Unreal Engine のライトマッピングを理解する

スタティックメッシュのライトマップ UV を設定するためのテクニックとガイドライン。

ゲーム用のアセットを作成する際は、多くの場合、テクスチャ用にレイアウトされた UV を設定する手順を実行します。プロジェクトで任意の形式のベイク済み (静的または固定) ライティングを使用する場合は、ライティング情報を保存する UV チャンネルも設定する必要があります。この UV は ライトマップ UV と呼ばれています。これは、各 UV がベイク済みライティングとシャドウ情報の保存に使用されることを除いて、各スタティックメッシュに固有のレイアウト UV チャート (または UV アイランド) で構成されるという点でテクスチャ UV に似ています。テクスチャ UV とは異なり、ライトマップ作成のプロセスは環境アート作成においてより難しい領域の一つとなっています。これは、モデルの各面はライトマップ上にオーバーラップしない独自の固有空間を有している必要があり、また、UV チャートは、アーティファクトを回避するために十分なパディング (または空間) を確保する必要があるためです。

スタティックメッシュが、ベイク済みの (または事前に計算された) ライティングのいずれかの形式で照らされる場合にのみ、ライトマップが必要となります。ゲームまたはプロジェクトで動的ライティングのみを使用している場合、各スタティックメッシュにライトマップを設定する必要はありません。

ライトマップを作成する

ライトマップを作成する方法は 2 つあります。

  • Unreal Engine 4 のライトマップ自動生成ツールを使用する

  • UV 編集ツールを使用してカスタム ライトマップ UV を作成する

ライトマップ UV を自動生成する

特に数千または数万のアセットを必要とするプロジェクトの場合、カスタム ライトマップ UV の作成には時間がかかることがありますが、ライトマップの自動生成を行うとライトマップ UV を素早くパッキングできるので、手動で設定したり正確なパディングを行ったりする必要がなくなり、大幅な時間の節約につながります。Epic では、このプロセスを独自のワークフローに組み込んでいます。

独自のアセットをインポートすると、FBX のインポート オプション ウィンドウで (無効になっていない限り) ライトマップ UV が自動的に生成されます。

ImportOptionsGenerateLM.png

テクスチャ レイアウトの UV (UV チャンネル 0) に基づいて、ライトマップが自動的に生成されます。生成されたライトマップ UV は、エラーのない良好なライトマップとしての要件を満たした形でアイランドを再パッキングします。つまり、アイランドのオーバーラップやラップはなく、ターゲットのライトマップ解像度に基づいてアーティファクトを制限するために、アイランド間に十分なパディングが加えられます。

スタティックメッシュ用にライトマップ UV が生成されると、[Build Settings (ビルド設定)] のスタティックメッシュ エディタのライトマップ生成設定を使用して調整することもできますが、ライトマップ UV の生成後には、通常はこれらの設定に触れる必要はありません。

StaticMeshEditorGenerateLMSettings.png

これらの設定は、ライトマップ UV を生成したり既存のものを再パッキングしたりする場合にいつでも使用可能です。このツールは、再パッキング アルゴリズムを使用して、[Source Lightmap Index (ソース ライトマップ インデックス)] (または UV チャンネル) に基づいてライトマップを生成し、それを [Destination Lightmap Index (宛先ライトマップ インデックス)] で指定された新しい場所に保存します。このアルゴリズムは、指定されたソース ライトマップ インデックスから UV チャートを再パッキングしますが、プロセス中にそれらのカットまたは分割を行いません。したがって、ライトマップ UV を作成する際はこれを念頭に置き、モデリング ソフトウェアまたは UV 編集ソフトウェアで多少の準備作業を行い、UE4 にインポートする前に UV チャートを分割することで、良い結果を得ることができます。

詳細については、「ライトマップ UV を生成する」 を参照してください。

カスタム ライトマップ UV

UE4 にインポートするスタティックメッシュの大部分では、自動生成されたライトマップ UV を使用すると、最小限の労力で良い結果が得られます。ただし、自動生成された UV を適切に使用できない場合は、モデリング ソフトウェアまたは UV 編集ツールでカスタム ライトマップ アンラップを作成する必要があります。

