Unreal Engine (UE) を学生や教職員に提供している教育機関 (大学や専門学校) のユーザーから聞かれる最も多い質問の 1 つは、Unreal Engine へアクセスするために使用する教育機関のアカウントを公開せずに UE4 を学校のコンピューターに配布する方法についてです。このページでは、教育機関の環境に UE をインストールする方向けに、デプロイの自動化機能の利用方法を説明します。
UE とコンテンツをインストールする
通常、教育機関では、コンピューター室や教室などにある複数のコンピューターに UE をインストールします。現時点では、UE のサイレント インストーラー (1 ステップでインストールできるもの) は提供していないので、教育機関の環境では、インストーラーを各マシンで少なくとも 1 回は手動で実行する必要があります。Epic Games では、デプロイ プロセスの一部を自動化しました。インストール マシンをミラーリングしたり、教室内のコンピューターそれぞれでインストーラーを手動で実行したりするよりも、自動化したプロセスをご利用ください。
教育機関の環境で UE をインストールする手順を説明します。
ランチャを使用する
学校のネットワークがプロキシ サーバーの背後にある場合、GitHub にある UE4 のビルドを使用するのがベスト プラクティスとなります。Epic Games Launcher は、通常はプロキシ サーバーの背後では動作しません。Epic Games Launcher をプロキシ サーバーの背後で利用したい場合は、ご自身の組織内の IT 部門に連絡して、ポート 7777 または 7778 を開放するように依頼してください。ただし、プロキシ サーバーの背後では、これらのポートを開放しても Epic Games Launcher の起動やアップデートができない場合があります。
次のリンクから最新のインストーラーをダウンロードします。
画像を作成するマシン上で インストーラーを実行 します。
インストーラーの処理が完了すると、Epic Games Launcher が自動的に実行され、Epic Games アカウントの認証情報でログインできます。
Unreal Engine サイドバー オプションを選択して、UE 最新バージョンのダウンロードとインストールを開始します。
次に上部にある [Library (ライブラリ)] タブに移動します
[Engine Versions (Engine バージョン) (+)] ボタンをクリックします。
ドロップダウン のリストから、ダウンロードするエンジンのバージョンを選択します。この例ではバージョン [5.0.1] を選択します。
最後に [Install (インストール)] ボタンをクリックして、インストーラーのプロンプトに従うと、Unreal Engine 5.0.1 がマシンにインストールされます。
インストラクターが Epic が提供する学習用サンプルをカリキュラム内で使用する場合もあります。 Lyra Starter Game サンプルをゲーム デザイン用の教材ツールとして使用する場合を想定しましょう。Lyra をダウンロードするには、[Samples (サンプル)] タブ (1) を選択し、Lyra Starter Game (2) をクリックする必要があります。
Lyra Starter Game の [Content Detail (コンテンツ詳細)] メニューで、[Free (無料)] ボタンをクリックしてコンテンツにアクセスできるようにします。EULA (エンドユーザーライセンス契約書) のウィンドウが表示されます。
学習用サンプルをダウンロードする前に、[Content Detail (コンテンツ詳細)] のメニューで [Supported Platforms (サポートされたプラットフォーム)] と [Supported Engine Version (サポートされたエンジンバージョン)] のセクションをご確認ください。新しいリリースがデプロイされると、これらの欄は更新されます。
EULA に同意すると、ボタンが [Create Project (プロジェクトを作成する)] に変わります。クリックしてプロジェクトの設定を開始します。
プロジェクト名、インストール フォルダ、エンジンのバージョン を指定してから、[Create (クリエイト)] ボタンをクリックします。
Lyra Starter Game がインストールされると、[Library (ライブラリ)] - [My Projects] メニュー内に表示されます。[Vault (マイダウンロード)] で新しいプロジェクトを作成することもできます。
[Library (ライブラリ)] - [My Projects (マイプロジェクト)] メニュー内にプロジェクトが自動的に作成されていたら、それらを削除してください。
Epic Games Launcher によって自動的に作成されたプロジェクトを削除しないと、マシンを共有して同じプロジェクトを使用するユーザーの間で問題が生じることがあります。これには、前の例で作成された Lyra Starter Game プロジェクトが含まれますが、Vault で引き続き使用することができます。
自動的に作成されたプロジェクトをすべて削除したら、このマシンの設定を教室内のほかのコンピューターにミラーリングできます。または、このマシンのイメージを保存して、コンピューター室のコンピューターに配布できるようにすることができます。
GitHub の利用
次に示すページに順番のとおりにアクセスして、GitHub を使って UE をダウンロード、インストール、アップデートする方法をご確認ください。
アップデートの実行
UE をインストールしたら、エンジンといくつかの無料のコンテンツを教育機関の環境で使用する準備ができています。しかしながら、アップデートについて計画しておくことも重要です。UE の新バージョンや新しいコンテンツがリリースされたときには、アップデートをミラーリングしたり、新しいコンテンツに関連するファイルをコピーしてプッシュすることでマシンにインストールしたりすることができます。その手順はスクリプトで自動化できます。
