Automotive Materials パック

Automotive Materials パックに含まれるアセットの内容と使用方法を説明します。

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Unreal Engine マーケットプレイスで配布されている Automotive Materials パックは、Unreal Engine 4 (UE4) ですぐに使用できる、自動車をテーマとした 物理ベースのマテリアル のコレクションです。このパックは、プロが手がけたように自動車の仕上げをレンダリングできる、そのまま使えるソリューションとなることを目的としています。以下が含まれています。

  • 10 個のマスター マテリアルから作られた 164 個のマテリアル インスタンス。すべてのマテリアルで PBR のベスト プラクティスを活用しています。

  • 高品質な 4K テクスチャ (手作業でスキャンされた 2D および 3D アセットの Quixel Megascans ライブラリを使用)。

  • オブジェクト UV と、モデルの UV マッピングが不完全な場合でも機能する 3 面 (Triplanar) マッピングの両方のサポート。

  • レイ トレーシングを含むすべてのライティング手法の完全サポート。

概要

Automotive Materials パックは、優れた自動車マテリアルを作成できる高品質のソリューションを 3D ビジュアリゼーション プロフェッショナルに提供するために作成された最新のマスター マテリアルとサンプル コンテンツのコレクションです。含まれるマテリアルは、物理ベース レンダリング (PBR) のベスト プラクティスに従っており、使いやすく設計されています。Quixel Megascans ライブラリの 4K テクスチャを使用すると、驚くようなビジュアルの忠実度を実現できます。また、マテリアルはすべて、3 面マッピングを使用してテクスチャの伸縮と継ぎ目を最小化するように設定されています。最後に、マテリアルはすべて、さまざまなライティング ソリューションに最適化されており、レイ トレーシングに対応しています。

以下のサンプルで使用されている車両のメッシュは、Automotive Materials パックに 含まれていません

マスター マテリアルとマテリアル インスタンス

Unreal Engine 4 (UE4) では、マテリアルのインスタンスを使用することで、負荷の高い再コンパイルを行わなくてもマテリアルの外観とプロパティを変更できます。それらのマテリアル インスタンスはマスター マテリアルから作成します。マスター マテリアルは、パラメータとして指定されたいくつかのプロパティを含んでいます。マテリアル インスタンスはそれらのパラメータを参照できます。そのパラメータを使用して、マスター マテリアルの複数のバリエーションを短時間で作成できます。

UE4 におけるマスター マテリアルの作成と使用は、発展的なワークフローです。マテリアルとその使用方法の詳細については、次のドキュメントを参照してください。

Automotive Materials パックには、以下のタイプのマテリアルが含まれています。

物理ベース レンダリング

Automotive Materials パックに含まれるすべてのマスター マテリアルは、Unreal Engine の 物理ベース レンダリング システム で可能な限りリアルで正確な結果を実現できるように、一から設計されています。例を使って説明しましょう。

  • 現実世界では、ほぼすべてのサーフェスが、金属または非金属 (誘電体) のいずれかとして振る舞います。同様に、このパックが含むすべてのマテリアルも、完全なメタリックか、完全な非メタリックのいずれかです。これはマスター マテリアルのノードで決定され、単一の IsMetallic チェックボックスとしてマテリアル インスタンスに公開されます。これにより、すべてのサーフェスがスペキュラとディフューズについて物理的に正確な比率で光を反射します。

  • Specular 入力はどのマテリアルでも使用していません。これにより、現実世界の光の振る舞いと正確に一致しない反射が発生するのを防いでいます。スペキュラの値は通常、デフォルト値の 0.5 のままです。

  • フネスマップがサーフェスの光沢を制御します。滑らかなサーフェス (ラフネスマップが黒に近い) ほど、鋭く、集中的な反射が生じます。粗いサーフェス (ラフネスマップが白に近い) ほど、鈍く、ぼんやりした反射が生じます。

