定されています。

エクステントのサイズを変更するには、次の手順を実行します。

  • [WaterZone Actor (WaterZone アクタ)] > [Rendering (レンダリング)] > [FarDistance] に移動して、[Far Distance Mesh Extent (遠距離メッシュ エクステント)] の値を変更します。

Water Zone details FarDistance settings.

デフォルトでは、Water_FarMesh マテリアルが [Far Distance Material] スロットに割り当てられています。このマテリアルは、他の水塊で使用されているデフォルトのウォーター マテリアルと一致させることで、一貫した外観を実現します。

一貫性を保つために、大洋のマテリアルの色やその他のプロパティを調整するときは、Water_FarMesh マテリアルにも同じ変更を行ってください。そうすることで、両者が確実に遠距離でブレンドされます。

[Far Distance Mesh Extent (遠距離メッシュ エクステント)] を使用して、遠距離メッシュが大洋水塊を越えてどのくらい拡張できるかをワールド ユニット単位で設定することができます。メッシュが大洋水塊の端と水平線の間の隙間を完全に埋めるように、十分な大きさの値を使用することを確認してください。

Lake Water Body (湖水塊)

[Lake Water Body] は閉ループで定義されており、湖を形成し、湖の下のランドスケープも形成します。各スプライン ポイントは、川のスプライン ポイントとは異なり、すべてのポイントが同じ高さに存在するように制限されています。

River Water Body (川水塊)

[River Water Body] は、始点と終点を持つ開スプラインで定義されています。川は、スプラインのパスに沿って、川の下にあるランドスケープを形成します。川は、さまざまな高さのスプライン ポイントを持つことができます。川水塊は、波による水面の動きを制御しません。代わりに、川はスプラインに沿った個々のポイントのベロシティを利用して動きを制御します。このベロシティはフロー マップに書き込まれ、スプラインの進行方向で水面に沿って水の流れを視覚的に制御します。

川水塊は、他の水塊を接続する役割を果たします。湖や大洋が川と合流する地点では、トランジション マテリアルを使用して、それらを自動的にシームレスにブレンドすることができます。

Water Body transition example.

Custom Water Body (カスタム水塊)

[Water Body Custom] は、他の水塊と同じウォーター マテリアルを含むスタティックメッシュを使用します。また、同じメッシュ システムを使用しますが、プールの水面を作成するなど、柔軟にカスタマイズすることができます。主な違いは、カスタム水塊は ウォーター メッシュ アクタ を使用しないため、テレインを自動的に形成しないことです。カスタム水塊は、Water Wave アセットWave ソース および水中ポストプロセスを使用することができます。

Island Water Body (島水塊)

[Island Water Body] は、スプラインに基づいて島を作成し、他の水塊と同様に、テラフォーミング コントロールも含んでいます。その唯一の目的は、島水塊の下のランドスケープに影響を与えることで、陸の指定した部分が常に水面より上にあるようにすることです。テラフォーミングは、他のすべての水塊の後に適用されます。

水塊のプロパティ

すべての水塊は、Water Body コンポーネントを構成する主要なプロパティを共有しています。ただし、個々の水塊タイプに固有の設定もあります。

選択されたポイント

[Selected Points (選択されたポイント)] カテゴリでは、現在選択されている水塊のスプライン ポイントを順に切り替えることができます。各スプライン ポイントには、位置、回転、タイプなどのプロパティがあります。また、いくつかのスプライン ポイントには、水塊固有のプロパティがあります。たとえば、川には深さと幅を定義する追加のプロパティがあります。

Water Body selected spline points.

1 つまたはすべてのスプライン ポイントを選択すると、そのプロパティが下に表示され、位置、回転、およびタイプが示されます。

各水塊には、スプライン ポイントに関連する設定の[Water (水)] カテゴリがあります。これには、ベロシティとオーディオ強度の設定が含まれます。川水塊には、深さと幅の設定も含まれています。[Depth] 値は、水塊の カーブ コントロールに提供されます。

Ocean and Lake Water Body spline properties.

River Water Body spline properties.

