IK リグ エディタ

目標、ソルバ、設定を使用してカスタム KI リグを作成します。

IK リグ エディタ では、IK リグおよびキャラクターのリターゲティングをセットアップします。このエディタを使用すると、さまざまなソルバの作成、ボーン設定の調整、結果のプレビューを行うことができます。

このページでは、このエディタの概要および IK リグ アセットを作成する方法の概要について説明します。

前提条件

IK リグを作成する

IK リグの作成を開始するには IK リグ アセット を作成する必要があります。それを作成するには、コンテンツ ブラウザ にある + をクリックして、[Animation (アニメーション)] > [IK Rig (IK リグ)] を選択します。開いたダイアログ ウィンドウで、IK リグの作成対象とするスケルタル メッシュを選択します。

create ik rig

スケルタル メッシュを選択すると、IK リグ アセットが作成されます。コンテンツ ブラウザ でそれをダブルクリックして開きます。

エディタと機能の概要

IK リグエディタには以下のツールとオプションがあります。

ik rig editor

  1. [Reset (リセット)] ボタンをクリックすると、IK 目標 がデフォルト位置にリセットされます。

  2. [Hierarchy (階層)] には、ボーン、IK 目標、および設定が表示されます。

  3. [Solver Stack (ソルバ スタック)] には、このスケルタル メッシュで使用されている IK ソルバ が表示されます。

  4. ビューポート では、ボーンを選択し IK 目標を操作して、IK の動作をプレビューできます。

  5. IK Rig Output Log は、IK リグのデバッグ情報を表示します。リグの現在の状態を示す警告やエラーが表示されます。

  6. [Details (詳細)] パネルには、選択されている項目のプロパティが表示されます。[Preview Scene Settings (プレビュー シーン設定)] では、アンビエント ビューポート環境 (ライティング、背景など) を変更できます。

  7. [Asset Browser (アセット ブラウザ)] には、効果をテストするために IK 動作とともにプレビューできる、アニメーション シーケンス のリストが表示されます。[IK Retargeting (IK リターゲティング)] では、IK リグを使用してキャラクターを リターゲティング している場合に、IK リターゲティング アセットで使用するボーン チェーンを指定します。

IK 目標

IK 目標は、IK チェーンの操作ポイントおよびエフェクター ポイントであり、IK リグ エディタで作成します。IK 目標を ソルバ と併用して、目標位置に到達するように入力ポーズを変更します。

IK 目標を作成するには、まず、作成する IK チェーンでエンド ボーンを選択します。腕や脚に沿って IK を作成している場合は通常、手や足のボーンを選択します。

create ik goal

[Hierarchy] パネルにあるボーンを右クリックして [New IK Goal (IK 目標の新規作成)] を選択します。使用している IK リグにソルバが存在しない場合は、新しい目標に関連付けるソルバを選択できるダイアログ ウィンドウが開きます。一般的な IK 設定では、IKRig_LimbSolver を選択して [OK] をクリックします。

new ik goal

目標およびソルバ特有の設定が作成されて、ビューポートと [Hierarchy] パネルに表示されます。

Goal2b.png

ゴールとソルバ固有の設定が作成され、ビューポートと階層に表示されるようになりました。

ik goal

IK 目標のプロパティ

IK 目標を選択すると、以下のプロパティが [Details] パネルに表示されます。

ik goal details

名前

説明

Goal Name

IK 目標オブジェクトの名前。

Bone Name

IK 目標がエフェクターとして機能する対象となるエンド ボーンの名前。

Position Alpha

この IK 目標が IK チェーンに及ぼす平行移動の影響。

position alpha

Rotation Alpha

この IK 目標が IK チェーンに及ぼす回転の影響。

rotation alpha

Preview Mode

[Additive (加算)] または [Absolute (絶対)] のいずれかのモードで目標をプレビューします。[Additive] は、入力アニメーション基準とした IK 動作を行う場合に使用し、[Absolute] では、チェーンに沿ってすべての入力アニメーションがオーバーライドされます。

preview mode

Transforms

選択されている IK 目標の現在のトランスフォーム情報が入っています。

Size Multiplier

ビューポート設定 での基本サイズ基準とした IK 目標のサイズに乗算します。人間以外の大型のキャラクターを使用している場合は、この値を大きくします。

size multiplier

Thickness Multiplier

ビューポート設定 での基本太さを基準とした IK 目標のラインの太さに乗算します。[Size Multiplier] を大きくしている場合は、この値を大きくすることをお勧めします。

thickness multiplier

Expose Position

アニメーション ブループリント での IK 目標の位置に影響を及ぼすように、IK Rig Animation Blueprint ノード の Position ピンを公開します。