物理ベース レンダリングの詳細と UE4 での物理ベース レンダリングの使用方法については、「物理ベースのマテリアル 」を参照してください。

3 面マッピング

このパックには、効率的な 3 面マッピングを行うマテリアル関数が含まれています。3 面マッピングは、UV マッピングを使用しないオブジェクトにテクスチャ マッピングを適用して、オブジェクトの 3D サーフェスを 2D テクスチャ空間にマッピングする方法です。代わりに、3 面マッピングでは 3 つの直交平面にテクスチャをマッピングした後、それらの 3 つの平面をオブジェクトのサーフェスに投影します。

これが、パック内のすべてのマテリアルのデフォルト ビヘイビアです。つまり、CAD アプリケーションで作成したパーツが大抵そうであるように、UV を持たないオブジェクトですべてのマテリアルを正常に使用できます。

この 3 面マッピング機能には、いくつかの有用な特性があります。

  • ローカル空間の位置を使用して、テクスチャがオブジェクトのサーフェスをスライドしているように見えないようにします。

  • オブジェクトをスケーリングしても、マテリアルのテクセル比が同一に保たれます。

以下の画像に、3 面マッピングで X (赤)、Y (緑)、Z (青) 軸に投影された平面マップを使用して、継ぎ目や伸縮を最小限に抑えながら完全なプロシージャル UV 投影を作成する仕組みを示します。

Illustration of how Triplanar Mapping works

しかし、計算にはローカル空間の位置を使用しているので、3 面 UV は、元のジオメトリと、ピボットを基準にしたオブジェクトのジオメトリの回転に依存しています。最良のテクスチャ適用結果を得るには、平らなサーフェスがオブジェクトのローカル空間の XY、XZ、YZ 平面の近くにくるようにオブジェクトを作成します。スタティック メッシュに UV があり、その UV をテクスチャ マッピングに使用したい場合は、マテリアル インスタンスの [Use Object UVs (オブジェクト UV を使用)] オプションを有効にします。

レイ トレーシングのサポート

すべてのマスター マテリアルは、RayTracingQualitySwitchReplace ノードを使用して 2 回目のバウンスでマテリアル グラフの異なるブランチを実行することによりレイ トレーシングのパフォーマンスを最適化するように設定されています。

The RayTracingQualitySwitchReplace node

2 回目のバウンスで、すべてのサーフェスの法線は平坦であると見なされ、サーフェスのラフネスは完全なラフか、完全な反射のいずれかであると見なされます。

共通して公開されているパラメータ

パラメータのカテゴリ

設定

Base Color

色 (RGBA)、カラー マップ、着色のオプションを含みます。

Metalness

メタリック設定のオプションを含みます。[IsMetallic] をオンにすると、マテリアルのメタリック属性を制御する一様のテクスチャが適用されます。さまざまなメタリック マップを適用することで、同じオブジェクト上のメタリックなサーフェスと非メタリックなサーフェスを区別できます。

Roughness

マテリアルのラフネスを調整する設定を含みます。ラフネスマップを適用することで、詳細な摩耗パターンを作成できます。ラフネスの量は、[Min] と [Max] の値を使用してランダム化できます。ラフネスを使用して、マテリアルの光沢を決定できます。

Normal

選択した法線マップをマテリアルに適用します。[Normal Intensity] は、値を使用してエフェクトを制御します。

Imperfections

染み、指紋、ダストをマテリアルに追加できます。マスク テクスチャを使用して、特定のパターンを適用できます。

UVs

オブジェクトの固有 UV マップを使用できます。3 面マッピングはデフォルトで有効です。

具体的なパラメータやその使われ方が不明な場合は、マウスをかざすと追加情報が表示されます。

Many of the parameters in the pack have informative tooltips

マスター マテリアル

Masters」フォルダに、いくつかのタイプのマスター マテリアルがあります。

加算ブラシ

液晶画面、時計、HUD など、各種ディスプレイの作成に便利です。Additive マテリアルは、カメラを正面から向けたときにディスプレイが明るくなり、横から向けたときには強度が弱くなるように Intensity が設定されています。