以降のセクションを読み進めて、教育機関の環境で UE とエンジンのコンテンツをアップデートする方法をご確認ください。
ランチャーを使用する
中心となるマシンで Epic Games Launcher を開き、[Library (ライブラリ)] メニューを開きます。
[Engine Versions (Engine バージョン) (+)] ボタンをクリックします。
Epic Games Launcher によって UE の最新バージョンがダウンロードされたら、ミラーリング元をアップデートできます。
Epic Games Launcher を使わずにアップデートするには、次のセクションで、UE があるラボ マシンにアップデートをコピーする方法を確認してください。
UE とコンテンツをコピーする
次のディレクトリをベース マシンからアップデート対象のすべてのマシンにコピーします。
(Local Directory)\Epic Games\Launcher\VaultCache
[Local Directory]\Epic Games(Engine Version)
C:\Program Files (x86)
フォルダにインストールされる場合もあります。特定のバージョンをコピーするには、たとえば 5.0 であれば、
C:\Program Files (x86)\Epic Games(Engine Version)
をコピーします。あるいは、ワイルドカード文字 (*) を使って、エンジンのあらゆるバージョンを対象にコピー処理を自動化することもできます。その場合は、C:\Program Files (x86)\Epic Games\*
となります。
アップデート対象のすべてのマシンで次のディレクトリを作成します。[ローカルのドライブ文字]:\ProgramData\Epic\EpicGamesLauncher\Data\Manifests`
最近エンジンをダウンロードしたと想定して、ダウンロードしたなかで最も新しい
.item
ファイルを[Local Drive Letter]\ProgramData\Epic\EpicGamesLauncher\Data\Manifests` からマシンのローカルのマニフェスト ディレクトリ (直前の手順を参照) にコピーします。マニフェスト ファイルは次のようなファイル名になります。`~\Manifests\6CB2FA12345680D212345678B525AE86.item
ダウンロードしたなかで最も新しいマニフェストをコピーしたことを確認するために、マニフェスト ファイルをテキスト エディタで開いて「
"AppName"
」と検索します。
これらの手順の実行後、ユーザーが Epic Games Launcher を実行すると、アップデートが自動的に検出されます。ここまでの手順は、エンジンの新しいバージョンについても、マーケットプレイスからダウンロードしたコンテンツについても利用できます。
Epic Games Launcher によるアップデートの自動検出を無効にする方法については、次のセクションをご覧ください。
自動アップデートの無効化
デフォルトでは、Epic Games Launcher は起動処理の一環としてアップデートを自動確認します。Epic Games Launcher のアップデートのために授業の時間を使われないようにするには、以降の手順を実行します。
[EpicGamesLauncher - Shortcut (EpicGamesLauncher - ショートカット)] を右クリックして、Epic Games Launcher のコンテキスト メニューを開きます。
[Properties (プロパティ)] を選択してファイルの [Properties (プロパティ)] ウィンドウを開きます。
[Shortcut] タブで [Target: (リンク先)] プロパティを選択して、末尾に
-noselfupdate
コマンドを追加します。
授業時間のあとには、Epic Games Launcher のアップデートを有効に戻すことを忘れないでください。
学生向けのベスト プラクティス
学生による UE5 (またはダウンロードしたコンテンツ) の利用に何らかの影響が及ぶシナリオがあります。たとえば、学校がセキュリティ (またはリソース) 確保のために、定期的にコンピューターのデータを消去することがあります。これは学生の授業中の進捗に関わる可能性があります。そのような状況に置かれた学生を支援するために、ここでは、教育機関の環境で UE を使用する際に学生が直面する可能性がある一般的なシナリオについて、ベスト プラクティスを集めました。
ネットワーク障害の発生時
ネットワーク障害が発生した場合、サインイン時に [Continue in Offline Mode] オプションを選択することでランチャーを起動することができます。
オフライン モードでサインインすると、UE、自分のプロジェクト、以前にダウンロードしたコンテンツにアクセスできます。
メモリ ワイプを準備する
学校のポリシーとして、コンピューター (またはドライブ) を定期的にワイプ (消去) して学生のコンピューターをベース イメージに戻すようになっている場合、学生は、各自の作業をワイプされないディレクトリに保存する必要があります。
たとえば、学生がライブラリ タブのマイダウンロードから、新しい Lyra Starter Game プロジェクトを作成するとします。
新しいプロジェクトを作成する際、学生は、コンピューターにイメージが再適用されるときに削除されないフォルダ (またはサンドボックス ドライブなどのネットワーク ディレクトリ) を指定する必要があります。
学校のポリシーで許可されていれば、学生は Epic Games Launcher を使用して追加のコンテンツをダウンロードできますが、ダウンロードされたコンテンツは、ミラーリングされたドライブ以外の場所に保存しておかないと、イメージの再適用の際におそらくワイプされることがあります。