入門編 : Unreal Engine 3
概要
このドキュメントでは、「Unreal Engine 3」を使用したゲームの計画 / 製作 / 出版のプロセスについて概要を述べています。「Unreal Engine 3」を使用して新たなプロジェクトを開始することは、骨の折れる作業になるかもしれません。エンジンは複雑なため、どのように着手すべきか、また、どのように段階を踏むべきかといったことが常に把握しやすいとは限りません。この概要がこの先みなさんの役に立つはずです。最初に何をしなければならないのか、さまざまな製作サイクルに関するドキュメンテーションはどこにあるのか、ゲームの制作が完了したらどうすべきなのかといった点について、適切な方向を示すためのものです。
各セクションは、時系列順に配置されており、計画から始まり出版まで記述しています。この過程を通じて各セクションでは、それぞれのタスクと開発の局面にかかわる事項について簡潔に要約するとともに、当該開発局面の重要領域をカバーする詳細なドキュメントへのリンクについても掲載しています。
ただし、このリストは、Unreal Development Network 上にある、あらゆるドキュメントの完全で包括的なリストでは決してありません。したがって、開発するゲームがここにリストされている開発ステップ (局面) と正確には一致しない場合があります。つまりこのドキュメントは、関連する事項について説明するとともに、「Unreal Engine 3」を使用してゲームを開発する際に必要となる重要なタスクを遂行するための基礎を提供するものです。
プラットフォーム特有の考慮事項
PC 以外の各種プラットフォーム用に開発する場合は、開発開始のためのプロセスにおいて、そのターゲット プラットフォームに特有な要素が含まれています。特定のプラットフォームに向けた開発開始に関する詳細については、以下のページに掲載されています。
計画と製作準備
製作を開始する前に (さらに言うならば、「Unreal Engine」が開発予定のゲームに適しているか否かを決定する前に)、今後陥りがちなミスを回避するために、次に掲げるような重要な問題について検討 / 判断しておく必要があります。
- 開発予定のゲームに必要な機能が「Unreal Engine 3」によってサポートされていますか?
- 「Unreal Engine 3」の最低スペックは、ターゲットとしている市場に適していますか?
- ゲームのリリース スケジュールに見合うだけのスキルをもった技術者がそろっていますか?
- 「Unreal Engine 3」のコンテンツ パイプラインがニーズに合っていますか?
- どのような法的なガイドラインに従う必要がありますか?
- Epic では「Unreal Engine 3」のためにどのようなサポートを行っていますか?
このような質問への答えは、 入門編 : 製作 のページに詳細な情報がありますので、ご参照ください。
Epic では、毎月第 2 日曜日および第 4 日曜日の午前 5 時から正午 (アメリカ東部標準時) までの時間帯を、定期保守のために当てています。計画立案時にはこのことを念頭においてください。この時間帯は、サポートアウトレットのうちいずれか、または、すべて (特にネットワーク / サーバーリソース) が、影響を受ける可能性があります。
エンジンの入手とセットアップ
試験的な製作であっても、実際の製作が開始されるときであっても、まず、適切なバージョンのエンジン (すなわち、「Unreal Engine 3」または「Unreal Development Kit」(Unreal 開発キット)) を入手しなければなりません。初めてのユーザーにとっては、「Unreal Engine 3」を入手するプロセスが難しく感じられるかもしれませんが、Epic では一連のステップに関する詳細なガイドを提供しています。Perforce の実際上の知識がある場合は、プロセスは比較的簡単なものになるでしょう。また、Epic では、新たな QA 承認済みビルドに素早くアップグレードするためのカスタムのツールを提供しています。「Unreal Development Kit」(Unreal 開発キット) を入手する場合は、インストーラをダウンロードしてアプリケーションをインストールするだけですので、素早く簡単に済みます。
適切なバージョンのエンジンを入手した後は、カスタム ゲームプロジェクトに着手する前にセットアップが必要となります。ライセンシーの場合は、セットアップのプロセスがもう少し複雑になります。エンジンソリューションにおいて新たなプロジェクトを作成するとともに Visual Studio をセットアップする必要があるからです。「UDK」(「Unreal Development Kit」) のユーザーの場合は、新たなスクリプトプロジェクトと自身で選択したコーディング環境をセットアップするだけで済みます。繰り返しになりますが、セットアップ プロセス全体に渡って役立つ詳細なガイドが用意されています。
このプロセスを開始する場合は、 入門編 : エンジンのセットアップ のページを参照してください。
UnrealScript と「Unreal Engine 3」のコードベース
UnrealScript 言語およびエンジンのコードベースについて知識をもち理解することは、ネイティブであれスクリプトであれ、非常に重要です。これによって、エンジンの全パワーを活用することができるようになるとともに、新しい機能を極めて効率的に実装することができるようになります。ドキュメンテーションを常に探しまわったり、拡張するクラスや関数が実装されている場所を探すためにコードを当てもなく調べたりする必要がなくなります。
当然のことながら、「Unreal Engine 3」規模のコードベースについて完全に理解し、その知識をすべて得るというのは現実的ではありません。しかしながら、相応な時間を使って、主な事項とクラスに関する概要を理解し、特定の専門分野に関係する事項とクラスについて深く理解することは可能でしょう。