パラメータのカテゴリ

設定

Base Color

画面の表示内容を制御します。Facing Intensity (対面強度) は、中央付近を見たときの輝度に影響します。Edge Intensity (端強度) は、端付近を見たときの輝度に影響します。

以下の例では、GPS 装置を表示するように Base Color のテクスチャ マップが変更されています。

Brake Rotor

放射状の UV マッピングを使用するように作成されています。Brake Rotor マテリアルには、割れ目や染みなどの Imperfections の設定と、メタリック マップを使用して錆を追加する機能が含まれています。放射状の仕上げが必要なマテリアルの作成に最適です。

パラメータのカテゴリ

設定

Base Color

マテリアルにカラー マップや色合いを適用します。

Metalness

マテリアルをメタリックにするかどうかを制御します。

Roughness

摩耗パターンを適用するために使用します。マテリアルの光沢も決定します。

Cracks

マテリアルにひび割れパターンを適用します。スケールと強度の両方を制御できます。

Imperfections

染みの欠陥をサポートしています。

以下に、このマテリアルを使用したブレーキ ローターを示します。金属が摩耗した線と染みが追加されています。

Car Paint

自動車の外装やブレーキ キャリパー用に設計されています。Car Paint マテリアルは、フレーク、オレンジ ピール、カメレオン エフェクト、クリア コート、欠陥をサポートしています。

パラメータのカテゴリ

設定

Basic

マテリアルにカラー マップや色合いを適用します。2 つ目の色を選択できる Chameleon (カメレオン) エフェクトの設定を含んでいます。表示角度に応じて、1 つ目の色がフェードして 2 つ目の色が表示されます。

Clear Coat

光沢に影響するマテリアルにクリア コートを適用します。このエフェクトの強度は調整できます。

Flakes

塗装の下地にフレーク エフェクトを適用します。

Imperfections

指紋とダストの欠陥をサポートしています。スケールと強度の両方を制御できます。

Orange Peel

自動車の塗装によく見られる凹凸エフェクトを適用します。

カメレオン エフェクトは、表示角度に応じて 1 つ目の塗装色と 2 つ目の塗装色をブレンドします。

Use Chameleon parameter オフ

Use Chameleon parameter オン

以下にクリア コート機能の例を示します。

クリアコート強度値 0

クリアコート強度値 1

Flake パラメータは、塗装下地に懸濁する金属のフレークをシミュレートします。これを使用することで、さまざまな仕上げを実現できます。

Use Flakes オフ

Use Flakes オン

Orange Peel パラメータは、自動車の塗装工程で発生する欠陥を表します。

Use Orange Peel オフ

Use Orange Peel オン

Decal

Decal マテリアルはサーフェス上に投影され、輪郭に従うように調整されるため、ロゴ、ストライプなどのデカールを車両に追加するのに最適です。

パラメータのカテゴリ

設定

Base Color

Color Map (カラー マップ) で表示されるデカールを制御します。Tint オプションはデカールの最終的な色を制御します。

以下の画像は、自動車のボンネットに Unreal Engine ロゴをデカールとして適用しています。

Emissive

ヘッドライト、テールライト、LED ライトに役立ちます。Emissive マテリアルには、表示角度によって変化する色合いと強度の設定があります。

パラメータのカテゴリ

設定

Light

Color Tint (着色) はマテリアルの最終的な色を決定します。Facing Intensity (対面強度) は、中央付近を見たときの輝度に影響します。Edge Intensity (端強度) は、端付近を見たときの輝度に影響します。

次の画像は、ブレーキ ライトに Emissive マテリアルを適用しています。

ガラス

Glass マテリアルを使用して、窓、透明なライト カバー、フロントガラスを作成できます。 フロントガラスは多少の設定が必要であり、次の 2 つのメッシュから構成されます。内装 1 つと外装 1 つです。

