Android SDK および NDK を設定する

Unreal Engine 向けの Android 開発環境を設定する方法を説明します。

参照

Unreal Engine は、Android Native Development Kit (NDK) を含む、重要なすべての Android 開発コンポーネント用に Android Studio とともに配布される Android Software Development Kit (SDK) を使用します。本ページでは、Android Studio を設定し、これらのコンポーネントを Unreal Engine が正確に認識するように、段階的に説明します。また、NDK インストールと初期のエンジン ビルド管理に対するトラブルシューティングも紹介します。

すべての前提条件が満たされる前に SetupAndroid スクリプトを実行しようとすると、必要な SDK コンポーネントを見つけることができません。そのため、Android SDK のインストールに関するトラブルシューティングを行う場合は、セットアップ プロセスが記載された順序に沿って実行されているかどうかによって対処が異なるため、このページ全体を確認してください

2023年2月に Android SDK Command-line Tools が更新されたため、Unreal Engine 4.27 ~ 5.1 のユーザーは、このチュートリアルで使用する SetupAndroid スクリプトを編集する必要があります。このドキュメントは、UE 5.3 以降を対象としています。問題が発生した場合は、Unreal Engine のバージョンのドキュメントを参照してください。

推奨される設定

Unreal EditorEpic Games Launcher を両方とも終了し、NDK コンポーネントのインストールまたはエンジン用の環境変数設定に問題のないことを確認してください。

Unreal Engine の以前のインストールもサポートする必要がある場合は、「SDK パスを手動で指定する」セクションを参照してください。お使いのバージョンの Unreal Engine に必要な NDK バージョンについては、「Android 開発要件」ページで確認できます。

Unreal Engine 5.3 以降のバージョンでは、JDK のインストールに jbr (OpenJDK 17) を使用しますが、UE 5.2 以前のバージョンでは jre (Java 1.8) を使用します。つまり、以前のインストールした Android Studio インストールをアンインストールすると jre が失われ、UE 5.2 以前のバージョンでエラーが発生する可能性があります。 UE 5.2 以前のバージョンをサポートする必要がある場合は、操作を進める前に、jre ディレクトリの場所を特定して、Android Studio ディレクトリ外の任意の場所にコピーして、jre が失われないようにします。その後、お使いの Unreal Engine の旧バージョンでこのフォルダを手動で指定することができます。詳細については、「SDK パスを手動で指定する」を参照してください。

Android Studio をインストールする

必要な SDK コンポーネントと NDK コンポーネントをコンピュータに設定する前に、Android Studio をインストールする必要があります。

現在使用している Unreal Engine のバージョンとの互換性がある Android Studio と NDK のバージョンに関する情報は「Android の開発要件」を参照してください。

  1. ウェブ ブラウザで Android Studio Archive に移動します。[Android Studio Flamingo | 2022.2.1 Patch 2 May 24, 2023] までスクロールします。ドロップダウンを展開し、使用するオペレーティング システムに適切なインストーラまたは zip ファイルをダウンロードします。

    Select Android Flamingo 2022.2.1 Patch 2 May 24 2023 on the Android Studio archive page

  2. Android Studio installer を実行します。[Android Studio Setup (Android Studio 設定)] ダイアログ ボックスの [Next (次へ)] をクリックして操作を続けます。

  3. [Choose Components (コンポーネントを選択)] ダイアログで、デフォルト コンポーネントは有効のままにします。[Next (次へ)] をクリックして操作を続けます。

  4. [Install Locations (インストール場所)] ダイアログで、インストール場所がデフォルトに設定されていることを確認します。[Next (次へ)] をクリックして操作を続けます。

    カスタムのインストール場所を選択した場合、最初に編集しない限りは SetupAndroid はファイルを検索することはできません。デフォルトのインストール場所を保持することを強くお勧めします。

  5. [Choose Start Menu Folder (スタート メニュー フォルダを選択)] ダイアログで、[Install (インストール)] をクリックしてインストール プロセスを開始します。

  6. インストールが完了したら、[Next (次へ)] をクリックしてコンポーネントの設定を開始します。

  7. コンポーネントを設定するときに [Start Android Studio] ボックスにチェックが入っていることを確認し、[Finish (終了)] をクリックしてインストーラを終了します。

Android Studio を設定する (初回ユーザーの場合)

Android Studio のインストールを初めて行う場合は、以下の手順に従います。

  1. [Data Sharing (データ共有)] ダイアログが表示されたら、使用統計を Google に送信するかどうかを選択します。これはオプションであるため自由に選択できます。どちらを選択しても次のステップに進みます。

  2. [Welcome to Android Studio (Android Studio へようこそ)] ダイアログで、[More Actions (他のアクション)] ドロップダウンをクリックし、SDK Manager をクリックします。

    The Welcome to Android Studio dialog. The SDK Manager option is highlighted in the More Actions dropdown.