入門編 : プログラミング のページには、まず初めに知るべき事項に関するドキュメントへのリンクと情報が掲載されています。これによって、「Unreal Engine 3」を使用したプログラミングの方法を学ぶことができます。
ゲームプレイ要素の作成
カスタムのゲームプレイ要素の作成は、ゲームの開発を開始するに当たって、欠かすことができないものです。この場合のゲームプレイ要素とは、ゲームタイプ (ゲームルール) やプレイヤー (カメラと入力を含む)、HUD/UD (ヘッドアップ ディスプレイ / ユーザー インターフェース) などの要素のことを意味します。ゲームプレイ要素には、新たなゲームを開発する際に技術チームによって実装されるカスタムな要素の 1 つにすぎないものもありますが、先にあげたゲームプレイ要素は、ゲームの骨格の基礎を構成するとともに、全ゲームに共通するものであるため、特別な注意が必要となります。
入門編 : ゲームプレイ要素 のページには、これら各要素の詳細と参考資料および具体例へのリンクが掲載されています。
レベルの作成
レベル (すなわちマップ) とは、ゲームが行われるワールドあるいは環境を構成するアイテムの集合体です。ゲームの環境およびワールドを作成することが、製作サイクルにおいて非常に重要な段階であることは明らかです。レベルを作成するプロセスには広範なテーマが関わってきますが、その基本は、Unreal Editor (「Unreal Engine 3」とともに提供されている編集スイート) 内でさまざまなタイプのアクタをマップに配置することになります。
レベルの設計には総合的な技術が必要であるため、1 つのレベルには同時に複数の人たちが作業することになります。おそらく、レベル全体を統轄する責任者が 1 人いて、1 人または複数の人が Kismet のビジュアル化されたスクリプティング システムを使ってイベントのスクリプト化を担当し、何人かが Matinee を使用してアニメーションのイベントとシネマティック シーケンスの処理を担当することになるでしょう。「Unreal Engine 3」のレベル ストリーミング システムによって、上記作業がすべて可能になります。これは、1 つのパーシスタント レベルが複数のサブレベル (ストリーミング レベルと呼ばれます) を含むことができるためです。これらのサブレベルには Kismet のスクリプト処理と Matinee のシーケンスを含めることができるため、複数の人間が同時に同一のレベル全体に取り組むことが可能になります。
環境の作成方法に関する詳細は、 入門編 : レベルの作成 のページをご覧ください。
コンテンツの作成
「Unreal Engine 3」には UnrealEd 内部にあるカスタム ツールとパイプラインが備わっているため、外部のアプリケーションからコンテンツを取り込むことができます。この機能のおかげで、アーティストはコンテンツを自由自在に作成して、ゲーム環境に生命を吹き込むことができます。環境や建物、建築物、装飾物を作成するための静的メッシュ、プレイヤー キャラクターや武器、ビークル (乗り物) などのために使用される骨格メッシュ、さらには複雑で動的なマテリアル、また驚くべきパーティクル エフェクトなど、多種多様なコンテンツ作成が「Unreal Engine 3」によって簡単に効率よく行うことができます。
入門編 : コンテンツの作成 のページには、主なコンテンツ タイプの詳細ならびに作成 / インポート / 編集の方法が掲載されています。
コンパイルとテスティング
開発プロセスの期間中は何回となくエンジンとスクリプトがビルドおよびコンパイルされることによって、テスティングのためにゲームが起動されることになります。このプロセスは、「Unreal Engine 3」に複数のツールが追加されたことに最大限軽減化されました。ビルドおよびコンパイルは、「Unreal Build System」と「Unreal Frontend」によって処理されます。これによって、以前は手作業で処理していたことも、かなりの部分が自動化できるようになりました。
テスティングとデバッギングは退屈なプロセスですが、内蔵されているツールを使用することによって、効率的にバグやパフォーマンス上の問題を発見し、ゲームプレイを微調整することができます。
入門編 : ビルドとテスティング のページには、ビルドとテスティングのプロセスに関する概要と内蔵されている全ツールの使用法に関する情報が掲載されていますのでご参照ください。
パッケージ化と配布
配布用にゲームの完成バージョンを準備・作成することが、「Unreal Engine 3」および「Unreal Development Kit」(Unreal 開発キット) を使用したゲーム作成工程の最終段階となります。保存スペースについて懸念される場合は、必ず、ゲームで実際に使用されるコンテンツだけが含まれるようにしなければなりません。さらに、ゲームに含まれるあらゆるソフトウェア、または、ゲームに含まれるサードパーティへの依存、これら 2 つに関係して発生するライセンス上の同意事項に従っているよう留意する必要があります。
入門編 : デプロイ (配備) のページには、「Unreal Engine 3」を使用して作成したゲームのパッケージ化に関する詳細が掲載されています。
Important!
You are viewing documentation for the Unreal Development Kit (UDK).
If you are looking for the Unreal Engine 4 documentation, please visit the Unreal Engine 4 Documentation site.