大洋水塊と湖水塊のスプラインのプロパティ

川水塊のスプラインのプロパティ

プロパティ

説明

Input Key

水塊を構成するスプライン ポイントの数値の順序。

Location

選択したスプライン ポイントのピボット ポイント位置を基準としたワールド位置座標。

Rotation

選択したスプライン ポイントの相対回転。

Arrive Tangent

この接線は、このポイントに向かって補間するときに使用されます。

Leave Tangent

この接線は、このポイントから離れるように補間するときに使用されます。

Water (水)

Depth

(川のみ) 川の経路に沿った各スプライン ポイントでの川の深さを設定します。[Depth] は、スプラインに沿った各ポイントに対して個別に指定することができます。

River Width

(川のみ) 川の経路に沿った各スプライン ポイントでの川幅を設定します。スプラインに沿った個々のポイントごとに幅を指定することができます。

Velocity

(川のみ) 川のスプライン パスに沿った方向の速度を設定します。高い値を設定すると、各スプライン ポイント間の水の速度が制御されます。正の値と負の値で、スプラインに沿った水流の方向を制御します。

Audio Intensity

スプラインで制御するオーディオの音量レベルを調整します。

川のスプラインのビジュアライゼーションおよび操作

ウォーター スプラインは、一般的なスプラインと同じ機能を備えています。ウォーター スプラインには、右クリックのコンテキスト メニューで有効にできる追加のマニピュレータがあります。

River Water Body selected spline point visualization options.

  • [Visualize Water Velocity (水のベロシティを可視化)] は、各スプラインのベロシティを 3 本の矢印で表示します。これらの矢印をポイントのベロシティに応じてスケールします。

    River Water Body velocity visualization.

  • [Visualize River Width (川幅を可視化)] では 2 つのハンドルが表示され、これを選択してドラッグすると、ビューポート内の川水塊の幅を編集することができます。

    River Water Body width visualization.

  • [Visualize Depth (深さを可視化)] では、追加のハンドルが表示され、これを選択してドラッグすると、ビューポートで深さを編集することができます。

    River Water Body velocity visualization.

グローバル スケールは、[Project Settings (プロジェクト設定)] の [Plugins (プラグイン)] > [Water Editor (ウォーター エディタ)] で設定できます。

Water (水)

[Water] カテゴリには、選択した水塊に関する情報が含まれています。また、その水塊に影響を与える 除外ボリューム のリストも表示されます。これらの各カテゴリの下には、GPU 駆動の波データのインデックス番号があります。

Water Body Water settings

このインデックスは、デフォルトの Water_Material で自動的に使用され、正しいサーフェスの波が計算されます。また、WaterBodyIndex というスカラー パラメータを使用して、親マテリアルや子インスタンスからインデックスを読み取るように手動で設定することもできます。

Water Material Water Body Index parameter.

プロパティ

説明

Water Body Index

各水塊アクタの波データが格納されている GPU に対するインデックス。このインデックスは、ウォーター マテリアルで自動的に使用され、正しいサーフェスの波が計算されます。

Advanced (詳細) プロパティ

Water Body Islands

この水塊に影響を与える島水塊の配列リスト。

Water Body Exclusion Volumes

この水塊に影響を与える水塊除外ボリュームの配列リスト。

Owning Water Zone

この水塊が属するウォーター ゾーン。

Water Zone Override

この水塊が属しているワールドのウォーター ゾーンの設定に対するオーバーライド。

Fixed Water Depth

このコンポーネントに割り当てられたウォーター マテリアルで [Fixed Depth] が有効になっている場合、ここで指定した深さ値がマテリアルに渡されます。

Terrain (テレイン)

[Terrain] カテゴリには、水塊が水の周囲のテレインを形成する方法を変更する設定が含まれています。

水塊がテレインと相互に作用するためには、ランドスケープで [Enable Edit Layers] をオンにする必要があります。

Curve Settings (カーブ設定)

[Curve Settings] は、水面下で形成されるサーフェスの形状を定義し、主に水深プロファイルを提供します。

Water Body Curve settings

プロパティ

説明

Curve Settings (カーブ設定)

Use Curve Channel

水の下に形成されるサーフェス エフェクトのオン/オフを切り替えます。

Elevation Curve Asset

カーブ アセットを使用して、水面の下のランドスケープの形成方法を変えることができます。

Channel Edge Offset

水の端からカーブが始まる場所までのオフセット。

Channel Depth

湖水塊の深さのみを設定します。

川水塊の場合は、スプライン ポイントごとに深さを設定します。

Curve Ramp Width

カーブの幅 (ワールド ユニット)。

Elevation Curve アセット は、X 軸と Y 軸の両方が 0 ~ 1 の範囲で定義されます。Y 軸は水深を表し、各スプライン ポイントで設定された深さ値と乗算されます。デフォルトのカーブは、ほとんどのケースで有効なシンプルな S 字カーブです。