UV 編集ツールの機能と作成するアセットの種類によっては、他のアセットよりも更に注意を払う必要があることから、カスタム ライトマップが最適な選択となる場合もあります。以下に示す Autodesk 3ds Max のような多くの UV 編集ツールには、UV チャートを合理的な方法で簡単に平坦化、変形、接続、分割できるさまざまな機能があります。これらオプションは、UE4 のライトマップ生成では利用できません。

DCC_UEEditingTools.png

Autodesk 3ds Max の UV 編集ツール。

このページの後半では、特定の結果を得るための UV のアンラップの基礎について説明します。この操作は、ライトマップの自動生成と組み合わせることができます。すぐに確認したい場合は、このページの 「連続する UV とパディング」 セクションを参照してください。

テクスチャ UV とライトマップ UV

テクスチャ UV の設定は、多くの場合、ライトマップ UV の場合よりも良い結果を得るためには UV チャートのレイアウトに対して別のアプローチが必要となります。ライトマップは、エリアがオーバーラップしないように平坦にレイアウトする必要があります。また、光が漏れないように各 UV チャートの間に十分なパディングも必要となります。しかし、テクスチャ UV の設定は、UV チャートにテクスチャをどのようにマッピングするかだけが重要となるので、このような制限はありません。テクスチャ UV は、タイル テクスチャまたはジオメトリのさまざまな部分に割り当てられたテクスチャを持つことができるので、オーバーラップしている、またはラップしているアイランドがあっても問題ではありません。

以下の建物のファサード (前面) を例に取ります。同じテクスチャがマッピングされた、異なる 4 つの面があります。各サイドに UV 空間を使用するのではなく、単一のテクスチャが作成されており、各サイドの UV チャートはそれぞれが重なり合っています。これは、テクセル密度が低いことから、高い解像度を使用することなく、すべての面にマッピングされる単一のテクスチャに対して空間を効率的に使用できます。

ライトマップがレイアウトされると (右)、すべての面が独自の UV 空間で表示されるため、ライト ベイクを適切に生成できます。また、アーティファクトや光漏れを少なくするため、一部のパーツは分離されており、他のチャートの間には十分なパディングが付与されています。

TextureUVLayout.png

テクスチャ UV レイアウト

LightmapUVLayout.png

ライトマップ UV レイアウト

連続する UV とパディング

ライトマッピング UV を設定する 1 つの方法は、ジオメトリの連続した (または接続された) グループを作成することです。滑らかなライティング結果を生成するには、ジオメトリを表示するのに理にかなった方法で面を接続するのが理想的です。

例えば、以下の UV チャートは、ジオメトリのすべての前面と側面を 1 つの UV チャートに接続し、上部は独自のアイランドとして分離されています。

LightmapUV_Padding.jpg

スタティックメッシュ ジオメトリの UV チャート。

アンラップしたら、UV チャート間に最小限のパディングを追加して、ライトとシャドウのにじみアーティファクトを防ぐ必要があります。DXT テクスチャ圧縮は 4x4 テクセル ブロックで動作するため、すべてのにじみアーティファクトを回避するには、通常 4 つ以上のテクセルが必要です。

パディング用にカスタム ライトマップを設定している場合、次の式を使用して、グリッドの適切なテクセル間隔を決定します。

    1 / Target Lightmap Texture Resolution = Texel Grid Spacing

解像度が「64」の場合、上記の式の例は次の通りです。

    1 / 62 = 0.0161290323

UE4 はパディングにピクセルを使用します。つまり、スナップ グリッドを見つけて UV チャートをグリッドに手動でスナップする場合、各辺から 1 つずつ引く必要があります。自動生成されたライトマップ UV を使用すると、適切なパディングでパッキングされます。