  3. [Android SDK] システム設定で、[Android SDK Location (Android SDK の場所)] の隣にある [Edit (編集)] ボタンをクリックします。

    Edit the Android SDK Location

  4. [SDK Components Setup (SDK コンポーネントの設定)] ダイアログで、必要なコンポーネントがすでに選択されています。[Next (次へ)] をクリックして、インストールします。

    Installing the SDK Components

  5. [Verify Settings (設定を確認)] ウィンドウで、[Next (次へ)] をもう一度クリックしてインストールを続行します。

  6. インストールが完了したら、[Finish (完了)] をクリックします。

  7. [Settings (設定)] メニューで、[SDK Tools (SDK ツール)] タブをクリックします。これにより、オプションのコンポーネントのリストが表示されます。

  8. [Show Package Details (パッケージの詳細を表示する)] ボックスをオンにすると、利用可能な SDK コンポーネントをすべて表示します。

  9. [Android SDK Command-line Tools (latest)] チェックボックスをオンにします。[Apply (適用)] をクリックして、このコンポーネントをダウンロードしてインストールします。

    Installing Android SDK Command-Line Tools

  10. [OK] をクリックして、ウィンドウを閉じ、[Welcome] ダイアログを閉じます。

OS で Android Studio のインストールを最終確定する

ここまでの手順をすべて完了したら、先に進む前に、環境が完全にセットアップされていることを確認するためにインストールを最終確定する必要があります。オペレーティング システムごとにインストールの最終確認のステップは異なります。

オペレーティング システム

必要なアクション

Windows

コンピュータを再起動します。

Linux

ターミナル ウィンドウを閉じて再度開きます。

macOS

ターミナル ウィンドウを閉じて再度開くか、ログアウトして再度ログインします。

環境変数をリセットまたは確認する

このセクションの手順は、主に、環境変数をリセットする必要のある UE 5.2 以前から UE 5.3 以降に移行するユーザーを対象としています。UE および Android Studio を新規にインストールする場合は、次のセクションに進みます。

これは、デバッグに AGDE を使用しているユーザーにとっては特に重要です。UE と AGDE は両方とも jbr ディレクトリをターゲットにしており、個別の環境変数は必要ないためです。

  1. コンピュータの [System Properties (システム プロパティ)] を開きます。

  2. [Environment Variables (環境変数)] ボタンをクリックします。

  3. AGDE_JAVA_HOME という環境変数がある場合は、削除します。Unreal Engine と AGDE の両方が同じ Java バージョンを使用するようになったため、この変数は不要になりました。

  4. 次の環境変数をリセットまたは確認します。

    環境変数

    予測値

    JAVA_HOME

    C:\Program Files\Android\Android Studio\jbr

    ANDROID_HOME

    C:\Users(Username)\AppData\Local\Android\Sdk

    NDK_ROOT

    C:\Users(Username)\AppData\Local\Android\Sdk\ndk(NDK Version Number)

    NDKROOT

    C:\Users(Username)\AppData\Local\Android\Sdk\ndk(NDK Version Number)

    (Username) を自分のユーザー名に、(NDK Version Number) を自分のインストールに必要なバージョン番号のディレクトリ名に置き換えます。

    簡単に修正するには、環境変数を削除します。これらは後続のステップで SetupAndroid スクリプトによって置き換えられます。

以前のバージョンの Unreal Engine をサポートする必要がある場合は、現在および今後のバージョンの Unreal Engine との互換性を維持するために、上記の手順を実行することをお勧めします。以前のバージョンの Unreal Engine のパスを維持するには、[Project Settings (プロジェクト設定)] を編集して、Android SDK、NDK、および JDK の各バージョンの SDK パスを手動でターゲットに設定することをお勧めします。詳細については、以下の「SDK パスを手動で指定する」を参照してください。

SetupAndroid スクリプトを実行する

必要な Android SDK コンポーネントがインストールされると、SetupAndroid スクリプトを使って Android NDK の適切なバージョンのダウンロードおよびインストールが可能になります。

  1. Engine/Extras/Android」ディレクトリを開いて、使用しているオペレーティング システムに適した以下の SetupAndroid スクリプトを実行します。

    • SetupAndroid.bat – Windows

    • SetupAndroid.command – Mac

    • SetupAndroid.sh – Linux

  2. スクリプトから Android SDK ライセンス契約に同意するように促されます。「Y」と入力して Enter を押して同意します。

  3. インストールが完了したら、キーをどれか押してコマンド プロンプトを終了します。

  4. すべての変更を反映させるためにコンピュータを再起動します。

NDK のインストール ディレクトリは「C:/Users/[Username]/AppData/Local/Android/SDK/ndk/」です。ここで、[Username] はコンピュータへのログイン名です。この場所で必要な NDK バージョンを含むフォルダを確認できます。

SDK パスを手動で指定する

問題に遭遇することなく前述の手順を実行すると、Uneal Engine が自動的に Android SDK、現在の Android NDK バージョン、Java Development Kit (JDK) の SDK パスを関連づけます。ただし、Unreal Engine の旧バージョンと Android Studio を使用している場合、互換性を確保するために SDK パスを手動で指定する必要があります。UE 5.0、5.1、5.2 から UE 5.3 以降に移行する場合は、ほとんどの場合、この作業が必要になります。

SDK パスを検索するは、[Edit] > [Project Settings] を開いて、[Platforms] > [Android] > [Android SDK] セクションを選択します。

Configure Manual SDKs in Project Settings/Platforms/Android/Android SDK in Unreal Editor

これらのフィールドがブランクのままの場合、前のセクションでのインストール プロセスで使用されたデフォルト パスにフォールバックします。これらのコンポーネントを複数インストールする、または非標準のディレクトリにインストールした場合は、それらのパスをここで手動で指定することができます。または、BaseEngine.ini を開いて [/Script/AndroidPlatformEditor.AndroidSDKSettings] セクションにそれらを指定できます。

   [/Script/AndroidPlatformEditor.AndroidSDKSettings]
    SDKPath = (Path="C:\Filepath")
    NDKPath = (Path="C:\Filepath")
    JDKPath = (Path="C:\Filepath")

SDKPath、NDKPath、JDKPath へのエントリが BaseEngine.ini に存在しない場合、Android ホーム ディレクトリへのデフォルト パスを使用します。

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