Float Curve

River Water Body S Curve

River Water Body hidden surface

S 字カーブを使用した Float Curve アセット

川水塊を使用したデフォルトの S 字カーブ

川水塊のサーフェスが非表示のデフォルトの S 字カーブ

カーブの左下は 0,0 になります。これは海岸線がある場所で、カーブの右上が最大水深を表します。

川水塊スプライン ポイントに深さ値を正確に設定するためには、Y 値を「1」に保つ必要があります。

Water Heightmap Settings (水の高さマップの設定)

プロパティ

説明

Blend Mode

以下のブレンド モードから 1 つを選択します。

  • Alpha Blend: ランドスケープ テレインの高さマップに上下両方向で影響します。

  • Min: ブラシがランドスケープ テレインを下げるのみに制限します。

  • Max: ブラシがランドスケープ テレインを上げるのみに制限します。

  • Adaptive: 平坦な Z 高さを入力として、加算ブレンドを実行します。これは、追加した下の層の詳細や傾斜を維持したい場合に役立ちます。

Invert Shape

湖を形成していた場合、それが島になるように、作成した形状を反転させます。

Falloff Settings (フォールオフ設定)

Falloff Mode

選択した水塊のフォールオフを、角度ベースまたは幅ベースから選択します。「Falloff Settings (フォールオフ設定)」を参照してください。

Falloff Angle

水塊がその下のテレインとブレンドされる角度。

Falloff Width

水塊のエッジからテレインまでのフォールオフの幅 (ワールド ユニット)。

Edge Offset

指定したフォールオフの提供が開始される前に、水塊のエッジに平坦なオフセットを適用します。これにより、水塊の周囲に平坦な海岸線を作成することができます。

ZOffset

テレインを形成する水面の高さに、Z オフセットを適用します。

Effects (エフェクト)

Blurring

ディスタンス フィールドの生成プロセスは、テクスチャの解像度に起因するエイリアシングから生じるアーティファクト (ピンチなど) を引き起こすことがあります。少量のぼかしが自動的に適用されますが、結果を改善するために手動で調整することができます。

  • Blur Shape: 発生する可能性のあるアーティファクトを避けるために、結果に少量のぼかしを適用します。これは、自動的に解決されない問題がある場合にのみ、無効にする必要があります。

  • Radius: [Blur Shape] が無効の場合、これを使用して、発生するぼかしの強さを調整します。

Curl Noise

提供されたスプラインにプロシージャルな歪みを加えます。カール ノイズの 2 つのオクターブが公開され、それぞれが、個別のタイリング パラメータと強度を含みます。デフォルトでは、量は 0 に設定されており、カール ノイズのエフェクトは無効になっています。[Curl Amount] と [Curl Tiling] を使用して、さまざまな量のプロシージャル ノイズを結果に適用できます。

Displacement

テクスチャを使用して、水塊にさらに詳細を追加します。

Smooth Blending

水塊の内側と外側のエッジにスムージング パラメータを適用します。プレイヤーの操作性を確保するため、近くのテレインにシームレスにブレンドするうえで役立ちます。

  • Inner Smooth Distance : テレインとブレンドするために、水塊に内側の距離 (ワールド ユニット) を適用します。

  • Outer Smooth Distance: テレインとブレンドするために、水塊に外側の距離 (ワールド ユニット) を適用します。

Terracing

これにより、水塊の影響を受けるテレイン領域に段丘が適用されます。指定したアルファ範囲を使用して、水の端から指定した距離だけ離れたところに段丘が生成されるようにマスクすることができます。段丘は、明確な段丘からスムーズな段丘にブレンドすることもできます。

  • Terrace Alpha: 段丘の最終的な適用に使用されるアルファ値。「0」を指定すると、段丘は無効になります。「0.5」を指定すると、段丘はオパシティ 50% にブレンドされ、「1」を指定すると、完全な段丘が表示されます。

  • Terrace Spacing: 段丘のレベル間の間隔 (ワールド ユニット)。

  • Terrace Smoothness: 段丘は関数で定義され、明確な段差やスムーズなカーブの段差を、直線的な勾配とブレンドすることがきます。「0」を指定すると明確な段丘になります。「0.5」を指定すると、丸みを帯びた段丘になります。値「1」を指定すると、段丘がなく、段丘のアルファ値が「0」の場合と同じ結果になります。