LightmapUV_Padding_1.jpg

  1. 無駄な UV パディング

  2. 必要な UV パディング

Lightmass では、ライトマップ テクスチャ アトラスをレベルに組み込む際、あらゆる種類のライトとシャドウのにじみを防ぐためにライトマップのエッジの周りがすでにパディングされています。したがって、ライトマップ UV のエッジに追加のパディングは必要ありません。

しかし、これにより不必要なパディングと無駄な UV 空間が発生してしまいます。

LightmapUV_Padding_2.jpg

(左から右) Unreal Engine のライティングのみのビュー。テクスチャ付きスタティックメッシュ。テクスチャ UV レイアウト、ライトマップ UV レイアウト。

1:1 のスケーリングが可能かどうかを心配するよりも、ライティングの結果を中断することなく、きれいな連続したサーフェスを得ることの方が重要です。倍率が 1:7 で 2 倍のカバレッジを持つライトマップは、アイランドが不均一にスケーリングされている場合でも、より良い結果を生成します。薄すぎるものの、1:1 の比率を維持している領域は、適切な結果をキャプチャできないことから、現在正しくライティングされません。この例のもう 1 つの重要なポイントは、ネガティブ インテリア カット (赤色でハイライトされた部分) が分離されていることです。滑らかなライティング結果が重要となる連続した UV チャートのライトとシャドウの情報が、それらカットと共有されるのを防ぐためです。

ライトマップ UV の例

次の例では、シンプル、複雑、そして有機的に構造化されたそれぞれのジオメトリのカスタム ライトマップ UV レイアウトを見ていきます。これらの例は、滑らかなライティング結果を得たり維持したりするためのヒントとして参考にしてください。

シンプルなオブジェクト

この建物のファサードは、単純なモジュール式のピースを表現しています。これは、アンラップ時にポリゴン数の少ないポリジオメトリをミラーリングする連続ジオメトリの良い例です。

TextureUVLayout.png

テクスチャ UV レイアウト

LightmapUVLayout.png

ライトマップ UV レイアウト

連続した面を使用すると、UV 空間でのカバレッジを最大化するのがはるかに簡単になり、ほぼ完全なライトマップで、より低いライトマップ解像度でより良いライトをベイクできます。UV チャートの分割によって生じる継ぎ目や、わずかに表示される暗い線がないことに注目してください。

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複雑なオブジェクト

多数のジオメトリや要素の少ないネガティブな空間があるような、連続した UV に関するいかなる経験則にらいも基づいていないデザインの場合、アーティファクトを防ぐために UV チャートを分割し、さらに多くのパディングを追加する必要があります。

スタティックメッシュとライトマップ UV レイアウト

ライトのベイク結果

この手すりのライトマップは、垂直のピースと手すりが結合している箇所にいくらかの歪みがあります (中央画像、右側)。これらのピースの両側と中央のセクションは、強制的に結合されています。UV に歪みがある場合でも、良好な結果を生成できる十分なカバレッジがあります。

手すりの円形部分の内部は、前面と背面のそれぞれの隣接するアイランドに分割されています。プレイヤーに表示される側の内面と外面はグループ化されており、これらの領域の 4 分の 3 は滑らかなライティングを持っています。手すりの裏側は独自のアイランドとなっています。手すりの裏側はレベルでプレイヤーから簡単に見られるものではないからです。手すりの裏側より、プレイヤーから見られる部分の大半に焦点を当てる方が良い結果を得るためには重要となります。

また、ライトマップ UV に最適なものに対して機能する複雑なジオメトリが存在する場合があります。中規模のアセットに加えて、これには複雑さを増すだけのネガティブな空間がたくさんあります。

スタティックメッシュとライトマップ UV レイアウト

ライトのベイク結果

非常に多くの個別の要素がある場合、パディングにより多くの無駄な UV 空間が生じる可能性があります。この場合、品質を維持するには、より高いライトマップ解像度を使用する以外に選択肢はありません。この例では、少し先を見据えて、理にかなった UV チャートを組み合わせて高いライトマップ解像度の使用を計画していましたが、それでもまだ完璧な見た目にはならないことがわかっています。多少のにじみは予想されますが、それほど多くはないことから、ライティング結果の品質は損なわれません。