[ Setting up the car windshield using two meshes

番号

説明

1

内装ガラス マテリアルを使用している内装スタティック メッシュ。Translucency Sort Priority プロパティは 0 に設定されています。

2

外装ガラス マテリアルを使用している外装スタティック メッシュ。Translucency Sort Priority プロパティは 1 に設定されています。

内装メッシュは内装フロントガラス マテリアルを使用しており、Translucency Sort Priority が 0 に設定されています。一方、外装メッシュは外装フロントガラス マテリアルを使用しており、Translucency Sort Priority が 1 に設定されています。

以下に、使用した手法を示します。外装フロントガラス メッシュが環境を反射しています。

パラメータのカテゴリ

設定

Glass

ガラスの色、粗さ、端に向かって暗くグラデーションにするためのオプションを含みます。

Transparency

フロントガラスの端にサン シェードを適用するためのオプションを含みます。

Imperfections

ダスト、指紋、および染みの欠陥をサポートします。

マスク

Masked マテリアルを使用して、プラスチックと金属の目打ちまたは網目パターンを作成できます。これは、スピーカー カバーなどのコンポーネントに最適です。クリア コートと、ダストや指紋などの形で欠陥をサポートしています。

パラメータのカテゴリ

設定

Base Color

マテリアルにカラー マップや色合いを適用します。カラー マップはマスク テクスチャを含みます。

Metalness

マテリアルをメタリックにするかどうかを制御します。

Roughness

ラフネスを適用します。これはマテリアルの光沢を制御するために使用できます。

Clear Coat

まばゆいクリア コートを適用します。

Imperfections

ダストと指紋の欠陥をサポートします。

Opaque

柔軟性の高いマスター マテリアルである Opaque マテリアルを使用すると、透明なものや、金属、カーボン ファイバー、革、プラスチック、木、ゴム、反射材などのコーティングがされたものを何でも作成できます。クリア コート オプション、欠陥オプション、さまざまな色とラフネスのオプションを備えています。

パラメータのカテゴリ

設定

Base Color

マテリアルにカラー マップや色合いを適用します。

Metalness

マテリアルをメタリックにするかどうかを制御します。

Roughness

ラフネスを適用します。これはマテリアルの光沢を制御するために使用できます。

Clear Coat

まばゆいクリア コートを適用します。

Imperfections

ダストと指紋の欠陥をサポートします。

以下に、このマスター マテリアルの柔軟性が分かる例を示します。革製のシート、ナイロン製のシートベルト ストラップ、プラスチック製の内装パネルはすべて、Opaque マスター マテリアルを使用して作成されています。

Textile

布の性質を持つカーペット、天井材、スエード、パーフォレーテッド レザーなどを作成できるようになっています。Textile マテリアルには、目打ち、ソフトネス、欠陥の設定が用意されています。

パラメータのカテゴリ

設定

Base Color

マテリアルにカラー マップや色合いを適用します。

Roughness

ラフネスを適用します。これはマテリアルの光沢を制御するために使用できます。

Softness

中心の暗さ、端の明るさ、サブサーフェスの色の形で、マテリアルにソフトネスを適用します。

Wear

マテリアルに摩耗パターンを適用します。

Perforation

目打ちをシミュレートするマスクを適用します。穴には着色を追加できます。深さとサイズも制御できます。

以下の例に、Textile マスター マテリアルを使用して作成した茶色のスエードを示します。

Tint

テールランプの設定に使用します。Tint マテリアルは、車両のライトの調整と着色に使用します。フロントガラスと同様に、テールランプは 3 つのメッシュを使用して設定できます。

番号

説明

1

Glass マテリアル

2

Tint マテリアル

3

Emissive マテリアル

パラメータのカテゴリ

設定

Base Color

色合いを制御します。表示角度が変化したときにブレンドする、追加の端の色合いを設定できます。

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