  • Mask Length: 段丘が水の端から指定した完全な強度になるまでのアルファ グラディエントを定義します。

  • Mask Start Offset : 段丘マスクが水塊のエッジから始まる距離のオフセット。

Layer Weightmap Settings

各水塊にはこの配列が含まれており、それぞれが任意の数のウェイト マップに影響を与えることができます。配列に追加された各アイテムは、ウェイト マップの適用方法を設定するためのもう 1 つの構造体を公開します。これらのコントロールにより、ブラシに作成されたディスタンス フィールドからカスタム グラディエントをマッピングしたり、テクスチャを使用して結果を分割したり、ノイズを追加したりすることができます。負のオパシティを設定すると、減算エフェクトを作成できます。

Affects Landscape

有効にすると、ランドスケープ テレインはそのテレインの上に配置される水塊に基づいて変形されます。また、ランタイム時に水深を決定する際には、ランドスケープの高さが考慮されます。

Blend Mode

[Blend Mode] では、水塊がその下に形成するランドスケープ テレインについて、異なる結果をもたらすモードを選択することができます。

[Alpha Blend][Min][Max][Additive] という名称のブレンド モードから選択することができます。

Alpha Blend Mode

Min Blend Mode

Max Blend Mode

Additive Blend Mode

Alpha Blend (アルファ ブレンド)

Min (最小)

Max (最大)

Additive (加算)

プロパティ

説明

Alpha Blend

高さマップの上方、下方の両方に影響します。

Min

ブラシがテレインを下げるのみに制限します。

Max

ブラシがテレインを上げるのみに制限します。

Additive

Z=0 の平坦なテレインを入力として、加算ブレンドを実行します。これは、下の層の詳細や傾斜を維持したい場合に役立ちます。

アルファ ブレンドは、テレインを下げたり上げたりすることで、水の高さに下の層が存在するようにできるため、ほとんどの水塊で使用する必要があるのは [Alpha Blend] のみです。

[Min] および [Max] オプションは、川と他の水塊を交差させて、一方の高さが他方に影響を与えないようにする必要がある場合に使用するのに適しています。たとえば、湖と交差する川は、湖で形成されたテレインの高さが川によって上昇するのを防ぐために、Min ブレンド モードを使用します。

Additive モードは、正確な値がランドスケープ テレインに書き込まれることが保証されないため、特に下の層の詳細を維持する必要がある場合に使用します。

Falloff Settings (フォールオフ設定)

[Falloff Settings] は、水塊によるカービングが既存のテレインとどのようにブレンドするかを決定します。これは、複数の方法でカスタマイズすることができます。

AngleWidth という名称の 2 つの フォールオフ モード から選択することができます。

角度ベースのフォールオフは、ランドスケープ テレインとの交差が生じるまで、指定した角度でオブジェクトを拡張します。幅ベースのフォールオフは、ランドスケープとの交差にかかわらず使用される固定幅を設定します。

Angle-based falloff

Width-based falloff

角度ベースのフォールオフ

幅ベースのフォールオフ

[Edge Offset] は、水塊の周りに平坦なエッジを適用します。これは、川が山を切り開いている場合でも、川の側面にある平らな海岸で役立つ場合があります。

Edge offset 0

Edget offset 1024

Edge Offset: 0

Edge Offset: 1024

Effects (エフェクト)

[Effects] 設定は、テレインのカービングの設定で役立つサブカテゴリです。この設定には、水塊の出力やランドスケープ テレインへのブレンド方法を調整するためのコントロールがあります。

Blurring (ブラー)

[Blurring] 設定は、ディスタンス フィールドの生成時に発生する可能性のあるアーティファクトを低減します。このようなアーティファクトは、テクスチャの解像度によるエイリアシングから生じます。少量のブラーが自動的に適用されますが、[Blur Shape] を無効にして [Radius] をカスタム設定することで、ぼかしの強度を調整することができます。

Blurring enabled

Blurring disabled

[Blurring] が有効 (デフォルト)

[Blurring] が無効

Curl Noise (カール ノイズ)

[Curl Noise] 設定は、水塊のスプラインにプロシージャルな歪みを加えます。カール ノイズの 2 つのオクターブを使用します。それぞれが、個別のタイリング パラメータと強度を含みます。デフォルトでは、カール ノイズは 0 に設定され、エフェクトは無効になっています。

以下の例では、異なる [Curl Amounts][Curl Tiling] が適用されています。

River water body without Curl noise.