メモリ使用量に応じてより高いライトマップ解像度を使用することで、一部のアーティファクトを減らすことができますが、パフォーマンスの向上と最適化を目指す場合は、可能な限り常に低い解像度を使用することをお勧めします。また、興味深い効果のディフューズと通常のテクスチャを備えている優れたマテリアルであれば、ライトマップの問題を隠せる場合もあることに留意してください。

有機的なオブジェクト

多数の丸みを帯びた形状を持っているか、より有機的なデザインのジオメトリの場合、必要に応じてサーフェスを平らに投影し、UV を緩和することをお勧めします。

スタティックメッシュ ライトマップ UV レイアウト

ベイク済みライティングの結果

有機的な形状向けに自然に機能する場所では UV チャートを分割するなど、理にかなった方法でジオメトリを分解する方法を見ていきます。これを行う際の最大の問題は、エッジの分割によりライティング結果の滑らかさが損なわれることです。したがって、この噴水の場合、ライトのベイクの可視可能な継ぎ目を減らすのに最も合理的なのは、噴水の上部を、上下半分、中央部分それ自体、独自のアイランドとして底部に分割することです。経験則として、深いくぼみや隙間があるセクションでライトマップ UV を分割するのが良いことがわかっています。

中央の列の UV チャートはメッシュのように見えませんが、UV 空間をより効率的に使用するために直線になっています。ライトマップ UV の場合、この方法で申し分ない高品質で滑らかなライティング結果を得られます。

ライトマップ解像度の重要性

効率的なライトマップは、良好なライティング結果を得られる最低の解像度を使用するために UV 空間の大部分を可能な限り効率的に埋めます。ほとんどのライトマッピングの問題は、UV 空間を使用してカバレッジを最大化し、UV チャート間の十分なパディングを維持することで軽減できます。

プロジェクトがデスクトップ プラットフォーム用にビルドされている場合、通常は取得するメモリ使用量が多いことから、より高い解像度を使用する余裕があります。ただし、コンソールおよびモバイル プラットフォームの場合、メモリ使用量を厳密に制御する必要があります。そのため、割り当て内に収まるようにするには、ライトマップの解像度の品質をいくらか犠牲にするのが一般的です。

ジオメトリとその複雑さによっては、メッシュをより小さな部分に分割して、それぞれが適切なカバレッジを持つ一意のライトマップを作成し、その際に低いライトマップ解像度を使用できるようにすると便利です。

ライトマップと設定を検査する

スタティックメッシュ エディタ

スタティックメッシュ エディタを使用すると、スタティックメッシュにアタッチされた UV を検査したり、独自のライトマップ UV を生成したり、このメッシュのライトマップ テクスチャの解像度を設定したりできます。

UV オーバーレイを有効にする

ツールバーの [UV] ドロップダウンで、表示する UV チャンネルを選択します。

SMEditor_EnablingUVView.png

選択すると、UV チャンネルのスタティックメッシュ エディタ ビューポートにオーバーレイが表示されます。

SMEditor_UVOverlay.png

現在表示されている UV チャンネルは、オーバーレイの上に表示されます。

SMEditor_UVOverlayText.png

ライトマップ座標インデックスを設定する

[Lightmap Coordinate Index (ライトマップ座標インデックス)] は、Lightmass がライティング ビルド中にライトマップ テクスチャを生成するときに、このスタティックメッシュに使用する UV チャンネルを指定します。

スタティックメッシュ エディタ の [General Settings (一般設定)] セクションで [Lightmap Coordinate Index] を見つけます。

