色対応表 (LUT) によるカラー グレーディング

Unreal Engine で色対応表を作成および使用してカラー グレーディングを行う方法を説明します。

ColorGrading_Overview.png

色対応表 (LUT) は Post Process Volume を使った色補正に使用することができます。1D の色対応表を 3 つ使用する代わりに、 3D の色対応表を 1 つを利用することにしました。これにより、 さらに繊細なカラー変換が行えるようになり、デサチュレーションなどにも使用できるようになりました。

Neutral LUT

Sepia Tone LUT

ニュートラルな LUT

セピアトーンの LUT

Unreal Engine で使用する色対応表は、256x16 テクスチャにアンラップされた 16x16x16 のニュートラルな LUT です。こちらはニュートラルな LUT セピアトーンの LUT の例です。ニュートラルな LUT を適用すると、Unreal Engine のデフォルト シーンには何も変化がありませんが、セピアトーンの LUT を使用すると、このようになります。

Color Neutral LUT

Sepia Tone LUT

LUT テクスチャの使用方法

LUT を使用するには、使用するポストプロセスボリュームに LUT テクスチャを割り当てて強度を調節する必要があります。

プロパティ

説明

Color Grading LUT Intensity

色補正のエフェクトを制御するスケーリング係数です。

Color Grading LUT

色補正の色対応表として使用する LUT テクスチャです。

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Neutral LUT

Greenish LUT

Reddish LUT

独自の LUT テクスチャの作成方法

独自の LUT テクスチャを作成するには、キャプチャ イメージに対してカラー調節を行うことができる画像編集アプリケーション (Photoshop や GIMP) が必要になります。このデモでは、 [Learn (ラーニング)] タブからエピック ゲームズ ランチャーを起動して利用できる Sun Temple プロジェクトを使います。また LUT 画像編集用アプリケーションには Photoshop を使います。この例の中には、 Photoshop 特有の単語が出てくると思います。

  1. Unreal Engine プロジェクトで、色補正を適用したいシーンの代表となるスクリーンショットを最低 1 枚撮ります。エディタの Screenshot ツール を使って シーンの高解像度の画像をキャプチャすることができます。

    LUT1.png

  2. Photoshop でキャプチャしたスクリーンショットを開いて、右側の [Layers] パネルの上にある [Adjustments] タブから 独自の Adjustment Layers を追加していきます。ここには、輝度、コントラスト、色合い、サチュレーションなど、画像に適用可能な各種変更の種類を表す様々なアイコンがあります。

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  3. [Adjustments] パネルからアイコンをクリックして、[Layer] パネルにレイヤーを追加します。これらを使って最終画像で詳細な色補正を行うことができます。この例では、 VibranceBrightness/Contrasts を追加および調節しています。[Layers] パネルに追加したら、リストからそれらを選択してプロパティを公開します。 表示されない場合は、右クリックして [Edit Adjustment (調節を編集)] を選んで公開します。

    LUT3.png

  4. 調整個所はビューポートに表示されます。希望する色に補正されるまで、[Adjustment] レイヤーのプロパティを調節します。以下の例では、 キャプチャしたスクリーンショットの色彩度と定義を増やして、視覚的にさらに魅了的になるように [Vbrance] と [Brightness/Contrast] を調節しています。

    前

    後

  5. [Adjustment] レイヤーを使って外観を希望どおりにしたら Neutral Color LUT のコピーをその上で開きます。スクリーンショット用に作成した調節レイヤーはニュートラル カラーの色対応表の上にドラッグすることができます。

    Neutral Color LUT を使用できない場合、このページの冒頭にある画像 RGBTable16x1.png を使うことができます。

    調節レイヤーおよび Neutral Color LUT と一緒にスクリーンショットを開いて、[Screenshot Layers] パネルから [Adjustment] レイヤーを Neutral Color LUT 画像上に ドラッグ アンド ドロップ します。LUT のレイヤー パネルに追加されたことが確認できます。

  6. 次に [File] > [Save As] で色補正を行った新しい LUR に名前を付けます。

  7. Unreal Engine において、コンテンツ ブラウザで ドラッグ&ドロップ メソッドを使用、あるいはコンテンツ ブラウザの [Import] ボタンを使って、色補正を行った LUT をエディタにインポートします。

    LUT5.png

  8. Post Process Volume で LUT を使用する場合は、テクスチャ エディタで LUT を開いて以下のプロパティを設定すると、仕上りが良くなります。

    LUT6.png

    • Mip Gen Settings:NoMipMaps

    • Texture Group:Color Lookup Table

  9. 次に Post Process Volume で [Details] パネルの [Color Grading] > [Global] セクションで [Color Grading LUT] を有効にして LUT を適用します。

    LUT8.png

    Default

    With Created LUT

追記

プロジェクトで LUT を使用する際には以下の点に注意してください。

  • LUT は、色補正をトーン マッピングの前に行うように処理する High Dynamic Range (HDR) とは異なり、 Low Dynamic Range (LDR) 内および RGB 空間のモニターに出力される最終画像の色になります。つまり、ディスプレイがサポートしているものに間に合わせているスナップショットなので、出力先のすべてのディスプレイ上で必ずしも同じに見えるわけではありません。このため、Unreal Engine 4.16 以降で利用できる最新の カラー グレーディング 色補正ツールを LUT の代わりに使用することを推奨します。

  • LUT は使用中のディスプレイ上でプロジェクトを特定の外見に簡単にできる点では便利ですが、Post Process Volume の [Color Grading] セクションにある色補正プロパティを使えば、様々なタイプのディスプレイで確実に同じ外観を出すことができます。

  • 色補正は HDR ディスプレイでは反映されないため、LUT を使用すると整合性は維持されません。Post Process volume の Color Grading プロパティはすべて Scene Referred Linear Space と呼ばれるものにおいて機能します。つまり、色に整合性があるのは、トーン マッピングが行われる前で、指定されたディスプレイの色空間への変換前だからです。例えば、sRGB ではなく Rec709 を使用しているテレビへ出力する場合、LUT を使っていると色補正が引き継がれません。これは、画像がディスプレイへ既に出力された後で色補正が行われているからです。このような理由から、LUT は色補正による画像処理方法としてはあまり使用されません。

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