River water body with Curl applied

カール ノイズが適用されていない川水塊。

カール 1 とカール 2 を使用した川水塊

Smooth Blending

[Smooth Blending] は、水塊の内側と外側のエッジのスムージング パラメータを提供します。これは、プレイヤーの操作性を確保するため、近くのテレインにシームレスにブレンドするうえで役立ちます。

以下の例では、[Inner Smooth Distance][Outer Smooth Distance] を大きく設定した場合のエフェクトを示しています。

No Smooth Blending

Inner Smooth Blending

Outer Smooth Blending

Inner and Outer Smooth Blending

スムース ブレンディングなし

内側のスムース ブレンディング

外側のスムース ブレンディング

内側と外側のスムース ブレンディング

Terracing

水塊の影響を受けるテレイン領域に段丘が適用されます。アルファ範囲を使用して、水の端から指定した距離だけ離れて段丘が生成されるようにマスクすることができます。段丘は、明確な段丘からスムーズな段丘にブレンドすることもできます。

以下は、スムーズさ、間隔、マスクのさまざまな段丘の値を適用した例です。

Examples of different terracing values.

[Mask Length][Mask Start Offset] を使用して、フォールオフ領域内で段丘が始まる位置を調整することができます。

Terracing mask length and start offset.

Wave (波)

[Wave] セクションは、選択した水塊の波を定義します。波が減衰する深さ、最大高さの境界を設定し、水塊の Gerstner 波のプロパティを制御するために使用する Water Waves アセットを指定できます。

Water Body Wave settings

[Wave (波)] カテゴリには、以下があります。

プロパティ

説明

Wave Attenuation Water Depth

波が減衰し始める (つまり、波の力が弱まる) 深さ。水深が浅いほど、波が大きく減衰します。このプロパティは、波が減衰し始める必要のある水深を決定します。「0」を指定すると、水深で波が減衰することはありません。

Max Wave Height Offset

この値は、自動的に計算された波の最大高さの境界にオフセットを追加します。このオフセットは、自動計算された最大高さの境界が波と一致しない場合に役立ちます。たとえば、水面がワールド位置オフセットまたは他の手段でマテリアルを使用して手動で変更された場合などです。

Waves Source

波を生成するためのアルゴリズムの選択肢を提供します。デフォルトのアルゴリズムは Gerstner Waves 用です。また、Gerstner Waves ソースを置き換える独自のウェーブ ジェネレーターを Water Wave アセット に割り当てることができます。

Water Waves Asset

[Waves Source]Water Waves Asset Reference に設定されている場合、カスタムの Water Wave アセット を割り当てます。

Rendering (レンダリング)

[Rendering] カテゴリでは、サーフェス マテリアルや水中ポストプロセス マテリアルなど、あらゆるマテリアルが水塊に適用されます。このセクションには、すべてのアクタとコンポーネントに共通のレンダリング プロパティも含まれています。

Water Body Rendering settings

以下のプロパティの表は、水関連のプロパティを示しています。

[Rendering] > [Advanced] カテゴリに該当するすべてのプロパティが表示されるわけではありません。表示されるのは、水塊に直接関係するプロパティのみです。

プロパティ

説明

Water Material

この水塊に割り当てられたウォーター マテリアルです。

Underwater Post Process Settings

この水塊に割り当てられた水中ポスト プロセス マテリアル。

Water Info Material

この水塊が水情報テクスチャにレンダリングされるマテリアル。

Water LOD Material

スタティックメッシュとしてレンダリングされたときに、この水塊が使用するマテリアル。ウォーター ゾーンで非テッセレーション LOD が有効になっている場合にのみ適用されます。

Water Mesh Override

水塊のデフォルト メッシュの代わりに使用するカスタム メッシュを設定します。

Overlap Material Priority

どちらの水塊にもトランジション マテリアルが割り当てられていない場合に、どちらの水塊のマテリアルを使用するかを決定します。値が大きい方が優先され、有効範囲は -8192 ~ 8191 です。