UE4 は、現在ライトマップ チャンネル (UV チャンネル 1) があるスタティックメッシュをインポートするとき、またはインポート中にライトマップが生成される場合、可能な限り適切な UV チャンネルの割り当てを試みます。ただし、まだライトマップ UV を持っていないスタティックメッシュのインポート後にライトマップ UV を生成する場合は、正しい UV チャンネルを [Lightmap Coordinate Index] に手動で割り当てる必要があります。

ライトマップ解像度を設定する

[Light Map Resolution] を使用すると、ライティングのビルド中に Lightmass によって生成されたベイク済みライトとシャドウ テクスチャのデフォルトのテクスチャ解像度を設定できます。この解像度は、レベルに配置されたこのスタティックメッシュのすべてのインスタンスに使用されます。

スタティックメッシュ エディタの [General Settings] セクションで、[Light Map Resolution] の設定を見つけます。

SMEditor_LightmapResolution.png

また、[Overridden Light Map Res] を有効にして解像度サイズをプラグインすることにより、スタティックメッシュのライトマップ解像度を任意のレベルでオーバーライドできます。この設定は、スタティックメッシュのこの特定のインスタンスをオーバーライドします。

StaticMeshDetails_OverrideLM.png

[Light Map Resolution] または [Overridden Light Map Res] を、生成されたライトマップ UV[Min Lightmap Resolution (最小ライトマップ解像度)] の値よりも低く設定すると、ライティングのビルド後に継ぎ目と光漏れが発生する可能性があります。[Min Lightmap Resolution (最小ライトマップ解像度)] は、UV チャート間で十分なパディングを維持するため、このスタティックメッシュに設定する予定の最低解像度にする必要があります。

レベル ビューポート

レベル ビューポート では、さまざまな表示モードを用いて、ライティングのビルドとライトマップ解像度の密度を他のスタティックメッシュと比較して確認できます。これらの表示モードは、最終結果の確認や、ライトマップとライティングのビルドの問題のトラブルシューティングに役立ちます。

Lightmap Density (ライトマップ密度) 表示モードを使用する

[Lightmap Density (ライトマップ密度)] 表示モードを使用すると、割り当てられたライトマップ解像度の密度を、「理想的な」(または最大の) 密度設定に基づいて、レベル内の他のスタティックメッシュ アクタと比較したチェッカー グリッドで視覚化できます。ベイク済みのライティングを使用する場合、一貫したライティングを得るにはシーン全体で均一な密度を保つことが重要です。

ViewMode_LightmapDensity.png

Epic の『インフィルトレーター』でライトマップ密度表示モードを使用したワンシーン

レベル ビューポートを使用して、[View Mode (表示モード)] > [Optimization Viewmodes] > [Lightmap Density (ライトマップ密度)] を選択して、このビューを有効にします。

ViewMode_EnableLightmapDensity.png

有効にすると、カラー グリッドは、現在のライトマップ解像度に基づいてシーン内のすべてのスタティックメッシュをオーバーレイします。

次の密度の色は、レベルの理想的なライトマップ解像度が、レベル内のスタティックメッシュに設定されたライトマップ解像度にどのように関連するかを示しています。

TexelDensity_1.jpg

TexelDensity_2.jpg

TexelDensity_3.jpg

理想的なテクセル密度より低い場合

理想的なテクセル密度

理想的なテクセル密度より高いか、テクセル密度が最高の場合

可動性が [Movable (可動)] に設定されたスタティックメッシュは、ライトマップ UV を必要としないか、可動性の点で最適化する必要があるため、[Lightmap Density (ライトマップ密度)] 表示モードでは茶色で表示されます。

デフォルトの密度は平均値なので、これを必要に応じて調整します。この表示モードをプロジェクトで便利に使用するには、ゲームのテクスチャ予算に応じて色の範囲をより厳密または緩く調整する必要がある場合があります。メイン ツールバーの [Build (ビルド)] > [Lighting Info (ライティング情報)] にある [Lightmap Density Rendering Options (ライトマップ密度の描画オプション)] を使用して設定します。