Expose Rotation

アニメーション ブループリントでの IK 目標の回転に影響を及ぼすように、IK Rig Animation Blueprint ノード の Rotation ピンを公開します。

ソルバ

ソルバ と呼ばれるさまざまな IK 動作を IK リグに追加できます。ソルバを使用すると、3 つのボーンのシンプルなチェーンからフルボディでマルチリムの IK システムまで、多彩な IK エフェクトを作成できます。

追加できるさまざまなソルバの詳細およびそれらを IK リグで使用する方法については、「ソルバ」ページを参照してください。

TopicIcon.png

ソルバ

ソルバを使用して、さまざまな種類の IK リグのセットアップを作成します。

ソルバを使用して、さまざまな種類の IK リグのセットアップを作成します。

ビューポート設定

IK リグ エディタで何も選択されていない場合、[Details] パネルには以下のビューポート設定が表示されます。

ik rig viewport settings

名前

説明

Preview Skeletal Mesh

IK リグを実行するためのスケルタルメッシュ。割り当てられたスケルタルメッシュを変更することができ、IK リグシステムはその置き換えで動作するように試みます。新しいスケルタルメッシュが互換性のないボーン名や階層を含んでいる場合、IK リグは機能しません。 非互換性の詳細については、IK Rig Output Log を参照してください。

Draw Goals

ビューポートで IK 目標を表示または非表示にします。

Goal Size

IK 目標の基本サイズ。

Goal Thickness

IK 目標の基本太さ。

IK リグの例のセットアップ

Unreal Engine でよくある IK のユースケースは、起伏のあるテレインに合わせて足のアライメントを制御することです。そうするには、キャラクターの足と臀部を操作する必要があります。以下の例では、この IK リグ システムをヒューマノイド キャラクター用にセットアップする手順を説明します。

ソルバを作成する

まず、新しいソルバを作成します。そうするには、[Solver Stack] パネルにある [Add New Solver (新規ソルバを追加)] をクリックして、以下のソルバを追加します。

  • Set Transform

  • Limb IK

  • Limb IK をもう一つ

add new solver

ソルバはその横に表示されている番号に従って順番に実行されるので、ソルバを追加する順序は重要です。この IK システムでは、Limb IK が最後に評価されます。

[Solver Stack] パネル内でソルバをドラッグすると、必要に応じて順序を変更できます。

change solver order

目標を作成する

この IK システムでは複数のソルバ タイプが使用されているため、各ソルバに対して IK 目標 を作成する必要があります。そうするには、骨盤と足のボーンを選択し、それらを右クリックして [New IK Goal (IK 目標の新規作成)] を選択します。目標はそれぞれのボーンの位置に作成されます。

create ik goal

オプションとして、目標がビューポートでより目立つように目標を調整することもできます。そうするには、目標を選択し、その Size MultiplierThickness Multiplier プロパティを編集します。

ik goal size

目標をソルバにつなぐ

IK 目標がソルバのエフェクターとして機能するためには、それぞれの IK 目標がソルバにつながれている必要があります。

そうするには、ソルバIK 目標 の両方を選択した状態で、目標を右クリックして [Connect Goal to Selected Solver (選択されているソルバに目標をつなぐ)] を選択します。

connect goal to selected solver

それぞれの目標とソルバに対してこの操作を繰り返して、すべての目標をそれぞれのソルバにつなぎます。

connect goal to selected solver

ソルバのルートを設定する

一部のソルバ (Limb IK など) では、目標ルート の両方を指定する必要があります。ルートは通常、IK チェーンの開始ボーンです。この例では、thigh (大腿部) がルートになります。

ソルバのルートを設定するには、ソルバボーン の両方を選択した状態で、ボーンを右クリックして [Set Root Bone on Selected Solver (選択されているソルバにルート ボーンを設定)] を選択します。

set root bone on selected solver

両方の Limb IK ソルバに対してこの操作を繰り返して、両方のソルバでそれぞれの大腿部ボーンをルートに設定します。

set root bone on selected solver

最終結果

これで、IK 目標を選択して操作することによって、IK システムをビューポートでプレビューできるようになりました。[Reset] をクリックすると、目標が初期状態に戻ります。

ik rig setup

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