Custom Primitive Data Defaults

このプリミティブのカスタム プリミティブ データのオプションの値です。これらはユーザー定義です。

Visible

プリミティブを完全に描画するかどうかを決定します。無効な場合、プリミティブは描画されず、シャドウもキャストしません。

Actor Hidden in Game

有効にすると、アクタはエディタでのみレンダリングされ、ゲームではレンダリングされません。

Editor Billboard Scale

エディタ内のビルボード コンポーネントに適用されるスケールを設定します。

Advanced (詳細) プロパティ

Underwater Post Process Settings

以下の「水中ポスト プロセス設定」を参照してください。

Shape Dilation

水情報テクスチャの水塊のジオメトリを展開する距離。これにより、低解像度の水情報によって生じるアーティファクトを軽減することができます。

Always Generate Water Mesh Tiles

有効な場合、ウォーター メッシュは常にこの水塊のタイルを生成します。たとえば、「空」のウォーター タイルが実際に望ましいケースでは、ウォーター マテリアルが無効な場合でもウォーター タイルを生成するうえで役立つ可能性があります。

水塊には、独自のデフォルトのサーフェス マテリアルと水中ポストプロセス マテリアルがすでに割り当てられています。水塊で使用するために独自の ウォーター マテリアルを作成することもできますが、出発点としてデフォルトのウォーター マテリアルを使用することをお勧めします。

川水塊には、River to LakeRiver to Ocean のトランジション マテリアルのための 2 つの追加マテリアル割り当てスロットがあります。これらのトランジション マテリアルは、川がつながる先の他の水塊タイプにシームレスにブレンドすることができます。

Water Body Transitions Materials slots

以下は、トランジション マテリアルを使用して、川水塊が大洋水塊に流れ込む例です。

Water Body River transitions

Overlap Material Priority は、ウォーター タイルを生成する際に、その水塊に指定される優先順位を決定します。優先順位の値が高い方が優先されます。川水塊にトランジション マテリアルが適用されていない場合、このプロパティを使用して、重なっている水塊の優先順位が決定されます。

Underwater Post Process (水中ポスト プロセス) 設定

[Underwater Post Process Settings] は、カメラが水中に潜ったときにポストプロセスを適用する設定です。

Underwater Post Processing

プロパティ

説明

Enabled

この水塊で水中ポストプロセスを使用するかどうかを決定します。水中でのレンダリングが必要ない場合は、これを無効にする必要があります。

Priority

この水塊の水中ポストプロセスの優先度を指定します。水塊が重なっている場合は、最も優先度の高い水塊によって優先度の低い水塊がオーバーライドされます。同じ優先度の複数のボリュームが重なっている場合、順序は定義されません。

Blend Radius

ブレンドに使用する水塊の周囲の半径 (ワールド ユニット) を設定します。ボリュームがレンダリングされるトランジション領域を作成します。

Blend Weight

この水塊の水中ポスト プロセスが持つ影響の量。「1」の値を指定するとエフェクトが完全になり、「0」 の値を指定するとエフェクトがなくなります。

Post Process Settings

これらの設定は、水中ポスト プロセスの外観を定義します。水中ポスト プロセスには、ポストプロセス ボリュームにある設定の多くが含まれています。プロパティの定義と例については、「ポストプロセス エフェクト」を参照してください。

水塊排他ボリューム

水塊排他ボリュームを使用すると、あらゆる種類の水塊にキャビティを作成することができます。これにより、ゲームプレイで、あたかも水中ではないように操作できる水中ゾーンを作成することができます。たとえば、プレイヤーが通常どおり歩くことができる水中基地やトンネルを作ることができます。

ジオメトリ ブラシ と同様に、水塊排他ボリュームは [Place Actors (アクタを配置)] パネルを使用して配置することができます。レベル エディタの [Mode (モード)][Brush Editing (ブラシ編集)] に設定されている場合、ボリュームの形状を編集することができます。

水塊除外ボリュームを機能させるには、どの水塊を無視するかを設定する必要があります。これを行うには、[Exclude All Overlapping Water Bodies] を選択するか、[Water Bodies to Exclude] 配列に無視する水塊を追加します。

Water Body Exclusion properties

プロパティ

説明

Exclude All Overlapping Water Bodies

これを有効にすると、除外ボリュームの境界内に視覚的に表示されるすべての水塊を除外します。これにより、ウォーター データ クエリが失敗し、要求された場所がすべての水塊の水の外と見なされます。

Water Bodies to Exclude

この水塊除外ボリュームで除外することを指定した水塊の配列リスト。これにより、すべての Water Data Query が失敗し、要求された場所がリストされたすべての水塊の水の外と見なされます。

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