EditorBuildOptions_LightmapDensity-1.png

プロパティ

説明

Ideal Density

シーン内のオブジェクトに対して理想的なテクセル密度を設定します。理想的なテクセル密度は緑色で表示されます。

Maximum Density

テクセル密度がシーンに対して高すぎると見なされる最大密度を設定します。高すぎるテクセル密度は赤色で表示されます。

Color Scale

Lightmap Density 表示モードを使用する場合、シーンの色をスケーリングします。

Grayscale Scale

Ideal Dencity および Maximum Density の値に基づいて、シーンのグレースケール係数の輝度レベルをスケーリングします。

Render Grayscale

Lightmap Density 表示モードでグレースケールが使用可能になります。

Lighting Only 表示モード

[Lighting Only (ライティングのみ)] 表示モードは、マテリアル テクスチャ情報なしでシーンのライティングを確認するのに便利です。また、これはライトのビルド結果を見るときに非常に役に立ちます。

ViewMode_LightingOnly.png

この表示モードと 「エラーの色付け」 を併用すると、UV のオーバーラップまたはラップに起因するシーンのライトマップ エラーを視覚化できます。

ワールド設定

[World Settings (ワールド設定)] パネルには、現在読み込まれているレベルに固有の設定があります。そこには、メモリを節約するために圧縮するかどうかの選択、ライトマップを保存するパッキングされたテクスチャ アトラスの最大サイズの設定、レベル用に生成されたパッキングされたライトマップ テクスチャなど、ライトマップに固有ないくつかの追加設定もあります。

WorldSetting_LightmapOptions.png

ライトマップを圧縮する

最適化のために、UE4 は生成されたライトマップ テクスチャをデフォルトで圧縮するよう設定されています。[Compress Lightmaps] がオフの場合、パッキングされたライトマップ テクスチャ アトラスは圧縮を使用しません。これにより、メモリ使用量が大幅に (4 倍) 増加しますが、圧縮アルゴリズムに起因するアーティファクトを減らすことができます。

法線マップを使用しないサーフェスの場合、テクスチャ アトラスにパッキングされた小さなライトマップの圧縮アーティファクトが表示されることがあります。適切なテクスチャと法線マップを使用することにより、ベイク済みライティングの結果が改善されます。ライトマップ解像度を上げているライトマップ UV で問題を抱えているものがある場合、UV チャートを再加工して UV 空間内のカバレッジを追加すると、これらのタイプの圧縮アーティファクトが改善されることに留意してください。

直接ライティング エリア

高コントラストな直接ライティング エリアでは、圧縮アーティファクトが発生しやすくなります。圧縮を無効にすると、ライトマップの結果はより滑らかになり、シミもなくなりますが、負荷が大幅に高くなります。

Compress Lightmaps: Enabled | Lightmap Resolution: 64

Compress Lightmaps: Disabled | Lightmap Resolution: 64

間接ライティング エリア

間接ライティング エリアでは、圧縮アーティファクトはあまり目立ちません。圧縮が無効の時は結果はより滑らかになる一方で、テクスチャと法線マップを適用した時はアーティファクトが目立たなくなります。

Compress Lightmaps: Enabled | Lightmap Resolution: 64

Compress Lightmaps: Disabled | Lightmap Resolution: 64

ライトマップ解像度を上げた直接ライティング エリア

壁の下部にあるトリム メッシュのライトマップの解像度が向上しています (床と柱の間の中心)。これは、圧縮を無効にするのではなく、単にライトマップの解像度を上げるだけで同様の結果が得られることを示しています。元のライトマップの解像度を 2 倍にすることで、アーティファクトの大部分を排除できます。このわずかな変更でも、テクスチャのメモリ使用量は最小限に抑えられるか、まったくなくなります。

Compress Lightmaps: Enabled | Lightmap Resolution: 64

Compress Lightmaps: Enabled | Lightmap Resolution: 128

パッキングされたライトとシャドウ マップのテクスチャ サイズ

個々のアクタのレベルのライトマップが生成されると、それらは複数のテクスチャ アトラスにパッキング、保存されます。個々のライトマップ テクスチャをアクタごとにロードするのはあまり効率的ではありません。それらが継続的にロードおよびアンロードされ、GPU の負荷が高まります。

WorldSettings_PackedLightmap.png

レベルで使用されるスタティックメッシュ アクタの数とそのライトマップ解像度により、使用されるテクスチャ アトラスの数が決まります。ライトマップの解像度を大きくすると、アトラスで使用するスペースが増えます。テクスチャ アトラスのサイズは、[Packed Light and Shadow Map Texture Size] の設定に 2 の累乗の値 (「512」、「1024」、「2048」、「4096」) を使用して調整します。

WorldSettings_PackedLMResolution.png

トラブルシューティングと最適化

エラーの色付け

エラーの色付け は、エラーが発生しているライトマップに色を重ねることにより、ライティングのビルド後に [Map Check (マップをチェック)] の下の [Message Log (メッセージ ログ)] に表示される警告を視覚化して確認できるようにします。

EnableErrorColoring.png

[Use Error Coloring (エラーの色付けを使用)] が有効になっている場合、結果を視覚化するには、[Lighting Quality (ライティング品質)][Medium (中)] または [Preview (プレビュー)] に設定する必要があります。

ErrorColoring_LightingQualitySettings.png

Lighting Only 表示モードを使用すると、この種の問題を簡単に探し出すことができます。

オーバーラップしているライトマップ UV

ライトマップ UV のオーバーラップの警告は、UV チャートがライトマップの UV 空間内でジオメトリの別の部分とオーバーラップしていることを示します。ライトマップに使用する場合、すべての UV は UV 内に独自の空間を持っている必要があります。エラーの色付けでは、これらの UV チャートをオレンジ色でオーバーレイします。テクスチャ UV は必ずしもこのとおりにする必要がないことに注意してください。

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Overlapping UVs | Light and Shadow Artifacts

Overlapping UVs | Error Color Overlay

UV のラッピング

UV のラッピング の警告は、UV チャートが 0-1 UV 空間の外側にあることを示します。エラーの色付けでは、これらの UV チャートのいずれかを緑色でオーバーレイします。

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Wrapping UVs | Light and Shadow Artifacts

Wrapping UVs | Error Color Overlay

統計ウィンドウ

[Statistics (統計)] ウィンドウには、現在ロードされているレベルにあるライティング、テクスチャ、プリミティブに関する多くの有用なデータを表示できます。ここに表示される多くのデータは、使いやすくするのにまずライティングをビルドする必要があります。

[Statistics (統計)] ウィンドウを開くには、[File (ファイル)] メニューから [Edit (編集)] > [Statistics (統計)] を選択します。

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左上にあるドロップダウン選択を使用して、表示するデータのタイプを選択します。

StatisticsWindowOptions.png

ライティングのビルド情報

[Lighting Build Info (ライティングのビルド情報)] は、現在ロードされているレベルのアクタのソートされたリストと、それぞれのアクタのライティングを計算する方法を示します。このリストは、ライティングの計算に時間がかかりそうな問題のあるメッシュを追跡するのに役立ちます。例えば、ライトマップの解像度が高い場合や、アクタとやり取りするシーン内のライトの数が多いと、ライティングの計算にかかる時間が長くなります。

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スタティックメッシュのライティング情報

[Lighting Build Info (ライティングのビルド情報)] は、現在ロードされているレベルのアクタのソートされたリストと、それぞれのアクタのライティングを計算する方法を示します。このリストは、ライティングの計算に時間がかかりそうな問題のあるメッシュを追跡するのに役立ちます。例えば、ライトマップの解像度が高い場合や、アクタとやり取りするシーン内のライトの数が多いと、ライティングの計算にかかる時間が長くなります。

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このページは Unreal Engine の前のバージョン用です。現在リリースされている Unreal Engine 5.3 に対して更新は行われていません。
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